見当識という名称を知っていますか?
見当識(けんとうしき)とは、時間(日付・季節など)や場所、人(目の前で接している人が誰であるか等)を認知、把握することを指します。
一言でいうと、
自分自身が置かれている現在の状況(例「今日は〇月〇日で、ここは群馬県の中之条だ」というような・・)を把握する力と言ってもよいかもしれません。
記憶障害が中核症状になる認知症では、見当識の把握が難しくなる見当識障害が生じることがあります。
また、認知症ではない患者さんでも、入院期間が長くなると曜日感覚にズレが生じたり、日付や現在の場所が判りにくくなる場合もあります。
リハビリでは、カレンダーを見ながら今日の日付をお伝えして一緒に確認頂いたり、名前や日付を書いて頂く事等を行います。その他、窓から外の景色を見て頂き、天気や季節を感じて頂くことも有効であると思います。
私が見当識確認のリハビリで行う例を挙げると、
「今日はお風呂に入りましたか?。〇〇さんがお風呂に入るのは〇曜日と
〇曜日と○曜日ですよ。そのように考えると、どうでしょうか?」
のように、個々の患者さんに見合った具体的な例をお伝えする事で把握し易いヒントを
お伝えしています。
話は変わりますが、
当院がある中之条町沢渡の地は、4月中旬以降になると桜の季節です。
今年は初めから寒さの厳しい冬でしたが、やっと春の季節になります。
患者さんと一緒に桜を眺め、春を感じながら見当識の確認が出来る日が来るのを、待ち遠しく感じる今日此の頃です。
記事担当:ST吉田