当院でリハビリに励んでいる患者さんの中には「半側空間無視」という症状が出現している方がいらっしゃいます。
半側空間無視とは、視野欠損等無く、目では見えているのに人や物、風景などの半分に注目できない症状のことで、結果として身体の半分をぶつけてしまったりお盆にのっている食事の半分を残してしまったりします。
「目では見えているのになぜ?!」と中々想像がつかない症状であると思います。
以前、半側空間無視などの高次脳機能障害についてテレビで特集されていたことがあり、その時に挙げられてたイメージが分かりやすかったので、ご紹介します。
人が生活を送っていれば様々な情報が視野に入ってきます。
しかし、それは自分の目で見えている範囲のみの情報であって、真後ろで起こっている出来事は確認しない限り分からないし、普段から常に真後ろを意識している人は少ないと思います。
意識していなければ、当然真後ろから飛んで来たボールはよけられませんし、真後ろに用意してある料理に気がつかないまま終了してしまうと思います。
半側空間無視の方では、私たちが真後ろへの意識が向かないのと同じように、見えている視野の半分に意識が行かず物をよけられなかったり、お盆上の半分の料理を残してしまうのです。見えてはいるため、意識が向きにくい方向を見るよう声かけをすると見落としや忘れていたことに気付くことがあります。
少し、半側空間無視の症状についてイメージできたでしょうか。この様な症状を呈することがあるなんてやはりヒトの脳は凄いですね。
記事担当部署:ST室