群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

塩分摂取量が多い日本人がなぜ長寿?

 米や麦、大豆麹にして大豆と塩で発酵させて作る味噌は、昔から健康に良いものとされてきました。これまでの疫学研究では味噌の摂取量が多いと乳がんや早期の前立腺がん、大腸がん、肝臓がん、胃がんなどになりにくい可能性も示され、基礎研究でもその効果が証明されています。

 

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しかし、味噌を摂ることは食塩の過剰摂取につながるとされ、私も20数年前の医学教育で、“味噌汁を一日二杯飲む人は必ず高血圧になります”と恩師が言っておられたのを鮮明に記憶しています。

 

広島大学の実験では、ラットを用いて、普通のエサと共に、以下のようなグループ分けをしました。


1.味噌を与えたグループ

2.味噌は与えず、味噌と同量の塩分を与えたグループ

3.味噌は与えず、塩分もかなり減らしたグループ


 2の高塩分グループは、3つの中で一番血圧が高く、1の味噌グループと3の低塩分グループの血圧は正常範囲内でした。

 また生存率に関しても2のグループが1番低いことがわかりました。

 そして2のグループには脳に出血した跡がありましたが、13のグループには見当たりませんでした。

 水を飲む量はやはり2の高塩分群が一番多かったということです。

 1の味噌グループは、2の高塩分グループと、塩分量に関しては同量でした。

 しかし味噌に含まれる成分のおかげか、低塩分グループとほぼ同じ結果が得られることがわかりました。

 

また、国立がん研究センターも、味噌や納豆などの大豆発酵食品には、血圧を下げて脳卒中を防ぐ効果があるという研究調査を発表しています。4069歳の男女4000人余を対象に行なわれ、納豆や味噌などの大豆発酵食品をよく食べた人は、食べなかった人に比べ、約20%以上発症リスクが抑えられました。

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しかし、豆腐などの発酵させない一般の大豆食品も調査されましたが、こちらには発症を防ぐ効果はありませんでした。


 大豆イソフラボンには血管壁が動脈硬化によって厚くなるのを防ぎ、血圧を下げる作用がありますが、そのままでは吸収されにくく、発酵することによって分解が進み、吸収されやすくなるようです。

 

 味噌は発酵食品であるため、腸内環境をよくし、体内の酸化や老化を予防してくれます。

 また細胞の再生を助けてくれるビタミンB2も豊富です。ビタミンB2は脂質や糖質の代謝にも役立つビタミンです。


 さらに人間の体内では合成されない9種の必須アミノ酸が全て揃うという万能調味料です。


 味噌は塩分が高いと言われてますが、1食分にすると1.3gほどです。


 国の食塩摂取量8-10gを守るのにも、11杯の味噌汁はそれほど害にはならないはずです。


 ”お代わり”を避ければ、塩分を控える目的のために、味噌を避ける必要はなさそうです。


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 塩分摂取量が多いとされる日本人。味噌が保護的に働いた結果、長寿になったのかもしれません。