群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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「朝食を摂っていますか?」

 今年度も早いもので2ヶ月が経過しようとしています。

 GW明けの生活リズムの変化や気候の変化により、

 体調を崩されている方も少なくないのではないでしょうか?

 そこで、本日は朝食を摂ることの重要性についてお話しさせていただきます。

 

 

 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、朝食の欠食率は男性で15.4%、女性で10.7%となっています。男女ともに20歳代の欠食率が最も高く、男性で37.4%、女性で23.1%と高い割合となっています。

 

 

 朝食を抜くとわたしたちの1日のリズムを司る「体内時計」が狂い、健康や日常生活の活動に悪い影響を及ぼすといわれています。

 体内時計は、24時間よりも少し長い周期でリズムを刻み、睡眠リズムやホルモン調節、体温、血圧などのコントロールをしています。起床後、朝の光を浴びて脳が目覚めたり、朝食を食べて体温が上がったりすることにより、内臓など体のさまざまな機能がリセットされ、1日24時間のリズムで動き出します。つまり、朝食を摂ることでわたしたちの体を目覚めさせてくれるのです。

 

 

 体内時計のリズムは、肥満やメタボにも深く関係しています。朝食を抜くと、前日の夕食から次の昼食まで何の栄養も摂らない状態が長時間続くため、午前中はエネルギー不足の状態になり血糖値は下がり気味になります。体は下がった血糖値を補おうとし、空腹感も相まって昼食や夕食で必要以上の食事を摂ってしまうことにもつながります。すると、血糖値は一気に高くなり、インスリンが過剰に分泌され、糖を脂肪として取り込むことになり体脂肪が増加し、太りやすくなります。

 頻繁に血糖値の乱高下を繰り返していると、糖尿病・心筋梗塞脳卒中などの生活習慣病リスクが増すため注意しておきたいものです。

 

 

 また、朝食を摂らないことは、集中力・記憶力の低下にもつながります。

 夜の間も動いている脳にエネルギーを供給するには、朝食が欠かせません。万が一、エネルギー不足状態に陥った場合、体内に貯蔵されていたグリコーゲンを分解し、ブドウ糖に変換して活用します。変換のひと手間が加わるためエネルギー効率が悪く、通常のような集中力・記憶力を発揮することが難しくなるでしょう。

 通常であればありえないミスをしたり、業務のパフォーマンスが落ちたり、さまざまなデメリットが現れます。結果、睡眠時間が短くなり、朝起きられなくなり、さらに朝食を摂る余裕がなくなるなど、生活習慣の乱れの悪循環に陥ってしまうリスクがあります。

 

 

 また、人の体温は昼間の活動時間に高くなり、夜の休息時間には低くなるというリズムを繰り返しています。睡眠のリズムと連動しており、朝食を食べてしっかりと体温を上げることで、夜ぐっすりと眠ることができるようになります。

 朝食を食べて、体内時計のリズムをリセットするだけでなく、心も体もベストな状態で、朝から充実した時間を過ごしましょう。

 

 

 いかがでしたでしょうか?朝食を摂ることは体調を整えていく上でとても重要な行為と言えるでしょう。

 朝食を摂る習慣のない方は、まずは手軽に食べられるものからでも摂取できると良いと思います。炭水化物とたんぱく質の組み合わせが良いとされていますが、カロリーメイトのような栄養補助食品等も忙しい方には良いと思われます。

 わたしたちも効率の良い仕事をしていく上で、朝食を摂ることはもちろん、患者さんがしっかりと朝食を摂れているか、より効果的なリハビリが行えるよう、より意識していく必要があると考えます。

 

 

                             記事担当:PT鈴木頼