群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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電気の力で塩味を増やす

 脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血くも膜下出血があります。いずれも『高血圧』が最大の原因です。

 

 『高血圧』が長く続くと動脈硬化が進行し、やがて脳の血管が詰まって脳梗塞になります。また『高血圧』の程度が強い場合、脳の血管が破れて脳出血になったり、また脳の血管の一部分に動脈瘤ができて破裂してくも膜下出血になることもあります。

 

 『高血圧』の治療の1つに、食事における塩分量を減らす減塩食が挙げられます。しかし今まで食べていた食事に比べて味が薄くなるため、その味に慣れるには時間がかかるとも言われています。

 

 味は舌にある「味蕾」と呼ばれる小さな受容体で感じています。基本5味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)と呼ばれる5種類の情報が脳に伝わり、味を認識していると言われています。

 

 この仕組みを利用して、人体に影響のない微弱な電流で減塩食の塩味を最大1.5倍に強く感じることができる食器が開発されています。スプーン型とお椀型の2種類あり、口に触れると電流が流れる仕組みで、塩味を感じる「ナトリウムイオン」が舌のセンサー周辺に集まり、摂取した塩分が少なくとも塩味を十分に堪能できるようです。

 

 『高血圧』が完全に予防できれば、日本人の脳卒中は今よりも約半分に減るとも考えられています。この技術が広く活用されるようになれば、医療費削減・健康長寿はもちろんですが、健康のため残していたラーメンのスープを、少しは味わうことができる日が来るのかもしれません。

 

                            記事担当部署:ST室