下のグラフは回復期リハビリテーション病棟の一日あたりのリハビリ提供単位数と日常生活活動の得点利得を平均したものです(回リハ協会報告書2023による)。
提供単位数が低めの3~4単位を底として、右肩上がりにリハビリを実施する時間が延びる毎に、ADL(日常生活活動点数)の改善幅が大きくなっている事がわかります。
回復期リハ病棟では、リハビリを集中的に行う事を目的に、患者さんが入院されますが、提供単位が低めにとどまると言うことは、状態が悪化するなどのイベントがあってリハビリが積極的に行えなった結果、数字が伸びないということも、理由の一つとしてあげられるようです。
このグラフは脳血管リハビリ対象患者さんの、平均FIM利得を表しており、3時間近いリハビリが提供できると、最も効果が高いと言えそうです。
次は、整形外科系の疾患のFIM利得です。
提供単位数が大きいほど、なだらかに上昇傾向を示しています。
一日2時間のリハビリが提供できると、利得としても比較的頭打ちになるといえ、余力があれば、さらに積み増ししても良さそうです。
提供単位数とFIM利得の関係は、長いこと確認してきましたが、傾向については、毎年同様に結果を表す事が多くなっています。
これに、年齢を合わせると、もう少し複雑なデータになるのかもしれませんが、余力があるときに回したいと思います。
特に脳血管障害では、3時間以内の範囲で、リハビリ時間を確保した方がよいと考えられます。
多くの時間リハビリをすべき理由の根拠になると思われます。
記事担当:部長さかもと