群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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持久性トレーニングと記憶

 アメリカの研究チームが、被験者を無作為に2つのグループに分け、異なるタイプの運動を行ってもらいました。

 

 一方は持久系のトレーニング、もう一方は心拍数が増えないストレッチなどの軽いエクササイズでした。

 

 持久系のトレーニングの結果を下に示します。

 

 持久系のトレーニングはウォーキングを行ったが、記憶に関わる海馬と言われる部分が成長し、一年で2%程成長していました。

 

 通常は加齢とともに、1年で1%程縮んでいくと言われています。

 

 実際、軽い運動のグループ(ストレッチ中心)は、1年で1.4%海馬が縮んでいました。

 

   

 

 海馬が成長したグループは過激な運動を行ったわけではありません。実際に行った運動は、週に3回、40分、早足で歩いただけだった。

 

 こんな運動で脳の老化が食い止められ、おまけに記憶力まで強化できるとは素晴らしいことだと思います。

 

 引用文献:

      運動脳 新版・一流の頭脳の通販 by 潤潤金緑堂|ラクマ

              帯にも書いてあった・・・

 

 でも、認知症の患者さんで徘徊している人がいるのに、その方々はなんで認知機能が良くなっていかないのかという疑問があると思います。病気の進行ということもありますが、それにしても早い速度で悪化していくことも経験することがあります。

 

 ここからは完全に私見ですが、認知症の患者さんの徘徊行動は、完全に散歩です。運動強度が不足しています。認知症患者さんの歩行速度は一般にかなり低下していると言われています。皆さんもそうだと思いますが、さくさく速歩きで徘徊している高齢者をみたことがないのではないでしょうか。運動強度は最大酸素摂取量の50%程度は必要だと思いますので、心拍数が70代くらいでも110拍/分程度の運動強度が必要ですし、週3回とはいえ、これを40分継続することは難しいのではないでしょうか。

 運動の強さがコントロールできれば、改善する余地はあると思います。

 

 あくまで私見です。

 

                           記事担当:部長さかもと