言語聴覚室
当院が所在する群馬県では、国が推進する意思疎通支援事業の一環として、失語症者を支援するための研修事業が始まっています。 失語症とは、脳卒中や事故などの後遺症で生じる言葉の障害で、聴く、話す、読む、書く、ことが難しくなる症状を指します。 この…
言語聴覚士は入れ歯に触れる機会が少なからずあります。そこで入れ歯の取り扱いについて簡単にまとめてみました。 1,入れ歯は食事のたびに洗う 入れ歯自体は虫歯にはなりませんが、手入れを怠ると歯垢がたまり歯石になったり、口臭の原因になります。また…
当院の言語聴覚士(以下ST)は毎年2名、中之条町の2歳児発達健診に参加し、ことばの相談を担当させていただいています。 2歳児発達健診とは、2歳児の心身発達について確認したり、栄養指導、歯科検診を行う健診です。 STの他にも、歯科医師、保健師…
先日、出張で「日本高次脳機能障害学会」のオンデマンド配信を視聴させていただきました。 今回の高次脳機能障害学会は、「感じる高次脳機能」というテーマで開催されました。高次脳機能障害とは脳の損傷により、視覚・聴覚・自己受容感覚・記憶など様々な感…
コミュニケーションにはバーバルコミュニケーション(言語を使う)とノンバーバルコミュニケーションがあります。今回はこのノンバーバルコミュニケーションについてお話しします。 そもそもノンバーバルコミュニケーションとは何なのか?と思う方もいるかも…
嚥下食とは「飲み込みや物をかみ砕くといった機能の低下がみられる時に、飲み込みやすいよう形やとろみ、まとまりやすさなどを調整した食事のこと」です。 この間ドラッグストアでこれをみつけました。 今や牛丼もこのように食べやすい形態で販売されている…
人種や年齢、性別は関係なく右利きの割合は世界の約90%、逆を考えれば左利きは世界の人口の約10%と言われているそうです。そんな私たちの利き手はいつ決まるのでしょう? 生後5~6ヶ月程になると赤ちゃんは近くの物を掴もうとします まだ利き手は決まっ…
みなさんは発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)ということばを聞いたことがありますか? 発達性ディスレクシアとは、脳に損傷がなく、聴覚や視覚・知的発達が正常であるとしても文字がなかなか習得できない障害です。 日本語話者では約5~8%いると…
10月13日、東吾妻町のフレイル予防サポーター養成講座に講師として参加しました。 「守ろう!地域の健康!~人との繋がりがフレイル予防のカギ~」というテーマで、身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルそれぞれの予防方法について説明しま…
以前の記事で、飲み込みの力を保つ運動として、「シャキア訓練」「嚥下おでこ体操」が紹介されていたと思います。 「シャキア訓練」は、仰向けになり頭だけを上げて足先やおへそを見る姿勢を取り、①そのままの姿勢を維持する、②頭を上げたり下げたりする と…
秋と言えば、「スポーツの秋」「読書の秋」「芸術の秋」「食欲の秋」など“○○の秋”という言葉が多くみられます。なぜ秋なのか、それぞれにどんな由来があるのか調べてみました。 スポーツの秋 スポーツの秋といわれるようになったきっかけは東京オリンピック…
この度、実習生指導を初めて担当することになりました。 将来同じ職業を目標にされている学生さんのお手伝いが出来ることに、喜びを感じています。 実習期間を前にして、 私自身が実習生の時は、どんな気持ちで実習に臨んでいただろうかと、十数年前を思い返…
言語聴覚療士の日野です。 食事(摂食・嚥下面)に関わることも多い職種です。 “ホウレンソウ”というタイトルで、「栄養に関すること」と思った方もいるかもしれませんが、今回は社会で必要とされている“ホウレンソウ”の先についてです。 ホウ(報)・レン(…
私は、長野県出身のため、群馬県に移住してから初めて上毛カルタという物を知りました。長野県では、県全体で行っているカルタの様なものはありません。(地域によってはあるのかもしれません) 知っている方が大半かと思いますが、上毛カルタは、浦野匡彦氏が…
今年の夏は伊勢崎でも40度越え、中之条でも8月上旬に36度と昨年に続き猛暑が続いています。 さて、タイトルにもある熱中症ですが、定義としては、「高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が壊れるな…
