群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。HAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなど、ロボットリハも稼働中。100名超のリハスタッフで365日途切れなく活動中。年200回を目標にブログ更新しています。

脳卒中ガイドライン追補

 今回はうつについて、ちょっとご紹介します。

 

 脳卒中後のうつは日常生活動作(ADL)や認知機能の改善を阻害し、健康関連QOLが低くなるため、十分な評価を行い、リハビリテーション治療を進めることが勧められるとガイドラインにあります。

 

 システマティックレビューでは、脳卒中発症後に患者全体の33%がうつを併発していたとされ、うつ患者の日常生活動作(ADL)や、認知機能はうつのない患者に比べ有意に低く、さらに、健康関連QOLも有意に低く、社会参加の阻害因子となっています。

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 うつ発症の背景要因として、女性、65歳以下、1 人暮らし、再発、要介助、施設入所の人はうつになりやすいそうです。これを予防するには普段の生活をどう行っていくかが大事ですが、以下にご紹介することも、効果の持続という点で、有効なようです。

 

 脳卒中後に運動リハビリを行った群と行わなかった群を比べると、運動によるリハビリを行った群のほうが重度のうつが少なかったとの報告があります。

 急性期病院退院後にリハビリを実施したかどうかを聞いていることから、日本では回復期のリハビリを行ったかと置き換えられそうです。

 

 運動やレジャーは脳卒中後のうつの発生を減少させるので勧められるとのことで、自宅退院後、理学療法あるいは在宅訓練プログラムを継続するとうつ、ADLが有意に改善、レジャー教育プログラムを行うとレジャーへの参加が多くなりうつに改善がみられています。ここでは活動への参加が大事なようですね。

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 抗うつ薬を一定の期間投与し、うつが改善した群では 9 年間に67.9%が生存していたのに対し、プラセボ(偽薬)投与群は35.7%の生存であり、投薬により長期の生存が図れます。薬剤が必要なうつについては、しっかり用いて治療を行っておくことが、長生きの秘訣のようです。

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 原文のデータを使っていますが、プラセボを使った方の数値が実際よりも低そうなので、青色で修正しました。それでも9年間の生存率は約2倍ほど違ういます。

 

 うつに対しては、罹らない方が良く、リハビリで罹患する割合が減らせ、さらに運動やレジャーで改善できる可能性があります。また、薬が必要なうつになった場合、薬剤治療をすることで延命できる可能性もあります。

 

 リハビリや薬は上手に使ってください。

 

                       記事:リハ部長さかもと