群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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喫茶去と水分摂取の意義

 「喫茶去(きっさこ)」という言葉をご存知でしょうか。 お茶席の掛け軸などで目にすることも多い禅語で、「喫」は飲む、「茶」はお茶、「去」は去ることを意味します。

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 この言葉は「まあお茶でもお飲みなさい」という意味なのだそうですが、本来は「お茶でも飲んで去れ」と相手を叱咤するものでした。そもそも中国・唐時代の趙州従諗禅師のエピソードが元になった禅語です。そのエピソードとは、ふたりの僧が趙州禅師に「前にここに来たことがあるのか?」と尋ねられたとき、それぞれ「来たことがない」「来たことがある」と答え、どちらに対しても「喫茶去」と禅師がお茶をすすめたことでした。

 

 喫茶去の意味する禅の境地を理解するのは大変なのかもしれませんが、「難しい話は抜きにして、まずはお茶でも一杯飲みましょう。」という感覚は、理解できそうです。お茶の時間は、日常を忘れさせてくれるリラックスタイムです。いろいろな出来事が起きる毎日の中で、自分に向き合う静かな時間は大切にしたいものです。

 

 

 あるとき、認知症のある患者さんに対応しているときに、上司に教えていただいたことです。

 

 「水分の摂取量に変化はありませんか? 水分摂取量が少ないと、認知症の症状が悪化しているようにみえることがあります。」

 

 この言葉は、理学療法士たるもの、基本的な生活習慣にも関心をもつ必要があるといっています。水は大事だとは思っていても、どの位飲んだら良いのかは、わかりにくいものです。

 

 最近ではこんな研究を目にしました。ウエストミンスター大学の研究で、“知的作業の前に500mlの水を飲んだ人は、飲まなかった人より「集中力が14%」「記憶力が6%」も向上したそうです。”

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 上手な水分補給は学習能力を高めてくれる可能性があります。体に水分を十分に行き渡らせて勉強をする方が、なにも考えずに勉強するよりも、血行が良くなって、反応が早くなります。水の物理的な作用ですが、血液がサラサラになっているから学習能力が高められるのでしょう。

 

 喫茶去に戻りますが、まずは一杯のお茶をお勧めしています。すると認知症でも受験勉強でも、なにか良いアイデアが浮かぶかもしれません。こころの余裕は持ちたいものですね。

 

記事担当:部長さかもと