群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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塩分を出しましょう

 DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食が、塩分を排出させる食事として再注目されています。

 

 DASH食とは、飽和脂肪とコレステロールの少ない果物、野菜、ナッツ・豆類、低脂肪乳製品、全粒穀類を豊富に摂取することで降圧効果が期待される“塩分の排出に重点を置いた食事療法”で、国内の高血圧治療ガイドライン2019年版でも推奨されています。もともと米国で高血圧改善のために推奨されていた食事法で、臨床試験ではDASH食を2ヶ月続けたところ、最高血圧が平均して11.4mmHg下がったと報告しています。

 

           

 

 しかし、日本では、塩分の取り過ぎを抑える“減塩”に重点が置かれる傾向にあり、「排塩を意識した高血圧対策」があまり進んでいない現状があります。

 

 塩分の排泄を促すカリウムや食物繊維、血圧調整を担うカルシウム、血圧上昇抑制に影響するマグネシウムなどが豊富に含まれている食材を多く摂取したいものです。

 

 

DASH食で提唱する3つのミネラルにはそれぞれ違った血圧を下げる働きがあります。

 

 まずはカリウムカリウムが細胞内に入ると、ナトリウムが排出され血液中の水分が減り、血圧が下がります。また、摂取したナトリウムとカリウムは腎臓でろ過されますが、それぞれ血管に再吸収されます。そこでカリウムが多いと、ナトリウムの吸収を阻害するため、結果的に血圧が下がります。

 

 次はカルシウム。カルシウムが不足すると、骨や歯などからカルシウムを溶かし出し、血中のカルシウム濃度が高くなります。すると、血管壁が収縮するため、血圧が上がってしまいます。これは「カルシウムパラドックス」といわれ、ややこしい仕組みですが、カルシウムの補給が血圧を下げることにつながります。

 

 マグネシウムは、細胞内からナトリウムを排出し、カリウムを取り入れる働きを調節してくれます。さらに、動脈を広げて血圧を下げる働きがあります。

 

高血圧治療ガイドライン2019

 

 塩分やカロリーを控えて3つのミネラルを多く取るには、いかに効率よく取るかが重要です。3つのミネラルを多く含む食品は、大豆、大豆製品、乳製品、バナナ、アボカド、ブロッコリー、にんじん、アーモンド、いわし、しらす干しなどです。

 

 長くなるので、このくらいにしておきますが、皆さんも排塩、考えてみてはいかがでしょうか。

 

記事担当:部長さかもと