群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

加齢による筋力低下

 加齢により筋力は少しづつ低下していきます。

 

 これは仕方がない事ではありますが、筋力の低下量は普段の生活のしかたで異なります。

 

 これは介護予防サポーター研修で使っている資料ですが、

 

 体を鍛えている人とそうでない人では、筋力の変化も大きく違いがあります。

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 特に、停年を迎える60歳代からの低下が著しく、普段鍛えていない方では、筋力が大きく下がっていき、70~80歳代では半減しています。

 

 それに比べ、鍛錬者の80歳代は、30歳代くらいの筋力を示しています。

 

 年齢で言われると、動きやすさが何となくお分かりいただけると思います。

 

 90歳代でも筋トレをすれば、筋力は増大します。その分、動くのが楽になることでしょう。

 

 始めるのに手遅れなどと言うことはありません。貯筋体操、いかがでしょうか。

 

                        記事担当:部長さかもと

2時間超えのリハビリと退院前訪問指導

 実績指数が伸びました。

 

 回復期リハビリ病棟では、過去6ヶ月間の実績指数を算出しています(毎月)。

 

 今年1月から遅ればせながら回復期リハ病棟入院料1が取得できましたので、その後の経過を見ていただきたいと思います。

 

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 赤い線は入院料1の基準ですが、過去6ヶ月間の実績指数を月毎に表現しています。(わかりにくい!)

 

 一番左の2019年12月のデータは、2019年7月~2019年12月に回復期リハビリ病棟を退院した患者さんのものです。

 

 それを以下の計算式で算出しますが、これをわかりやすく説明する方法がわかりません。式で誤魔化させていただきます。

 

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 病院の広報誌には1ヶ月毎に単月の結果グラフを載せたので、数値が乱高下していますが、上のグラフのように6ヶ月ごとだと、なだらかな数値変化にとどまっています。

 

 これにより回復期リハ病棟の専従PTOTが、退院前訪問指導に赴くことができたり、回復期リハ病棟を退院した患者さんの外来リハを担当する事ができるようになります。(外来リハ担当者は別にいます)

 

 昨年と比べても、できることが広がるのは良いことだと思います。

 

 結果はしっかり残せていますが、実績を出すために入院期間をできるだけ削って短期間で結果を出すようなことはしていませんので、安心してご利用ください。

 

                      記事担当:リハ部長さかもと

カンファレンス

 当院では、様々な職種のスタッフが患者さんに関わり、患者さんをサポートする「チームアプローチ」を行っています。

 

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 チームアプローチでは多くのスタッフが関わるため、情報共有が重要です。

 チームで患者さんの現状・目標を話し合う会議を「カンファレンス」といいます。

 当院のカンファレンスは、医師・看護師・ソーシャルワーカー・栄養士・リハビリスタッフ(理学療法士作業療法士言語聴覚士)が参加し、月1回行っています。

 

 普段から、他部署の方々と情報交換を行いながらリハビリを進めていますが、カンファレンスは、患者さんに関わる多くのスタッフが、一度に意見を交換できる貴重な機会です!カンファレンスで得た情報をもとに、リハビリの内容を見直すこともあります。

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 リハビリが進んできたら、次は「ファミリーカンファレンス」を行います。

 ご家族にカンファレンスに参加していただき、リハビリの進み具合等を報告して退院後の生活について一緒に考えていきます。

 

 これからも、チームで患者さんの目標に近づけるよう、コミュニケーションを大切にしながらリハビリを行っていきたいと思います!

 

                               ST登丸

 

【マスクを正しくつけよう】

 今年はコロナ禍で既にマスクが身近な物となっている方が多いのではないでしょうか?当院でもマスク着用を始め、手指消毒の携帯や体温チェック、換気、感染に対する研修会など多くの感染予防における対応を行っています。

 

 そして、これからはインフルエンザなど感染症が流行してくる季節です。特にこれからの季節は乾燥しやすく、くしゃみなどから出る「しぶき」の範囲が格段に広くなっていきます。その為には体内にウィルスを取り込まないことが重要です。

 

 そこで今回はマスクの着用についてのワンポイントアドバイスを皆様にお伝えしていきたいと思います。

 

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 以上がマスクの正しい着用になります。マスク着用にも手洗い・うがい・換気・食事・睡眠などがあります。

 

 これらを行って、感染症なんかに負けずに元気にこれからの季節を乗り切りましょう!

