群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

あきらめない人の車いす

           

 

こんにちは!

理学療法室ブログ班の伊東です。

 

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

群馬リハビリテーション病院のある中之条町では田植えが始まり、中之条町在住の私の家の周りでは毎晩カエルが元気に鳴いています。

 

今回は理学療法室でトップクラスの人気を誇る備品(※伊東調べ)、足こぎ車いすを紹介したいと思います。

 

初めて知った方も多いと思いますので、簡単にどんなものか説明させて頂きます。

足こぎ車いすの名前の通り、普通の車いす同様に背もたれと肘掛けがついた椅子の部分があり安定して座ることができます。

そして、通常の車いすでは両手や足を使って駆動するのですが、足こぎ車いすには自転車の様にペダルが付いており、足でペダルをこいで駆動します。

また、舵取りは手元のハンドルを操作して行います。

 

座ってペダルをこぐので安全に足の運動ができるため、立っているのや歩くのが大変な方に使用しています。

メーカーのホームページには「あきらめない人の車いす」と書いてあります。

 

当院では、4台の足漕ぎ車椅子があり連日多くの方がリハビリで利用しています。

 

足こぎ車椅子の良い点としては

  • 座席か安定しているので、立っていることや座っていることが不安定な人でも安全に使用できる。
  • 自転車エルゴメーター等に比べると乗り降りが簡単にできる
  • セラピストが駆動やハンドル操作を介助する事で、負荷量や難易度が調整しやすい
  • 片方の足が動きにくく、力が入りにくい人でも、反対の足で補助することで駆動できる。

 

などなど、普通の車椅子や自転車エルゴメーターにはない良い点があります。

普段は普通の車椅子に座っており、ご自身で駆動が困難な人でも、自分の力で駆動ができ、ハンドル操作も出来るようになると、自分の力で移動出来るようになります。

そうすると、少しだけ患者様の表情が良くなるように感じます。

 

ペダルをこぐ動作の治療効果の文献は多く出ています。

そのため、多くのセラピストが治療目的として足こぎ車いすを使用しており、私も多く利用しています。

治療の一環ではあるものの、足こぎ車いすをこいでいる時の患者様のいきいきとした表情をみると、改めて自力で移動する事の大切さを感じることができます。

 

                               記事担当:PT伊東

【ガーデンズ沢渡(仮)】

ただいま3階リハビリ室ベランダが整備され、花が見頃になっております。

 

 

思わずお茶したくなるベランダを目指し、職員・患者様の力を借りてここまで整備することが出来ました。

 

今の見ごろはモッコウバラです。

 

 

 私は勝手に奇跡のバラと呼んでいますが、私の入職前から植えられており毎年この時期に花を咲かせます。誰が何か手入れをしているわけではないのですが、花を咲かせる生命力は是非皆様に見ていただきたいと思います。

 

 本題に戻りますが、病院にいると今までやっていた趣味や役割が制限され、場合によっては主体的な活動が出来ず、受身的になりやすくなると感じることがあります。長期の入院でリハビリのモチベーションを維持することは大変だと思います。

 群リハの園芸係では、主体的に動ける機会や役割を作り出す意味でもベランダの活用を考えております。ベランダに行く!その為にベッドから起きて、身支度を調えて、トイレに行って、自分の意思で移動して、ベランダで作業して、お茶を飲む。1つの目的動作に対して様々な活動が連鎖して、それが自分の意思で行われる。それが作業療法の醍醐味でもあるのかなと思います。

 

 では自らの意思でベランダに行きたくなるためにどうしたらよいか?園芸係ではボランティアカードを作成し、患者さんの「ベランダに行きたい」を引き出せないかと考えております。

 

 

 昇進制度を設けており、園芸マスターを目指すことを動機づけとして活動する機会が増えてくれたら幸いです。

 患者さんの多くは畑関係に携わっている方が多い印象です。病気で諦めず退院してからも何かしらの形で継続出来る様作業療法士として関われたらなと感じております。

 まだまだ始めたばかりの取り組みなのでこれから沢山の園芸マスターが誕生し、退院後の生活でも何かを始めるきっかけになれれば、作業療法士としてこの上ない喜びであると思います。

 

