うつ病患者の体温を下げることで、精神衛生上の利点がある可能性があることが、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究でわかりました。
研究者らは、毎日体温とうつ病の症状を自己申告した2万人以上の海外からの参加者のデータを分析しました。この 研究は 2020 年に始まり、106 ヶ国のデータが含まれていました。
その結果、うつ病の症状の重症度が増すごとに、参加者の体温が上昇することが示されました。体温データでは、24 時間を通じて体温の変動が少ない人ほどうつ病スコアが高くなる傾向も示されました。
運動や入浴などは、体温を上昇させる働きがありますが、深部体温を上昇させてから休憩すると、ホメオスターシスにより体温が低下する反応が見られ、うつ病が軽減される可能性があります。
実際に人を温めると、氷浴などで直接人を冷やすよりも、体温が反動で下がり、それが長く続く可能性があります。
氷水に長時間浸かって体温を下げるよりも、運動や入浴で体を温めた反動で体温を下げる方が、安全です。
精神的な平穏を保ちつつ、毎日の生活を送るには、運動や入浴は大事な習慣と言えそうです。