酸素を取り込みながら行う運動は、幸福感を得るセロトニンや、βエンドルフィンなどの神経伝達物質を増やし、神経成長因子(BDNF)レベルを上げることがわかっています。
不安になると心拍数が増えますが、心拍数の増加を抑えることで、逆に不安を軽減させることができます。有酸素運動は安静時心拍数を減らすことで、不安なときの心拍数も抑えることが示唆されています。
このようなメカニズムで、有酸素運動は不安を和らげると推測されています。
また、レジスタンストレーニング(抵抗運動)も、健常人の不安を大幅に改善させるとともに不安障害などの患者の不安を改善することが示されています。
興味深いことに、レジスタンストレーニングによる不安の改善効果は、性別、年齢、トレーニング条件(運動強度、回数、セット数、頻度)により影響を受けないことがわかりました。つまり、ある程度の疲労を伴うレジスタンストレーニングを行うことにより、性別や年齢に関わらず、不安をやわらげることができるのです。
これらの結果からGordonらは、レジスタンストレーニングは健常者の不安のマネジメントに有益であり、不安障害の補助的なオプションになると述べています。
古より、私たちは不安によって生かされてきたところがあります。しかし現代では、複雑な社会背景がもたらす過度な不安により押しつぶされそうになっています。
この不安な現代を乗り切るためにも、有酸素運動やレジスタンストレーニングを生活に取り入れたいものです。
若手経営者の皆さんが、こぞって筋トレに精を出しているという話を聞いたことがありますが、不安を和らげ、安定したメンタルを得るためには必要な事なのでしょう。
記事担当:部長さかもと