群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

【移乗動作を楽にしよう!!】

 こんにちは(^o^)

 暑い日が続きますが、当院の患者様は暑さに負けず元気にリハビリを頑張っています!!

 

 

 今回は車椅子への乗り移り動作についてのお話しをしたいと思います!

 

 車椅子からベッドや他の場所へ移ることを専門用語では、移乗(いじょう)動作といいます。

 患者さんにとって、車椅子へ移乗するということは別の場所へ移動するための大切な手段です。

 また、移乗は基本動作と呼ばれる動作の1つであり、私たち理学療法士の腕の見せどころです!!

 

 ここで移乗動作を円滑に行うために、当院で工夫している内容をご紹介したいと思います!

 

 こちらは一般的に使用されているトランスファーボードと呼ばれる自助具です。

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 車椅子とベッドの間の隙間をなくすことで、患者さんだけではなく介助者側の負担を軽減することができます。

 しかし自助具ならではのしっかりとした作りであるため、患者さんによっては使いにくいといった意見も聞かれます。

 

 そこで!!

 次の写真が当院で工夫したトランスファーボードです。

 

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 何で出来ていると思いますか??(>_<)

 

 答えは!食材用のまな板を加工したものなんです!!

 もちろん耐荷重が保証されたものではありませんが、患者さんの使いやすい形に加工したことでトランスファーボードの代用品となりました。

 裏に滑り止めシートを付けるなどの工夫をしているセラピストもいます!!。

 

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 こうすることにより患者さんの移乗動作がスムーズに行え、さらに活動の幅が広がるといいですよね☆

 

                          PTおおの でした

 

 

アクティビティ~お花のくす玉作り~

みなさん、こんにちは。

作業療法士の竹渕と申します。今年度よりブログ班の一員として参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

 

突然ですが“作業療法”と聞いたときに、“モノを作る、モノを使って行うリハビリ”といったイメージを持たれる方が結構いらっしゃるのではないでしょうか。

(かく言う私も高校時代そんなイメージを漠然と抱いていました…もちろん、作業療法の内容はそれだけではないのですが)

 

今回はそんな“モノを作る”作業を通したリハビリの一部を紹介したいと思います。

 

お花のくす玉です。

 

材料は折り紙60枚、吊す用のひも、そして

使う道具はのり、必要に応じてのりが乾くまで固定するクリップです。

 

折り紙1枚が花びら1枚分で、5枚の花びらで1つのお花になり、そのお花を12個作りつなげていくと写真のようなくす玉のかたちになります。

 

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折り方や組み立てがそんなに複雑ではなく、見栄えも良く達成感も得られやすい印象です。

実際に一緒に作成した患者さんの中にはリハビリ以外の時間でも作成し、お孫さんやご友人に差し上げた方もいらっしゃいました。

 

手を動かすことで脳も活性化され、プラス楽しみながら行える素敵な作業だと思います。

 

文章がまとまらず、読みにくい点も多々あるかと思いますが…今後もよろしくお願いします!

 

                          記事担当:OT竹渕

養成校での学内実習に作業療法士として参加しました

 先日、群馬県内の育成校で行われた学内実習に参加する機会をいただきました。コロナウィルス拡大防止のため、学外自習に代わり学生さんに作業療法の用い方を考える機会を持っていただくというのが目的です。参加している学生さんは最終学年です。実習とともに就職についても考える時期なので、回復期病棟の作業療法がどんなものか、楽しさ・やりがいがどんなところにあるかを伝えられるようにと準備し、学生さんにお話しをさせていただきました。

 

 実施しての感想を書かせていただきたいと思います。

 

 私自身初めての育成校での講義でした。とても緊張するかと思っていたのですが、全く緊張しませんでした。昔から人前で話すのがとても苦手だったので、少し成長できたのかなと思います。

 

 学生さんがただ聞くだけにならないように、少しでも考えてもらえるようにと思いグループワークなども取り入れてみました。ケーススタディ作業療法評価の項目を考える課題では、教科書だけでなくスマホで検索している学生さんがいて、「今どきはこうなのか!」とジェネレーションギャップを受けました。そして、学生さんの発表の内容を聞きながら、「自分の学生の頃よりしっかりと考えられているな」と感心しました。

 

 作業療法士の卒前・卒後教育において、育成校における学内教育から臨床の現場への移行段階としての実習は重要で、後輩である学生を育てるという点でなくてはならないものと考えています。なので、その大切な機会に関われたことを嬉しく思います。拙い講義でしたが、少しでも学生さんに「回復期の作業療法とは」が残れば良いなと思います。

 

 今回、講義をする機会をいただきありがとうございました。

 

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                                                             記事担当:OT櫛渕

「ICT・IoT機器を患者さんの生活に」

 みなさんはスマホ、お持ちでしょうか?

