群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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緑茶で予防

 大阪大学公衆衛生学教室の寺本氏らは、既に脳卒中心筋梗塞を経験した日本人の死亡リスクに、緑茶とコーヒーの摂取がどのように関係しているのかを調べました。

 

 分析に用いたのは、1988~1990年に全国で開始された大規模研究「Japan Collaborative Cohort Study」に参加した人たちのデータです。参加時点で40歳から79歳だった人の中から、4万6213人を分析対象にしました(脳卒中経験者478人、心筋梗塞経験者1214人、どちらも未経験の4万4521人)。

 

 緑茶の摂取頻度については、「1日に7杯以上」「1日に5~6杯」「1日に3~4杯」「1日に1~2杯」「1週間に1~6杯」「ときどき飲む、または飲まない」の6段階に分類しました。

            

 対象となった人々の緑茶の摂取頻度と死亡の関係を、年齢、性別、高血圧の有無、糖尿病の有無、BMI(体格指数)、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣、精神的なストレスの有無、学歴、雇用状態、食習慣(野菜、魚、果物、大豆の摂取)などの要因を考慮して分析したところ、脳卒中経験者と心筋梗塞経験者では、緑茶の摂取量が多くなるほど死亡リスクが低くなる傾向がありました。

 

   

 

 1日7杯以上緑茶を摂取した場合、脳卒中経験者では死亡リスクが62%減少、心筋梗塞経験者では死亡リスクが53%減少していました。

 死亡リスクの低下は主に、心血管疾患による死亡の減少によるものでした。

 一方で、脳卒中または心筋梗塞の経験のない人たちでは、緑茶の摂取と死亡リスクの間に統計学的に有意な関係は見られなかったそうです。

 

 脳卒中に罹ってしまうと再発リスクを減らすにはどうすれば良いか考えなくてはなりません。

 リハビリの際には習慣的に行う運動を指導されていることと思いますが、水分を補うという意味からも、緑茶をもっと積極的に摂っても良い結果といえるでしょう。

 

 

                            記事担当:部長さかもと