 今日も患者さんのお力を借りてベランダが整備されております。

 

                          記事担当:OT山口(一)

高血圧・糖尿病と心疾患・脳卒中の発症頻度

 血圧・糖尿病と、虚血性心疾患・脳卒中発症割合の関係を示したグラフです。

 

 収縮期・拡張期ともに、血圧が高くなると心疾患、脳卒中の発症率が上がりますが、それ以上に糖尿病か予備軍かというところで、特に脳卒中で発症リスクも高まります。

 

 高血圧、糖尿病ともに、健康診断などで指摘された場合は、できるかぎり治療しておきたいものです。

 

                出典:新潟大学

 

 医学的な治療と合わせて、こまめに活動する習慣も身につけたいものですね。

 

                                 出典:慶應大学

 

 食べてすぐ寝ると牛になるとは良く言ったもので、血糖値の観点からは、活動しないと高くなっていきます。

 

 逆流性食道炎などの消化器に問題を抱える方では、食後は休んだ方が良さそう(横にはならない方が良いらしい)ですので、症状に合わせて対応を考える必要があります。

 

 血糖値が高まったり、血圧が高まったりすることで、血管内皮を傷つける可能性も高くなりますので、抑える方法を考えたいものですね。

 

                        記事担当:さかもと

 

「肉は太りやすい?」

皆さんこんにちは。

作業療法士の関です。

 

 私は趣味でランニングをしています。全盛期は1日20kmくらい走っていました。その頃は比較的アスリート体型で軽快に動けていました。

 ですがコロナ禍による外出自粛、各大会中止によるモチベーション低下。それらを理由に暴飲暴食を繰り返し、体重&体脂肪は増加。今回、減量をしようと考え食事制限をしたいと思ったのですが、自分の好物でもある肉は太りやすいイメージがあり、我慢しようと考えていました。そこで色々と肉の特徴を調べてみたら、筋肉や身体を作る上で面白い情報があったのでご紹介します。

 

 今回は一般的に食されることが多い「牛肉・豚肉・鶏肉」で考えたいと思います。

 

○牛肉

必須アミノ酸が多く含まれており運動をするダイエットをしている方は時には

摂取したい肉です。また冷え性の方が体温を上げたい時にもおすすめの肉です。

オススメ部位:もも肉、ヒレ肉などの赤身肉

オススメ料理:ステーキ、ローストビーフ

 

○豚肉

 豚肉には炭水化物・脂肪を燃焼させるビタミンB1が多く含まれているので、運動する人に向いています。

 特に豚のヒレ肉は低カロリーでビタミンB1が豊富で、おすすめです。

オススメ部位:ヒレ肉、もも肉

オススメ料理:ショウガ焼き、しゃぶしゃぶ(ポン酢)

 

○鶏肉

 特に、鶏ササミは大変カロリーが低く、たんぱく質の塊のような部位です。

 他にはムネ肉がカロリーが低い部位でヘルシーです。

 鶏ササミやムネ肉は筋肉を作りやすく、筋肉が付けば基礎代謝も上昇して太りにくい体質になります。

オススメ部位:ササミ、ムネ肉(皮なし)

オススメ料理:サラダチキン、焼き鳥(塩)

 

 減量を考えると「肉は太るから避けよう」と遠慮がちになりますが、肉の種類や料理の仕方で、ダイエットしていても必要な食べ物である事が分かりました。また、良質なタンパク質は筋肉の成長に重要です。特にリハビリテーションや運動後にタンパク質を補給すると傷んだ筋肉の修復に役立つと言われていますので、正しい知識を持って「肉」または「タンパク質」を食べることをおすすめします。

 

 年齢、性別に関係なく必要な栄養素ですので、みなさんも健康で丈夫な体つくりの参考にして頂けばと思います。

 

                              記事担当:OT関仁紀

研修会、学会

 以前のブログでは、「研修会に行って、~が勉強になりました」とか「研修先でこんなもの食べました」とか紹介する記事が、多くあったように思いますが、最近は絶滅しましたね。

 

 それも、コロナ禍が影響しているんですよねきっと。

 

 昨日に続き、昨年度の検証報告をしたいと思いますが、今日は研修会、学会、学会発表などの学術活動です。

 

