群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。HAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなど、ロボットリハも稼働中。100名超のリハスタッフで365日途切れなく活動中。年200回を目標にブログ更新しています。

「下肢装具を積極的に使うために」

短下肢装具というイメージはどうもあまりよろしくないようです。

患者さんの受け入れがよろしくない経験が多いのが実際です。

 

なぜでしょう?

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短下肢装具でググってみますと、こんな感じ。

私の主観ですがどうにも医療的で決してワクワクする感じじゃない。

 

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AFOとは短下肢装具の英語の頭文字です。AFOでググってみますと、なんか違う。

英語で検索しますと、欧米の製品が出てくるわけです。

デザイン性に好奇心がかき立てられます。どんな機能なのでしょう?

なんだかワクワクしませんか?

装具に関心を持ち、少々多めに学んでみた結果、どうやら欧米と日本で根本的な発想の違いを感じました。

 

「足首に障害負ったら、歩けるようにリハビリします。うまく動かない部分を装具で補います。」という発想が以前の私。言い換えれば、日本的というか、少なくとも私はそう教わってきたという発想。言い過ぎとは思いますが。

 

対して

「足首が満足に動かないんだけど、私走りたいの!歩くための装具から走るための装具まで発展させよう!」という発想が今の私。これは欧米の装具開発の理念や、実際の使用の様子など学んだ結果、得た発想です。

 

障害を補う道具という発想に対して、障害があってもやりたいことをやるための道具という発想と捉えました。

 

 

そこでこんな患者さんの要望に今の私はどう動いたかを紹介します。

 

左足首に少々の麻痺が残る男性。

仕事もプライベートもマニュアルシフトの自動車を運転する必要があるのですが、足首が十分動きません。歩き方もいかにもな歩き方になります。

 

以前の私なら、「ちょっと厳しいように思うため、オートマ車にできませんか?」という発想だったでしょう。

 

さて、今の私なら?

 

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この不思議な形をした装具。これも足首に着ける短下肢装具なんです。

Dynamic walk という外国製の装具です。

 

独特な形状は足首を上に持ち上げるサポートをしてくれます。

 

形状もワクワクしますが、素材とこの角度設定に大きな意味があるところがワクワクを盛り上げます。

 

この装具を装着すると足首を上に上げる(背屈)運動を手伝ってくれるので、クラッチ操作もアクセル操作も装具なく行うよりやりやすく、安定します。

 

運転は、アクセルもブレーキもクラッチも踏む動作と思いがちですが、大事なのはちょい戻しで安定させること。踏み込む筋肉より、足首を持ち上げる背屈という運動を調整することが重要です。

すなわち、この装具の機能は運転でも役立つわけです。

過去に右側に麻痺がある患者さんは、この装具を試用すると右足でアクセル調整ができ、運転差が再開出来ました。

 

もちろん、歩き方も非常にスムーズになります。

 

 

“厳しいから諦める”でなく、

“どうやったらできるか”に、道具1つを知っている知識と、情報を得ようとするアンテナ、そして、使い道を応用するアイデアが組み合わされば、患者さんの“やりたい”を叶える道が見えそうです。

 

積極的な装具の使い方というのは、積極的なリハビリマインドの現れなわけです。

 

 

まぁ、しかし、どうにも欧米の装具のデザインはたたただかっこいい。

 

これなら積極的に着けたいもんね。

 

患者さんの気持ちになれば、ワクワクする装具を提案したいですね。

 

 

                           記事:やまざき