群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

日常生活活動ができるために大切な立ち上がり

患者さんから時々、”歩ければ何でもできるのでそれだけできるようにして欲しい”という要望を聞きます。はたして本当にそうでしょうか?

理学療法士としては、日常生活全般が楽にできるようになることを目指していますので、たとえ歩行中心のリハビリであったとしても、他の活動も考えながらリハビリをしています。

立ち上がりを例にとってお話します。

以前紹介した、日本整形外科学会のロコモの資料です。

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70歳未満は片脚で立ち上がり、70歳以上は両脚で立ち上がります。

70歳以上の場合でも10cmの台から半数の方は立ち上がりができるようです。

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しかし、日常生活活動が低下した方は、こうは行きません。

吉川らによれば、階段昇降、入浴、歩行を含む日常生活活動がすべて自立している方の群と、

何らかの介助を要する群の二群に分け、比較したところ、

階段も含め日常生活ができる為には、(両脚で)30.5cmの台から立ちあがれる必要があるとしています。(ROC曲線:感度78%、特異度81%)

約30cmの台から立ち上がることができれば、日常生活活動が階段昇降、入浴、歩行までできる可能性が高くなると言えます。

このようなこともあり、我々は歩行だけでなく、手すり不要で立ち上がりができるバランスや筋力も評価し、どうしたら患者さんができるようになるのか日々考えながら療法を行っています。

他にも大切な動作はありますし、靴も履けなければ歩けませんが、今回は立ち上がりについてだけお話ししました。

ロコモについては健常者を対象に、吉川らの研究は要介護者を対象にしていますが

日常生活活動の自立の為には、立ち上がりもこのくらいの影響があるというお話しでした。


引用文献
吉川 義之ら:立ち上がり可能な高さと、日常生活活動の関連性について