「バイリンガル」とは「2カ国を話せる人」のこと。これは知っている方が多いと思います。
では、「バイリンガル脳」って何でしょうか?
脳は思考や行動の種類によって働く部分が異なります。言葉を話すときと聞くときでも、脳の異なる部分が働きます。
下図の赤い部分は言葉を発音するときに働く部分、黄色い部分は言葉を理解するときに働く部分です。これは母国語が日本語でも英語でもその他の言語でも、モノリンガル(母国語のみを話す人)であれば変わらないそうです。しかし、バイリンガルは青い部分の神経細胞が増えており、赤い部分・黄色い部分を含めた様々な脳の部位とのネットワークがつながってきます。このような変化を起こした脳のことを「バイリンガル脳」と呼ぶようです。
バイリンガル脳の最も重要な機能と言われているのは、話す相手や場面によってどの言語を使うのかを切り換える能力であり、これは使用しない脳の部位を抑制し、使用する部位へ注意を向けるという高度な能力ですが、バイリンガル脳となっている人ではスムーズに行えるそうです。
テレビで通訳をしている人の脳はこんなふうになっているんですね。脳って本当に不思議です。
まだまだ解明されていないことも多いですが、失語症の治療に応用できないか、これからも勉強していきたいと思います。
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