 患者さんに対し、技術などのOUTPUTを増やすには、このような場面でのINPUTも非常に大事です。

 

 

 「奥さんに美味しいものを食べさせると、料理が上手になる」みたいなことだと思います。

 

 良い研修を受けてくると、良い療法士になる土台がつくられてきます。

 

 さて、昨年もコロナで、かなりの行動制限を受けましたが、何ができたか報告します。

 

 まず、学会参加ですが、24件という結果でした。

 

 次に、学会発表は、11件。これ以外にも、ユーザーセミナーで発表したり、大腿骨頸部骨折の会議で講話を行ったりと、みんな活躍してくれました。

 

 

 最後は、ウェブ研修ですが、52件実施しました。

 

 

 集合研修が実施しにくく、感染対策も考え、自宅でのテレワークとしてもらいました。

 

 よく考えたら、当院もテレワークを実施していたようです。

 

 コロナ禍でも、やれることはまだありそうです。

 

 .......

 言い忘れていましたが、回復期リハ病棟協会研究大会で、当院の発表演題が表彰を受けました。

 

 山﨑紳也主任が行った報告ですが、喜びの言葉は本人が自ら記事にしてくれると思います。

 

 おめでとうございました。

 

                      記事担当:さかもと

 

 

入院患者さんのご自宅への訪問指導

 昨年度の退院前訪問指導件数の目標を、リハ部として年120件以上という設定を行いました。

 

 感染対策で退院前訪問指導を中止した1月中旬までに実施した件数は112件でした。

 

 2ヶ月半の中断が無ければ年間で140件に到達する勢いでしたが、未達成でした。

 

          

 

 

 退院前訪問指導では、収集した情報をもとに、自宅環境に合わせた動作練習を踏まえ、患者さん同行のもとご自宅に伺い、実際の環境で確認させていただきます。

 

 住宅改修の必要性の有無や、福祉用具の必要性について検討するため、必要に応じてケアマネジャーもしくは地域包括支援センター職員、福祉用具業者等に同席を依頼します。

 

           

 

 自宅で患者さんに一連の動作(玄関の出入り・寝室での寝起き・トイレ動作・入浴動作・趣味活動等)を行っていただき、患者さんが安全に生活できるよう、環境調整の検討をします。

 

 また、コロナ禍でやむなく面会中止とさせていただいておりますので、ご家族への介護指導が院内では実施できていません。

 

 これを退院前訪問指導の機会を利用して行わせていただきます。

 

 また、感染対策で、訪問時にリハスタッフがマスク、フェイスシールド、ガウンを装着していますこと、ご了承ください。

 

                   記事担当:部長さかもと

 

STだって呼吸リハビリを!

STの高柳です。よろしくお願いします。

 

 今回は、「呼吸」について記事を書きました。

 普段何気なく行っている食事は呼吸状態が悪くても誤嚥をしてしまいます。

 実は、飲み込みと呼吸は密接に関係していると言われています。

 今までは理学療法士作業療法士がメインで呼吸のリハビリを行っていましたが、近年では言語聴覚士も呼吸のリハビリに携わる機会が多くなっているようです。

 

 

 この半年、患者さんと関わらせて頂いて、自分も呼吸器の勉強をしたいと思い、4月に研修会を受けてきました。今日はその中から1つ。自宅で1人でもできる呼吸筋のストレッチを紹介します。

 

       画像は週刊朝日 2019年1月25日号より

 

 これを行うことで、胸の動きが広がり一回に喚起される量が増えることで呼吸もスムーズになるようです。

 

 気になる方は「シルベスター法」で是非調べてみて下さい。  

 

                   記事担当:ST 髙柳

 

歩くためのストライド

 最近、よく話題に挙げている!?、2ステップテストです。

 

 下のように大股で2歩、歩いてその長さを測ります。

 

 2歩歩いた値と、身長を比較し、1を超えていれば身長よりステップの長さが長いと言えます。

 

 年齢や男女で灰色の範囲に入れば、標準的な身体能力とされますが、赤の範囲では何らかの問題が疑われます。

 

 入院患者さんでは、この数値が1を超えるようになってくると、歩行自立の目安にもされています。

 

