食事のタイミングが心筋梗塞後の転帰に影響する可能性があります。
ブラジルのサンパウロ州立大学、Marcos Minicucci氏らの研究です。
「遅い時間帯に夕食を摂り、翌日の朝食を抜く」という習慣がある患者さんは、そうした習慣がない患者に比べて、心筋梗塞後の転帰が不良になりやすく、死亡リスクも高いことがわかりました。
「European Journal of Preventive Cardiology」オンライン版
この研究は、2017~2018年に、心筋梗塞を発症して集中治療室に入院した患者113人(平均年齢は59.9歳、男性73%)を対象とした。対象患者には、入院時に食習慣について尋ね、遅い時間帯の夕食や朝食の欠食といった習慣の有無を評価しました。
なお、「朝食の欠食」は、コーヒーや水などの飲み物以外に何も食べない日が週3回以上ある場合とし、「遅い時間帯の夕食」は、就寝前2時間以内に食事を取る日が週に3回以上ある場合としています。
結果、朝食の欠食は対象患者の57.5%に、遅い時間帯の夕食は51.3%にみられました。また、40.7%には「遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜く」という習慣がみられました。
分析の結果、遅い時間帯に夕食を取り、翌日の朝食を抜くという一連の習慣がある患者では、そうでない患者に比べて退院後30日以内の死亡リスクや、心筋梗塞の再発、それに伴い狭心症を発症するリスクが4倍以上になりました(オッズ比4.229、P=0.004)。
Minicucci氏は「朝食を抜くことと遅い時間帯の夕食は、それぞれ独立して心筋梗塞後の転帰(予後)不良と関連するが、これらが連続した習慣があると、転帰はより悪化する可能性があることが分かった」と結論づけています。
また、これまでの研究では、朝食を食べなかったり、遅い時間帯に夕食を取ったりする習慣がある人は、喫煙習慣や運動不足などの他の不健康な生活習慣を伴いやすい傾向がみられることも報告されていました。
Minicucci氏は「このような健康に悪い生活習慣と心血管疾患の転帰との関連には、炎症の亢進や酸化ストレスの増大、血管内皮機能の低下といった要因も影響すると考えられる」と述べています。
このような生活習慣を送ることは、折角リハビリで良くなった体や心の機能を再発で一瞬にして失ってしまうことも意味しています。
折角リハビリを頑張って良くなったとしても、3週間で再発して急性期病院に再入院は、誰もがしたくないですよね。
従って、病院生活で規則正しい生活習慣を食生活を含めて学び、自宅では実践いただけると、このように不幸な出来事は減らせると思います。
予防に勝る治療なし