サルコペニア(英語表記はsarcopenia)は、全身の筋肉量と筋力の低下を特徴とした症候群のことで、筋肉量の低下を主問題に、筋力または身体能力の低下のいずれかが当てはまればサルコペニアとされている。
年を取って、体の筋肉が落ちるが、これも過度になってしまうと病的と考えられ、リハビリの効果も上がりにくくなるのが、私達の悩みの種です。
日本人高齢者のサルコペニア簡易基準案に関する論文ですが、
下方浩史、安藤富士子.サルコペニア―研究の現状と未来への展望―1.日常生活機能と骨格筋量、筋力との関連.日老医誌2012;49:195-8.
この簡易基準案では、普通歩行速度1 m/s未満、もしくは握力が男性25 kg未満、女性20kg未満である場合に脆弱高齢者と判断し、脆弱高齢者のうち,BMI 18.5 kg/m2未満もしくは下腿周囲長30 cm未満である場合をサルコペニアとしています。
筋肉量減少の評価がサルコペニアの診断で常に課題となりますが、ここではBMI 18.5 kg/m2未満もしくは下腿周囲長30 cm未満をもって筋肉量減少に相当するものとしています。
また、歩行スピードだけで、回復期リハに応用しようとすると、多くの方がサルコペニアということになってしまうので注意が必要です。
歩行速度についてはあくまで、患者さんの体格で健常だった場合、という推定です。
病気の発症は予測できないところがありますが、日頃から標準体重の意識と、体力低下を起こさない活動的な生活で、脆弱高齢者にならないことが、病院を遠ざけることにつながるようです。