 

 今晩のおかずのレシピ、あの俳優は今年何歳だっけ、今日午後の天気はどうだろう…実にいろんなことをスマホ一つで調べて片付けられる、今や我々の生活に欠かせない存在になってきたスマホ、ほんの10年前まではほとんどの人が持っていなかったフィクションのような道具です。

 

 昨今に至っては「アレクサ、電気消して」とか「OKグーグル、最寄りの駐車場を教えて」とか、なんだかすごい時代になりましたね。

 今日はそれらICT・IoTを患者さんの生活に取り入れるといったお話です。

 

 例えば寝たきりで体が全く動かせない方でも電気を消したり、エアコンや電動ベッドの操作ができたりします。

 

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 また1人暮らしのお年寄りのお宅に設置すれば、声さえ出せれば緊急時のやりとりや安否確認なども可能になります。

 

 最近のリハビリでは患者さんの能力に応じ、それらの機器を扱う練習もしています。

 

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 我々にとっては「ちょっと便利」程度のことでも、体の不自由な患者さんにとってはとても大きな差になることも少なくありません。動かない手足の機能を回復する支援をしたり、新たなやり方を検討する能力開発することに加え、患者さんの残存機能や能力に合わせ適切な環境整備をすることも作業療法士の役割です。

 

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 便利すぎる世の中は人をダメにする、みたいな話はよく聞きますが、より安全に、安楽に、安心して過ごせるための一つの手段として作業療法士として患者さんに提案できるよう、これからも知識を深めていきたいと考えています。

 

 

                        記事:作業療法士 市川

「看護学生実習オリエンテーション」

 コロナ渦の中、当院での各業種の学生実習は例年に比べて制限されていますが、感染のないよう配慮しながら今年度も実習生を受け入れています。

 

 先日、看護学生の実習初日に行われるオリエンテーションがありました。看護、リハビリ職の説明がタイムスケジュールに沿って行われる中、私も言語聴覚士(ST)の仕事や対象となる症状などについて、学生さん達に説明してきました。

 

 

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 STの主な対象となる障害の中で、「構音障害」「失語症」「嚥下障害」の話をしました。

 

「構音障害(口や舌の麻痺によりロレツが回りにくくなる障害)」では、実際に唇や舌を動かさないとどんな音が話しづらくなるかを体験してもらいました。

 

 「失語症(脳の損傷により言葉を聞く・話す・読む・書くことが難しくなる障害)」では、患者さんとコミュニケーションを取るときのポイントを説明しました。

 

 「嚥下障害(飲み込みの障害)」では、1分間で唾液を何回飲み込めるか、ゴクンと飲んだときにのど仏が指1本分動くかなどを体験してもらい、それができなくなると飲み込みにくくなるという話をしました。

 

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 30分間で理解してもらうことはなかなか難しいですが、少しでも頭に残ったことをこれから患者さんと関わる中で参考にしてもらえたら嬉しいです。

                        

                            担当:ST茂木

 

肩凝っていませんか

 以前、片頭痛の記事がありましたが、冷房や冷たいものを召し上がったりすることで肩や首が凝る・・・ということが増えていませんか。

 

 肩こり解消によくいわれるのが、肩甲帯はがし。

 でもそんな簡単にできるものではありません。

 

 しかし、肩甲骨の動きを良くしておくことは大事。

 やってみるとわかりますが、意外に痛みを伴います。

 

 そういう方は、肩が凝っている証拠。

 継続して、肩や首周りの血行を良くしておいてください。

 

 方法は簡単です。

 

 まずはバンザーイ。

 

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 できれば、背中側を壁につけてください。

 肩から手まで壁から離れないこと。

 

 次に、下の写真のように、壁に沿って腕を下ろしていきます。

 

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 手と肘を壁から離さないようにします。

 

 下ろせるところまで下ろしたら、そこでキープ10秒。

 

 また、元の姿勢(万歳)に戻ります。

 

 これを15回程度繰り返します。

 

 いかがでしょうか。肩は楽になりましたか。

 

 デスクワークの方は、毎日行うと良いでしょう。

 

                        記事担当:部長さかもと

病院機関誌17

 7月に「真ごころ」17号が発行されました。

 

 今回、リハ部で担当したのは、リハビリを楽に楽しく行う方法と

脳卒中地域連携パスの受け入れ件数推移です。

 

 詳しくはHPをみていただくと良いのですが、ここでは少し解説も加えます。

 

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 脳卒中リハビリの受け入れ実績に関しては、県内でもかなり上位の実績があります。

 重症度別では、「沢渡」は軽症者は受けてくれないという噂と違い、軽症から重症までまんべんなく受け入れ実績があります(円グラフ参照)。

 

 回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟の開設ラッシュで影響は受けましたが、徐々に患者さんも戻ってきていただいています。

 

 多くの患者さんを経験すれば、その分知見が増えていきます。ロボットリハも同様に麻痺改善へのチャレンジもできる事でしょう。

 

 当院のリハビリを是非ご活用ください。

 

                        記事担当:部長さかもと

 

 

 

 

 

 

コロナフレイル

 年明けと比べ、腹回りがグレードアップしたさかもとです。

 