 

                     記事担当:OT室 主任 水上

脳卒中ガイドライン追補

 今回はうつについて、ちょっとご紹介します。

 

 脳卒中後のうつは日常生活動作(ADL)や認知機能の改善を阻害し、健康関連QOLが低くなるため、十分な評価を行い、リハビリテーション治療を進めることが勧められるとガイドラインにあります。

 

 システマティックレビューでは、脳卒中発症後に患者全体の33%がうつを併発していたとされ、うつ患者の日常生活動作(ADL)や、認知機能はうつのない患者に比べ有意に低く、さらに、健康関連QOLも有意に低く、社会参加の阻害因子となっています。

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 うつ発症の背景要因として、女性、65歳以下、1 人暮らし、再発、要介助、施設入所の人はうつになりやすいそうです。これを予防するには普段の生活をどう行っていくかが大事ですが、以下にご紹介することも、効果の持続という点で、有効なようです。

 

 脳卒中後に運動リハビリを行った群と行わなかった群を比べると、運動によるリハビリを行った群のほうが重度のうつが少なかったとの報告があります。

 急性期病院退院後にリハビリを実施したかどうかを聞いていることから、日本では回復期のリハビリを行ったかと置き換えられそうです。

 

 運動やレジャーは脳卒中後のうつの発生を減少させるので勧められるとのことで、自宅退院後、理学療法あるいは在宅訓練プログラムを継続するとうつ、ADLが有意に改善、レジャー教育プログラムを行うとレジャーへの参加が多くなりうつに改善がみられています。ここでは活動への参加が大事なようですね。

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 抗うつ薬を一定の期間投与し、うつが改善した群では 9 年間に67.9%が生存していたのに対し、プラセボ(偽薬)投与群は35.7%の生存であり、投薬により長期の生存が図れます。薬剤が必要なうつについては、しっかり用いて治療を行っておくことが、長生きの秘訣のようです。

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 原文のデータを使っていますが、プラセボを使った方の数値が実際よりも低そうなので、青色で修正しました。それでも9年間の生存率は約2倍ほど違ういます。

 

 うつに対しては、罹らない方が良く、リハビリで罹患する割合が減らせ、さらに運動やレジャーで改善できる可能性があります。また、薬が必要なうつになった場合、薬剤治療をすることで延命できる可能性もあります。

 

 リハビリや薬は上手に使ってください。

 

                       記事:リハ部長さかもと

 

 

【ブドウとコスモス】

秋の爽やかな風が吹き抜けると共に、日増しに寒さが増してきました。

 

当院では患者さんが作成して頂いた作品などを展示しています。

 

今回の作品はこちらです!!

 

彩り豊かでとても季節感がありますね~

 

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てんとう虫も可愛いですね

このブドウ↓はお花紙を使用して作成しており、本物に近い様子が見てとれます。

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※シャインマスカットと巨峰

素晴らしい作品達に囲まれて、リハビリ室が華やかになりますね~

 

                             記者:OT丸山

腰痛改善ストレッチ

こんにちは!

前回に引き続き、今回もストレッチシリーズをやっていきたいと思います!

前回のテーマは「猫背姿勢に対するストレッチ」についてご紹介させて頂きました。

 

gunmarehab.hatenablog.com

今回のテーマは、「腰痛に対するストレッチ」をご紹介したいと思います!

 

まず始めに、関節の種類には可動性によってモビリティとスタビリティの二つに分かれます。

モビリティとは、可動性の大きい関節を言い、スタビリティとは可動性の小さい関節を表します。

身体全体の関節を見てみるとこの二つの関節が交互に配置されています。

【モビリティ】 【スタビリティ】

上位頚椎     中・下位頚椎

胸椎       腰椎

股関節      膝関節

足関節             

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我々が立ったり、歩いたりする際には股関節や膝関節といった各関節が動きますよね?

