群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

脳卒中予防に最適な運動量は その2

 昨日は日本人の脳卒中発症予防と身体活動についてでしたが、
 今日はさらに、脳卒中のタイプごとについてみてみたいと思います。


 一日のエクササイズ量と各脳卒中タイプの発症リスクとの関係では、
  • 虚血性脳卒中と非塞栓性脳梗塞のリスクは運動量により、ほとんど変化せず
  • 塞栓性脳梗塞のリスクは運動量が増えるとさらなる低下を示し、
  • 逆に、運動量が増えると出血性脳卒中のリスクは上昇していく
という傾向があります。


 特に、運動量が3035エクササイズ/日の人々は、運動を全くしない人より、くも膜下出血のリスクが高いことが示されました。


 著者らは、身体活動量が510エクササイズ/日を超えると出血性脳卒中のリスクが上昇する点に着目し、この出血性脳卒中のリスクに大きな影響を与えるのは、中強度の運動か、より激しい運動かを明らかにしようと考えました。


そこで、身体活動量に含まれていた運動を、中強度運動(ウォーキングなど、メッツは3以上6未満)と高強度運動(ジョギングなど、メッツは6以上)に分けて、横軸をそれぞれの運動による身体活動量(エクササイズ/日)、縦軸を出血性脳卒中リスクとしてグラフ化しました。
 
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図 運動強度別にみた、身体活動量と出血性脳卒中リスクの関係(出典:Stroke. 2017 Jul;48(7):1730-1736.


 すると、中強度運動では、身体活動量が5エクササイズ/日程度の人のリスクが最も低く、10 エクササイズ/日を超えても、全く運動しない人々に比べ、運動量が増えてもリスクが20%以上低い状態といえます。


しかし、高強度運動では、5 エクササイズ/日前後の運動量の人のリスク低下幅は中強度に比べかなり小さく、さらに、15 エクササイズ/日を超えたあたりから、出血性脳卒中のリスクは、全く運動しない人々よりも大きくなり、運動量が増えるほど継続的に上昇する事がわかりました。