群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

長寿とテロメア

私たちの細胞の中にある染色体。健康長寿の鍵とされるのは、その端にある「テロメア」と呼ばれる部分です。
これが細胞分裂を繰り返すたびに短くなっていきます。これが老化と深い関わりを持つと考えられてきました。


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今、このテロメアの長さを伸ばして老化を遅らせ、がんなどの病も防ごうという研究が進んでいます。
このテロメアの状態が、様々な病気に関係しており、生活習慣を見直すことでテロメアの状態を良い状態に保つことができるということも分かってきました。


テロメアは染色体を保護する役割を担っています。細胞が分裂するたびにテロメアは少しずつ短くなりますが、これに伴い、細胞分裂の回数が減り、やがて分裂しなくなります。これが細胞の老化です。


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 一方、生物はテロメアを再生する働きも備えており、テロメラーゼという酵素が、テロメアDNAを伸長します。細胞の種類によって条件は異なるそうですが、細胞分裂テロメアを短くし、テロメラーゼの働きは延伸することで、テロメアの長さが決まってきます。


 最近ではテロメアの短縮と、がんや動脈硬化心筋梗塞認知症といった病気との関係が分かってきました。細胞に酸化ストレスや有害物質が作用するとテロメアが短くなり、こうした病気にかかりやすくなるとされます。例えば皮膚がんや肺がんの場合。日光を浴び過ぎたり、たばこを吸い過ぎたりすると、紫外線や有害物質の作用で細胞が傷つきます。細胞は新しくなるため活発に分裂するようになり、これに伴ってテロメアが短くなっていきます。
 
 短くなるテロメアに対し、テロメラーゼの働きが追いつかないと、細胞の中では染色体がテロメアを失って不安定になり、他の染色体とつながってしまうということも起きます。
こうしてがんのリスクが高まります。アルコール性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進行するときもこうしたことが起こるとされます。
いくつかのがんはこうしたメカニズムで説明できます。
日焼けや喫煙、過度の飲酒などもテロメアを短くする原因とされます。
 テロメアが短く、分裂しなくなった老化細胞からは、炎症の原因となるシグナルが出ることも分かっています。炎症は糖尿病や心臓、脳など全身の様々な病気にも関係しているとされます。
 テロメア研究でノーベル賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士が、研究成果をまとめた本を出版しています。
 博士らが紹介しているのは「心理ストレスにさらされていないか」「睡眠を十分にとっているか」「適度な運動をしているか」「健全な食事をとっているか」といったこととテロメアの状態の関係です。
 
 睡眠に関しては、毎日56時間しか眠っていない高齢者のテロメアは短い傾向があるが、7時間以上睡眠をとっている高齢者の場合は、中年の人と同じかそれ以上の長さがありました。運動については、過去10年間、運動習慣のある人は、そうでない人と比べてテロメアが長いという結果が出ています。
 
 特に強調しているのが、ストレスとの関係。ストレスを除くのにマインドフルネスと呼ばれる瞑想が注目されていますが、この瞑想をしたグループは、テロメアが伸びたという研究成果も紹介しています。
 
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 適度な運動や適切な食生活、良質な睡眠、ストレスをためないことなどはいずれも健康・長寿の秘訣とされてきました。
 これがテロメアによってもすこしずつ解明されてきたようです。