 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)というのが、下の表ですが、これと2ステップ値の関係を示します。

 

 

 当院でとったデータではありませんが、こんな結果になりました。

 

 

 屋内歩行レベルのJ-2では、平均0.76であり、外出に介助を必要としている人では、この2ステップ値は1を超えないようです。

 

 隣近所へ歩いて移動するためにも、1.0くらいを目標にしたいものです。

 

 このテスト施行の際には、無理に脚を広げすぎて、転倒しないように気を付けてください。

 

 

                   記事担当:部長さかもと

3食摂取と、遅い時間帯に食事を摂らないことの意味

 今日はリハビリらしくない!?内容かもしれません。

 

 一日3食とることの意味の一つには、欠食すると血糖値が上がりやすくなることがあります。

 

 

 朝を抜いただけでも昼の血糖値は高くなり(黄色)、夕しか接種しないと急激な血糖値スパイクが起きています。

 

 朝食の摂取は、体内時計のリセットという大事な意味もあります。

 

gunmarehab.hatenablog.com

次に、良くいわれるところの、遅い夕食は何が問題なのかということについてです。

 

食事の時間が早いか遅いかで、血糖値はこんなに違います。

健常成人男性10名を対象に測定。朝食・昼食を同じ時間にとった後、夕食を「早い夕食」(19時)、「遅い夕食」(22時)、「分食」(19時に約4分の1、残りを22時)の3パターンに分けてとることを10名全員にヒューマンカロリメーター内でやってもらい、測定結果を比較した。

 

さらに、遅い夕食では、一日の総消費カロリーも低下するとされており、寝る前2-3時間には、消化に良い食事を心がけたいものです(分けて食べるのも良いと結果が示されています)。

 

血糖値の急激な上昇は、血管に悪影響を及ぼしますし、インスリンを多く分泌しなければならない膵臓の負担も大きくなります。

 

3食早めに、朝食はしっかり、夕食は消化に良い物を、わたしも心がけたいと思います。生活習慣を正すことの意味を知って、納得して変えていくことは大事なことだと思います。

 

                     記事担当:さかもと

「簡単自助具紹介」

 突然ですが、こちらの洗濯バサミに紐が取りつけられたこの道具、何に使うか道具かおわかりになりますか?

 

 

初見でわかる方は、なかなかいらっしゃらないかなぁと思います。

 

 

お笑い芸人さんが対決とかでよく使うやつではありませんよぉ~(笑)

 

 

こちらの道具、実はズボンを履く動作を手助けしてくれる道具なのです!

 

こんなものが?と思われたた方もいらっしゃるかもしれませんが、足先に手が届かなくてもズボンに足を通すことができるのです。

 

股関節の怪我で足先まで手が届かなくなってしまったり、脊髄の麻痺で足を持ち上げることが出来なくなってしまうとズボンに足を通すことが大変になります。

 

そんな時にこの道具の出番となります。

 

使い方は以下の通りです。

①洗濯バサミをズボンのウエストの前部分に取り付けます。

 

②紐を持ってズボンを床におきます。

 

③足を伸ばして片脚ずつウエスト部分に入れていきます。 

 

 

④紐を引っ張り、膝くらいまで上げられたら手でたぐり上げていきます。

 

今から13年前、自分が新人だったころに担当していた患者さんがズボンに足を通すことが出来ず、どうしたらいいだろうかと頭を抱えて悩んでいた時に先輩がこの道具を教えてくれました。その時はこんなただの紐に洗濯バサミが取り付けられたもので一体何ができるの?と疑心暗鬼全開でした(笑)。

先輩ごめんなさい!!

 

ご提供させて頂いた患者さんがズボンに足を通すことが出来た時の嬉しそうなお顔は今でも忘れられません。

思い出のある自助具の一つです。

 

我々作業療法士は、患者さんの動きに合わせてさまざまな自助具の提供もさせて頂いております。

ちょっとした工夫やアイデアで患者さんが抱えていらっしゃる大変さを改善に繋げられる。これも作業療法の醍醐味でもあるかなぁと思います。

 

患者さんの笑顔のため、これからも全力でご支援致します!

 

                   記事担当:OT市村