デュアルタスク(二重課題)はこの処理能力によって、認知症予防や高齢者の転倒率の軽減に関係すると言われます。
人は日常生活を送る時に、無意識に二つ以上の課題を同時並行で行っています。
例えば運転しながら会話をすることなどが挙げられると思います。この処理能力が低下すると車が止まってしまったり、脱輪したり、ぶつけたりと本来しようと思っている車で移動することができなくなります。
これを歩行で応用したモノが、
SWWT(Stops Walking When Talking)テストです。
話すときに歩きが止まるテストという事ですが、対象者には快適な速度で歩いてもらい、歩いている際に検査者が対象者の記憶に基づく質問をします。このとき対象者が立ち止まらないかをみます。
話しかけたときに歩行が停止するとデュアルタスク(二重課題)の処理能力低下と6ヶ月以内の転倒リスク増大が予測されます。
従って、歩行訓練中、歩くことに集中したいという患者さんの思いはあるかもしれませんが、セラピストはこの二重課題ができるかどうか確認する必要もあります。
歩いているんだから話しかけないで・・と思われるかもしれませんが、患者さんに歩きながらおしゃべりができるようになっていただかないと、転ぶ可能性も高くなります。
歩行中、理学療法士がしつこいくらいに話かけたり、質問することがあるかもしれません。わずらわしいと思わずに答えてあげてくださいね。