運動が脳卒中の発症を抑えるという研究が多くあります。
しかし、欧米人に比べ日本人は脳卒中を起こしやすく、特に出血性脳卒中(脳内出血やくも膜下出血)が多いようです。
今回お話しする論文の分析対象になったのは、循環器疾患や癌にかかったことがない、50歳から79歳までの7万人です。この方々の身体活動量と脳卒中の発症の関係を、2000年から2012年まで追跡したそうです。
身体活動量は、余暇の運動と、仕事関連の移動や家事のための身体活動を合わせ、推定しています。
活動の運動強度を示す指数「メッツ(METs;Metabolic Equivalents of Task)」に活動時間をかけ合わせた「エクササイズ(Ex;Excersice=メッツ×時間)」を合計して、1日当たりの身体活動量(エクササイズ/日)を求め、分析を行っています。
横軸を1日当たりの身体活動量(エクササイズ/日)、縦軸を脳卒中のリスクとして、得られた結果をグラフ化したところ、全く運動しない状況から5~10エクササイズ/日までは、身体活動量が増えるにつれてリスク低下が顕著で、脳卒中全体では30%程度リスクが低下していました。
しかし、それ以上身体活動量が増えると、リスク減少のカーブはやや上向きになっています。
一日の活動量としては仕事、家事による生活活動と運動による活動を合わせて一日5~10エクササイズが脳卒中にならないために最適と考えられます。
明日につづく・・・