言語聴覚療法では、「文字を声に出して読む」すなわち「音読」をリハビリで実施する機会が多いです。呂律不良の改善という目的はもちろんのこと、脳の活性化を目的として音読をして頂く事があります。
なぜ、音読すると脳が活性化するのでしょうか。
音読するというのは、細かく分けると、
文字を見る→言葉の意味や読み方を理解する
→文字を声に出す→自分で発した声を聞く
という行動の連続です。
音読することは、この4つの行動を一度にこなすため、考え事や黙読をする時よりも、脳の多くの部分が働くそうです。
さらに、音読する時に脳の中で最も働いているのが、前頭前野という部分だそうです。
前頭前野は、物事を記憶する、考える、行動や感情をコントロールする、人とコミュニケーションをとる、という私たちが人間らしく生きるために大切な事を司っています。
前頭前野が最も働く「音読」をすれば、認知症予防や改善、記憶力アップや仕事の能率アップにつながります。
私がリハビリで音読教材として活用しているのが、昔話です。
昔話は老若男女親しみがあり、簡単に読むことができる教材なため重宝しています。
また、退院される方におすすめしているのが新聞記事の音読です。
新聞でも雑誌でも、身近な教材を活用して音読を習慣化してはいかがでしょうか。
記事担当:ST室