最近、脊椎椎体の圧迫骨折で入院される患者さんが増えています。
尻餅で受傷する方が増えており、こうしてみると骨は強くしておきたいと思います。
先日ビタミンDのお話しはしましたので、今回はリハビリの進め方を簡単に述べていきます。
圧迫骨折によって、潰れた椎体はそのまま保存療法とすることがほとんどで、コルセットなどによって脊柱を固定し、痛みの軽減を図ります。
ある程度痛みが取れてきたところで、座位、立位、歩行と活動を広げ、できるADLを増やしていきます。
痛みは椎体に加わる負荷によって起きますので、脊柱に負担をできるだけ掛けずに、動作できるようになることも急性期には大事な事だといえます。
従って下の負荷量を知っておいた方が良いでしょう。
安静立位を100%とした時、
独歩(杖なし歩行) 171%
階段降段 225%
階段昇段 265%
歩行器歩行 62%
さらに、歩行速度が上がるにつれて負荷も高まっていきます。
(階段は上る方が下りるときより体幹を前に傾ける必要があります。これにより負荷量が上がるといえます。)
階段は体を前に倒しながら上り下りする必要があるので、椎体に掛かる力は大きくなります。負荷としては最後に行うべき動作ですね。
寝ると1/4、お辞儀すると1.5倍、深くお辞儀すると2倍を超えてきます。こうみると、座位でも注意が必要なようですね。
体を前に倒すと痛いのは、姿勢によって脊柱に掛かる負担に違いがあるからです。
脊椎圧迫骨折後の歩行練習や立位練習は、歩行器から開始し、更に体幹前屈に注意して、歩行速度は控えめから始め、徐々に上げて行くようにします。
記事担当:部長さかもと