群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

Drive Simulator

       


 当院のドライブシミュレーターが1月に新しくなりました。

 

 良く知られている運転のプロセスには、①認知する(見る・聞く)、②判断(予測+決断)、③操作する(ハンドル・ペダル)というサイクルがあります。実際の運転では、交通状況に対する車の動きによって常にこのサイクルを繰り返しています。

 

      

 

  • 認知ミス

 交差点を発見せず、車の影の四角を見落とす

 

  • 判断ミス

 相手が進路を譲ると思ったので、危ないと思ったが敢えて進行

 

  • 操作ミス

 ブレーキとアクセルの踏み間違い

 

 交通事故原因の中で多いのが人的要因によるものとされており、人的要因による事故は99%と圧倒的に多く、特に認知ミスの割合がその中で73%と一番高くなっています。

 また、認知ミスと判断ミスを合わせた割合は9割以上で、操作ミスの割合は低い事がわかります。そこでまず認知の領域に焦点を当てた対策をすれば、かなりの事故を減少させることができるはずです。

 

 運転に影響を与える要因として、疲労や飲酒などがあります。これらは、心身のコントロールを司る中枢の脳に影響するため、全ての機能が低下して事故に陥る危険が非常に高くなります。またかぜ薬などに影響を受けることもありますので、車を運転する際は、特に体調管理に気をつけることが大切です。

 

 実際に新しくなったドライブシミュレーターを操作してみての感想は、ブレーキを踏んでからブレーキがかかるまでの時間と、カーブなどの曲線の曲がり方などが、現実世界に合わせ適切な調整がなされたように思います。

 

 半側空間無視の方を対象にしたコースも新たに追加されました。

 

          

 

 半側空間無視とは片方の空間にある物を見落としてしまうことです。ふつう経験しない症状なので分かりにくいですが、例えば体の左側については見えていても「認識できない」のです。そのため、左側の電柱にぶつかったり、左においてあるおかずを食べなかったりします。

 

 半側空間無視の方を対象にしての新たなコースをやってみて3画面ある中に下の写真のように赤色はブレーキを踏んでアクセルを踏む、黄色はアクセルを離してすぐに踏む、青色はアクセルを踏んだままにするといった反応をランダムにするというものが新たに追加されておりました。

 以前のモノは1画面でのみでしたが3画面になる事でより実際の道路を運転している際に必要な反応の練習ができるのではと感じました。

 

 半側空間無視が軽度ある症例を担当した際に、左右の反応速度の差を見ることができたらと感じていました。だがらこの機能は嬉しく思います。

 

  

 

 新しい機能が加わった事によって、評価ポイントが増えたので、今後は積極的に活用していきたいと思います。

 

 それと同時に私も運転をするので、日頃から体調管理に気をつけていこうと思います。

                                                                                   

 

                            記事担当:OTみうら