群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

ストレッチングとパフォーマンス

運動直前の静的(スタティック)ストレッチングと競技との影響を調べた文献によれば、すべての研究でパフォーマンスの低下がみられたわけではないが、大半の研究で運動直前の静的ストレッチングによってパフォーマンスが低下する可能性を示しています。


それが特に顕著にみられたのは、最大筋力と爆発的筋力に関連した動作であり、体操競技などの爆発的筋力が非常に重要な種目にとってこのような能力の低下は、競技能力の低下を招く恐れがあるとしています。


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従って、静的ストレッチングは、運動前のウォームアップにおけるパフォーマンスの向上のためのストレッチングとして推奨できません。しかし、ストレッチングの伸張時間やセット数を検討した研究をみると、そこにヒントが得られます。


静的ストレッチングがパフォーマンスの低下させる閾値を考えるならば、30秒という時間があります。

静的ストレッチングの時間が30秒以下の研究ではほとんどパフォーマンスの低下が認められなかったものの、90秒以上(例えば30秒×3セット)の研究では、平均6%パフォーマンスが低下することが示されています。

即ち30秒未満のストレッチングではパフォーマンスの低下は起こりにくいものの、30秒以上ではパフォーマンスを低下させることが示唆されています。

しかし、静的ストレッチングによるパフォーマンスの低下は、筋収縮速度が遅い運動パターンでは低下が少なかったとされている報告もあり、ストレッチング後に行う運動の種類によって影響は異なるようです。


他方、動的ストレッチングはパワーや瞬発的なパフォーマンスを向上させることが明らかとなっており、パフォーマンスを低下させることを明らかにした研究はほとんどないようです。

また、低速なダイナミックストレッチングよりも高速な方がパフォーマンスに対し有効であるという知見も報告され、90秒以上の実施でパフォーマンスが約7%向上したという報告もあり、瞬発的なパフォーマンスの発揮が必要とされる運動前のウォームアップとしての動的ストレッチングの実施は有効であるといえます。


このことは、静的ストレッチングは短時間で行い、動的ストレッチングは反対に長めに行うことがその後の筋パワー系のパフォーマンスに好影響を与えることにつながることを示しています。

また、ストレッチングの強さとの関係では不快感を覚えるポイントより軽いストレッチングでは、パフォーマンスの低下が少ないとされており、静的ストレッチングの至適強度の参考になることでしょう。


数年前の会報で述べたモノです。一般には難しいかもしれませんが、運動前にじっくり行うストレッチングはパフォーマンスの低下が起きるので怪我も増える可能性がありそうです。だがらスポーツ選手は寝て行うようなじっくりとストレッチを行う様子がテレビで放映されることがなくなったのでしょうね。