関節が動くには?ということを考えてみると、ある関節が動くには隣り合う関節の安定性が必要で、つまり動くための土台となる部分が必要ということです!

これがモビリティとスタビリティの関係です。

 

例を挙げると…

股関節の可動域制限がある状態では、本来モビリティに働く股関節が役割を果たせないことになります。

すると、それを代償して隣り合う関節、つまり腰椎や膝関節が過剰に動き、腰痛や膝痛に繋がるリスクが高くなります!

 

少し皆さんに試してもらいたい事があります。

まずは立った姿勢を作ります。内股になり、体幹を左右に回したり、横に傾けて見て下さい。腰に痛みや違和感を感じた方はいませんか?これは締まりの姿勢といい、股関節が動かない状態となり腰が代わりに動いてしまうことで痛みや違和感を感じてしまいます。

つまり股関節が動かないと腰の負担が大きいということ!

 

 

そこで股関節を軟らかくするストレッチ方法を3つご紹介します!各30秒ずつ行いましょう!

*痛みが出る場合や手術既往のある方は、お控えください。かかりつけの医師・理学療法士の指示を優先してください。

 

①前太ももの筋肉をストレッチ

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②お尻の横の筋肉をストレッチ

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③お尻の後ろの筋肉をストレッチ

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前回の猫背姿勢に対するストレッチと一緒に是非やってみて下さい!

 

硬い関節を軟らかくすることで、負担の掛かっている部分が楽になるかもしれないですね!

 

リハビリを通じて患者さんと接していると、肩凝りや腰痛、姿勢を直したい!という方が多い印象なので悩んでいる方の参考になればと思います。

 

                          記事担当:PT高野

 
   

「第54回 日本作業療法学会」

第54回 日本作業療法学会は、Web配信による開催となりました。

 

Web開催の良さは、いつでも、どこからでも参加する事ができ、より多くの方が配信を見ることができる部分ではないかと思います。

 

私も本学会を通して学び、得た知識を今後の臨床に活かしていきたいと考えています。

 

さて、当院からは1名演題を登録させて頂きました。

ここで発表者のコメントを掲載したいと思います。

 

<発表者のコメント>

タイトルは『記憶障害が改善し 自動車運転を再開できた水頭症の一症例』として、ポスター発表させて頂きました。

内容は、記憶障害のある患者さんが、リハビリの過程で日常生活は自立できたものの自動車運転には至らず、医学的な処置が再検討されリハビリを継続し、運転を再開できるようになるまでの経過の報告です。記憶障害へのアプローチ方法や、当院の自動車運転の流れも紹介させていただきました。

 

患者さんやご家族も含めたチームで、情報を収集し可能性を考え意見交換を重ね、それぞれが役割を果たし今回の結果となったと思います。患者さんの生活再建のお手伝いができ、本当に良かったと思います。

 

これからも、患者さんお一人お一人の生活を援助できますよう努めていきたいと思います。

 

自動車運転の援助に関しては、当院スタッフが県内の他病院や教習所、県警も含めた“ぐんま自動車運転リハビリテーション研究会”に参加し、ある程度手順が整っています。そのお陰で、スムーズな自動車運転へのアプローチができていると考えます。

 

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                          記事担当:OT粕川

「前頭前野について①」

 『前頭葉』という言葉自体はテレビなどで聞いたことがある方も多いと思います。実は、この前頭葉、人間が人間らしく生活していく中で一番重要な役割をしている部分なのです。

 今回は、前頭葉の中の『前頭前野』について説明していきたいと思います。

 

 まず、前頭葉とは脳の中のどの部分なのでしょうか?

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 図は頭の左側面から見た脳ですが、前頭葉は脳の表面のかなりの範囲を占めています。その中で、『前頭前野』が脳全体の約30%を占めますが、ここが動物と人間の脳の大きく違うところです。知能が高い動物として知られるチンパンジーでも、前頭前野は脳全体の7~10%程度しかないそうです。

 

 では、前頭前野とはどんな働きをするのでしょうか?

