脊椎がきれいなS字を描く直立座位では、筋肉が姿勢を安定化させてくれるので、脊椎の負担は少なくなります。
しかし、前屈み姿勢はどうかというと、直立姿勢に比べ、脊柱起立筋などの背筋群、内外腹斜筋の筋活動が低下するという報告があります。
つまり脊柱がきれいなS字を描く良い座位姿勢は、脊柱起立筋などの活動は正常に作用しています。
これに対し、前屈み姿勢になると屈曲弛緩現象により脊柱起立筋の筋活動は低下します。
この屈曲弛緩現象とは、脊柱をある角度まで曲げると反射的に背筋群の筋活動が弱まる現象であり、前屈み座位で誘発されます。
従って、座位でも長時間悪い姿勢でいることにより脊柱起立筋はほとんど活動せず、脊椎や靭帯、関節包、椎間板などで支えるということができます。
さらに、筋活動が起きにくいことは、長期的な不活動に伴い、筋萎縮や脂肪浸潤の変性が生じるリスクも高まります。よって長時間・長期間にわたり、悪い姿勢でいることはより悪い姿勢を誘発することになり、体幹周辺の筋活動を伴わなくても座ることだけはでき、姿勢の悪さが腰痛や肩こりなどにつながって行きます。
猫背の原因の4割は骨粗鬆症による椎体骨折や椎間板の変性などと報告されていますが、残りの6割は主に背筋の筋力低下が原因とも言えます。
人間は長時間の椅子座位に適応するため、直立姿勢と前屈み姿勢を使い分けて筋肉と脊柱への負担を上手に分散させます。
しかし、長時間シャキッとしているのは正直疲れますし、背中を丸くして背もたれに寄りかかっている方が楽です。結果、どうしても長時間の座位を強いられる場面では前屈み姿勢でいる時間が長くなります。
普段の姿勢は大地真央さんを参考にすると良いでしょう(*^O^*)。
デリバリー女将編の自転者乗車姿勢は秀逸でした。
この方が年を取らない理由は、姿勢の良さにも原因があると思います。
記事:さかもと