群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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ヒートショック

 12月に入り、一段と気温が下がり、本格的に冬になってきましたね。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 前回のブログで寒さが体に与える影響についてお話しさせて頂きました。今回は寒さが体に与える影響の1つである、ヒートショックについてお話しさせていただきたいと思います。

 

 「ヒートショック」という言葉はテレビなどで耳にしたことがあるかと思います。ヒートショックとは、『急激な温度変化により急激に血圧が変動することで、心筋梗塞不整脈脳出血脳梗塞などの発作を起こすこと』です。冬は、暖房の付いている部屋と暖房の付いていない浴室やトイレとの温度差が10度以上になると言われています。その室温の変化に、体温を調節しようと、急激に血圧が変動するため冬場によく発生します。

 

○ヒートショックを起こしやすい人

 健康な人・若い人なら急激な血圧の変動に耐えられるかもしれません。しかし、以下の人は注意が必要です。

・65歳以上

・高血圧・生活習慣病の持病がある人

・一番風呂が好きな人

・熱い風呂が好きな人

・飲酒後に入浴する人

・水分補給をあまりしない人

 

○ヒートショックが起こりやすい場所

 極端な温度差があるところでヒートショックは起きやすいです。

・脱衣所と浴室

・リビングとトイレ

・朝、布団から出るとき

 

 

○症状

 軽度なものだと、めまいや立ちくらみ、重度なものだと呼吸困難・嘔吐・意識消失などが起こります。また、血圧上昇により、心筋梗塞脳梗塞脳出血不整脈を引き起こしやすくなります。上記の症状から、転倒や溺死に繋がる場合もあります。

 

○対策

 入浴時の注意点は、

・入浴前後に水分補給する

・食後1時間以上空けてから入浴する、飲酒は入浴後に行う

・長湯をしない

・脱衣所に暖房器具を置く

・浴室を温めるために、浴槽を溜める際に、シャワーを使って高い位置からお湯を入れる、お湯を張った浴槽のふたを開けておく

・お湯につかる際の目安は、41度で10~15分以下

 トイレ・部屋での注意点は、

・部屋間の温度差をなくす

・トイレに暖房器具を置く

 

 

○ヒートショックが起きた際の対処方法

 もし浴槽の中で発生した場合は、まず浴槽のお湯を抜いて、溺れることを防ぎます。呼びかけても意識がない場合や呼吸が弱い場合は救急車を呼んで下さい。意識があっても、呂律が回らない、体の一部に力が入らない、頭や胸に痛みがある場合も救急車を呼んで下さい。

 

 これからますます寒くなってきます。より部屋間の温度差も大きくなるので、ヒートショックが起きないように対策していきましょう!

 

記事担当:PT小向