 今日はフレイルのお話しを・・・

 

 5月の自粛期間を経て、愛知の高齢者がどうなったかを調査した人がいます。

 

 名古屋の高齢者150人弱の調査ですが、

 

 緊急事態宣言前と比べ、

 

 外出頻度が低下した   77%

 食事量低下した     17%

 転倒不安感が増加した  46%

 物忘れが増えた     36%

 疲れたような感じがある 34%

                       という訴えがありました

 

 クラスターが同一地域で発生し、身内や知り合いがコロナに感染して亡くなったことも、抑うつを悪化させた原因と分析しています。

 

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 一方、大阪で、

デイサービスを「控えた群」と「通った群」で分けて調査したそうです。

 

 結果、

 転倒不安感   6倍

 認知機能低下 11倍

            控えた群で高くなったとのこと

 

 感染が心配でも通った意味があったようですね。

 

 コロナ禍でも、社会や人とのつながりは持つべきでしょう

 

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 前にも示した資料ですが、身体・文化・地域活動の内、最低二つは満たす必要があります。

 

                      記事担当:リハ部長さかもと

不顕性誤嚥

 誤嚥には、食事中の”むせ”に代表される「顕性誤嚥」がありますが、”むせ”なく食事が摂れているにも関わらず肺炎になってしまうことがあります。

 

 これは咳反射の知覚低下や気管粘膜線毛運動障害などの気道感染防御能低下による不顕性誤嚥を起こしていると考えられます(いわゆるむせない誤嚥です)。

 

 不顕性誤嚥は高齢者で多く、むせの反射がないために、発熱や痰の増加などの症状が出るまで気付かれず肺炎が重度化する事もあります。

 

 むせの反射の減退は、迷走神経系の麻痺や加齢、放射線療法、気管切開、向精神薬内服など様々な理由があります。

    食事以外でも起こる無症状の誤嚥~不顕性誤嚥とは~

 

 嚥下障害のある患者さんにご家族が差し入れを食べさせ、誤嚥性肺炎になったという話を聞きます。

 おそらく一般の方の思考はこうなのかもしれません。

 むせる=嚥下機能が悪い

 むせない=嚥下機能が良い

 という考え方に陥っているのではないかと思います。

     (ある医師のtwitterの受け売り情報ですが・・・)

 

 食べさせたけど、何ともなかったから大丈夫と考えるのは短絡的で危険です。絶対に止めてください。

 

 基本的に病院は持ち込み禁止ですが、病院ではNsやST、Drに確認してくださいね。

 

                        記事担当:部長さかもと

 

 

リハビリの視点から~人工股関節全置換術を予定する方へシリーズ~すごく大事なこと~

予定ではシリーズ第四弾

 リハビリ病院での痛みの出方と経過について更新する予定でしたが、ここで少々筆休め

 

しかし!!!

 

 あえて、ここで大事なことをお伝えまします。

 

 人工股関節全置換術という手術は、同じ時期に入院し、同じ手術をされる方が何人もいます。同じ手術だからと、他の方とつい比べてしまいます。

 

 ここまで一般的な話しをしてきましたが、実際は、まちまちです。

 術後早い段階の進行具合に差が出る要因にはこのような点が考えられます。

 

①痛みの程度(痛みの程度は、個人個人異なります。免疫反応の差、術中の手技進行の違い等で異なってきます)

 

②体格の差(体格の大きさにより、出血量の違いや、手術のしやすさを確保するための傷の大きさにも差が出る場合があるようです)

 

③罹患歴の差(罹患歴とは、股関節が痛くなってからの期間を表します。これが長く、変形が強いほど、術後の影響が大きくでます。

 

④術前リハビリの有無(術前にリハビリ、あるいは、自主的に筋力強化やストレッチをしてきた場合、痛みの出方も小さく、リハビリの進行がスムーズな印象を強く受けます)

 

といった具合に、

とにかく、同じ手術でも様々な要因により、人それぞれ進行が異なります。

 

 なぜこれを大事とするかというと。

 

患者さんからよく聞かれる質問

「あの人はもうスタスタ歩いているのに、私はまだ痛くて。頑張りが足りないのかしら・・・」

そう、不安になるのです。

周りと比べてしまうのです。

この不安は、疑心を生みます。

自分の頑張りに対してや、リハビリのやり方に対して。

 

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 これは、精神衛生上、好ましくない状態です。

  リハビリの効果には心理的側面が大きいわけですが、それが悪い方向にむかってしまいます。

 

 そこで、ここに明言いたします。

 

 患者さんも学ぶべきです。

 人と比べても動じないように、自分のペースに納得できるよう知識を学ぶ必要があります。

 

 そういった不安が拭えるようリハビリの視点で起こる問題点について細かく記していきます。悩むその時がきたら、改めて読み直して頂けたら何かの役に立つはずです。

 

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では、改めて、次回はリハビリ病院での痛みの出方と経過についてです。

 

しばしお待ちを。

 

                              記事:山﨑