①思考する

②行動を抑制する

③コミュニケーション(対話)をする

④意思決定をする

⑤情動(感情)を制御する

⑥記憶をコントロールする

⑦意識・注意を集中する

⑧注意を分散する

⑨やる気を出す

 

 どれも、人間らしく生活するために必要なことですね。

 

 こんな大事な働きをしている前頭前野について、これから数回に分けお話ししようと思います。

 前頭前野が障害されることによってどんな症状が現れるのか、前頭前野を活性化する方法にはどんなものがあるか・・・いろいろ書いていく予定です。

 

 コロナの影響で新しい生活スタイルに変わった方も多いと思います。刺激が少なくなってボンヤリしてしまわないように、前頭前野を鍛えて健康に過ごしていこうと思います。

 

                          記事担当:ST茂木

 

 

天気と体の関係

こんにちは!!

PT高村です!!

 

今年は冷え込む日がとても続く気がしており、

秋を通り越して冬の足音さえも聞こえてきます。(寒)

 

ホットな話題として(自分の中で)気候と体についての関係が気になりました。

例えば気候によって膝などの関節が痛くなってしまうと耳にすることがあります。

 

天気と体にはどのような関係があるのでしょうか?

今回は天気と体について調べてみました。

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皆さんは、気象病という病気を聞いたことがありますか。

 

気象病とは台風や梅雨、雨の前など、気温や気圧・湿度という気候の変化によって引き起こされる身体の不調のことをいいます。

 

原因として気温・気圧・湿度の変化による自律神経への影響、身体へのストレス、そして前線や低気圧によって人間にかかる圧力の変化があります。

 

気象病の症状はさまざまで頭痛、低血圧、高血圧、集中力不足、気分の落ち込み、狭心症、リウマチ、関節炎、腹痛、肩コリ、首のコリ、神経痛、耳鳴り、めまい、不整脈、神経痛などがあります。

 

 

気象病についての研究もされており文献もありました。

 

 慢性痛が天気の崩れで悪化することは以前より知られており、佐藤らによると気圧変化による痛みの増強には気圧感受メカニズム(耳の中の気圧の変化を察知する場所や仕組み)が関係していることを明らかにしており、温度変化による痛みの増強には皮膚の温度受容線維(温度を感じる所)の反応性の変化が原因である可能性を示した。また、慢性痛有訴者の一部では気圧や気温の変化に対して自律神経系(眠いや興奮などの無意識的な体のコントロール)が過剰に反応することがあり、それが症状悪化のもう1つの原因であることを示唆した。(著:佐藤純 気象変化と痛み)

と、あります。

 

迷信じみたことかと思っていましたが少し納得しました。(笑)

 

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とは言っても長年痛みと付き添ってきたし今更、、、と思う方もいるかと思います。

 

じゃあ、どうすれば痛みが無くなるの?? 減るの??

って思う方のために!!

最後に対策法を!!

 

・バランスのとれた食事

・少し汗をかくような適度な運動

・6時間以上の睡眠

 

自立神経系を整えるように心がけることが大切みたいです。

 

他にも耳の血行を良くする耳マッサージもあります!!

 

○手を洗ってキレイにしてから行いましょう!

①耳を軽くつまみ、上・下・横に5秒ずつ引っ張る

②そのまま軽く引っ張りながら、後ろに向かってゆっくり5回まわす

③耳を包むように折り曲げ5秒キープ

④耳全体を掌で覆って、ゆっくり円描くように後ろに向かって5回まわす

※ 耳マッサージはあくまでも血流の促進効果を期待したものです。

 頭痛や耳の痛みを強く感じる方は、無理にしないで下さい。

ストレスチェックメンタルヘルス労務をまるっと解説 ストレスチェックmagazine)

 

 個人差はありますが、対策として気になった方は是非試して下さい!!

 

 

                                 記事担当:PT高村