「夏バテ」には、食欲の不振やだるさなど暑さで体の調子が悪くなる症状がみられます。 昔から辛いものを食べて食欲を高めるという工夫がされてきました。 では何故「暑い時は辛い物がいい」といわれるのでしょうか? それは皮膚温が上がるからと言われていま…
生活の中で、「疲れが溜まっているなあ…」と感じたことがあると思います。 とはいえ、簡単にお仕事や学校は休めませんし、疲れている状態が続いてしまう方も多いのではないでしょうか? ですが最近では、疲労が体調不良を引き起こす原因になるということをよ…
担当している患者さん(40代前半の方)から 「職員が何を言っているのか聞こえにくいことがある」と言われたことがあります。 COVID-19の影響でマスクの着用、町中にはアクリル板やビニールカーテンのある生活様式が当たり前となりました。 皆さんもスーパー…
今日は、東北大学の調査研究により明らかになった、朝食がこどもの脳に与える良い影響についてお話ししたいと思います。 朝ごはん習慣を身につけていない小・中学生の学力が低いことは、既に文部科学省の調査などで明らかになっています。 加えて東北大学研…
今日は全国的にたぶんお休みですが、コロナの感染拡大は休んでくれそうにありませんし、当院の入院リハビリも通常どおり稼働しています。休みということで、普段のリハビリとは離れた記事をご紹介します。 言語聴覚士(ST)の臨床とは離れた話題になります…
今回は、病気等で口から食事を摂ることが難しい方や、誤嚥の危険性が高い方が栄養を摂取するために行われる方法をご紹介します。 経管栄養とは、チューブやカテーテルを通して、胃や腸に直接栄養剤を注入する方法です。消化管機能が保たれている方に使われま…
年齢を重ねるにつれて、徐々に耳が遠くなる方が多くなってくると思います。年齢と共に耳が遠くなる難聴を老人性難聴と言います。原因としては、耳の中にあるカタツムリの様な蝸牛という中にある、音を伝える働きをする有毛細胞が減少していくことで耳が遠く…
嚥下障害(飲み込みに障害がある)という方に対して、とろみは必要不可欠なものです。嚥下障害により水分でムセてしまう方には、お茶やスープにとろみを付けて飲んでいただいています。 リハビリでは、とろみの量を減らすことや、とろみをなくしても安全に飲…
音には様々な高さがあります。大太鼓のようなお腹に響く低い音、蚊の羽音のような高い音・・・ 私達が話す言葉は50音の様々な音が組み合わさってできています。そのそれぞれの音の高さは違うのです。 下の図は年代による聴力の低下と、各音の周波数(音の高…
水を飲んだタイミングやご飯中、ムセて苦しい経験をしたことがあると思います。さて、動物(四足歩行)も同じようにムセるでしょうか?? 答えは「ムセない」だそうです! なぜかというと…飲み込む道と呼吸の道が立体交差になっているため誤嚥や窒息は起こら…
舌(ぜつ)。 俗に言うところのベロです。 ST(言語聴覚士)が対象とする分野で、大変重要な役割を持つ大切な器官です。 一つは食事での飲み込みに関する、嚥下(えんげ)分野で大切な働きをしています。 例えばゴハンを食べる際に、先ずは食べ物を口の中…
スーパーで買い物をしながら体の機能の回復・維持に繋げる「ショッピングリハビリ」についての新聞記事がありました。 ショッピングリハビリは、デイサービス利用者で介護保険の要支援1・2の方が対象。デイサービスでレクリエーション後にスーパーに移動し…
新型コロナウイルスが蔓延して、外出の際にはマスクが手放せなくなっています。1日の殆どがマスクをつけている方もいらっしゃるかもしれません。今回は、マスクをつけた状態での表情筋の影響と筋トレについて紹介させて頂きます。 マスクをつけた状態で他者…
STの高柳です。よろしくお願いします。 今回は、「呼吸」について記事を書きました。 普段何気なく行っている食事は呼吸状態が悪くても誤嚥をしてしまいます。 実は、飲み込みと呼吸は密接に関係していると言われています。 今までは理学療法士や作業療法…
歯周病とは、細菌の感染によって歯ぐきが赤く腫れたり、歯が抜け落ちたりする病気です。不十分な歯磨きや甘いものの食べ過ぎなどによって歯と歯ぐきの間に細菌が溜まると、歯ぐきに炎症が起きます。 歯周病菌の1つにジンジバリス菌(Pg菌)という細菌があり…