時々中之条町を離れ、電車や新幹線に乗り旅に出かけることがあります。
当てもなく、どちらかと言えば新幹線の車内で勉強に勤しむことが楽しみの一つ、そんな旅です。
この旅のさなか常々思い、周りもよく言うところは「券売機でチケットを買って乗り場に向かうことは、我々が思う以上に高度な能力を必要としているのではないか」ということです。
券売機のあの画面の情報量の多さは初見の人には面食らう事でしょうか。
例えば、中之条から高崎に行くという手順を踏むにしても
- 券売機上部にある高崎までの運賃を確認する
- 券売機画面内の運賃を選択する
- 金額を投入する
- 切符を受け取る
- ゲートに切符を通す
- 乗り場へ行く
- 高崎行きの電車に乗る
といういくつかの段階が必要になります。
どれか一つが上手くいかないと、余分にお金を払うことになってしまったり、行きたい方向とは真逆に進んでしまったり、あまり良くないことが起こると予想されます。
これが新幹線の切符なら手段が変わると思われますし、私鉄各線の方法はそれぞれ異なる場合があるため、さらに覚えるべきことが増えると考えられます。
社会的な参加を一つの目標としたとき、公共交通機関の利用は大きな課題となります。
作業療法ではこういった社会参加に向けた訓練も対象としており、「電車に乗る流れ」の仕組みを細かく分解し、誤りなし学習による動作訓練やICTの適応訓練などを中心とした介入がしばしば行われます。
群馬県の山奥にあたる当院ではどちらかと言えば自動車運転の訓練がメインとなりますが、患者さんのオーダーに併せてこのような練習も模擬的に実施出来ればと考えています。
記事担当:大塚