群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

「オンライン講義のメリットとデメリットについて」

先日、第55回日本作業療法学会が開催されました。

テーマは「作業療法の分化と融合-輝く未来に実践知のバトンをつなぎ・たくす-」。

 

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学会長講演ではテーマの通り、これからの将来に現在を生きる我々作業療法士がどのように知識や方法を伝え残していくかという事を述べていました。

他にも多くの演題・講演があり、非常に勉強になる学会でした。

当院からも一件研究による演題を登録させていただきました。

 

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ところで、今回の学会は本来であれば仙台を舞台に開催される予定でした。

残念ながら昨今の感染症の状況を鑑み、このようにオンライン開催に至っています。

近年ではこのような機会が非常に増えてきており、今後も文化としてICT(Information and Communication Technology)が積極的に利用されていくのではないかと感じています。

 

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オンラインでの講義や学会にはいくつかのメリットが考えられます。

昨今の情勢を踏まえれば、「直接対面しないので感染予防としては究極系」という事が挙がるでしょうか。

オンライン講義などに対して考察をした学術記事を読んでみると、「どれだけ離れた場所からでも参加が出来る」「オンデマンド配信が対応されていれば、遡って視聴することが可能なのでメモなど取りやすい」「紙媒体をほとんど使用しないので資源の節約が可能」などがメリットとして挙げられていました。

 

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一方でデメリットもしばしばあります。

「対面でないのでモチベーションが保たれにくい」というのは先行研究でも述べられている大きなデメリットの1つです。

オンライン講義には基本的にインターネットを経由する必要があり、SNSや動画視聴サイトなど気が散るとされるものもというのが1つの難点です。

またオンライン講義は「コンピューターを正しく用いて適切に扱う能力」という所謂コンピューターリテラシーに依存してしまうため、ユーザーの能力によっては思わぬミスを引き起こす可能性があるという事も言われています。

 

今後もおそらく広く深く使用されていくであろうICTを用いたオンラインでの活動。

メリットとデメリットを理解して活用していきたいですね。

 

                          記事担当:作業療法室 大塚

侮りがたしラジオ体操

 

♪あ~た~らし~ぃ あ~さが来たっ…♪

 

日本人の誰もがやったことがあるだろうポピュラーな運動のひとつ「ラジオ体操」。

 

小学生にとっては夏の風物詩でもありますよね。

 

健康増進と生活リズムの確立を目的に始められたラジオ体操ですが、現在の形式になったのが70年以上前とのことで、昔から変わらない内容というのがその素晴らしさを表しています。

 

以前私が配属されていた当院に併設する老人保健施設では、季節行事の中で運動会がありました。

その当時の運動会のプログラム1番がラジオ体操で、私は手本として入所者の前に立ちました。

すると、入所者も職員もみなさん手本がいらないくらい動きを覚えている方が多く、”ラジオ体操恐るべし“と感銘を受けたことを覚えています。

また、集中して丁寧にやると、こんなにも身体が温まるんだなと驚きました。

 

実際にラジオ体操には、単に身体をほぐすためだけではなく、肩こりの改善、呼吸機能の促進、消化器の働きを改善、腰痛の予防が期待できる要素が含まれています。

指先までしっかり伸ばすこと、呼吸をしながら行うこと、動かしている筋肉に集中することなどを意識すると、より体操の効果が高まるそうです。

上半身や体幹の運動が多いのも特徴で、椅子に座った状態で出来るのもメリットです。また、ラジオ体操の運動強度は4MET(メッツ)と卓球やパワーヨガと同等なので、そういった意味では歴としたスポーツとも言えますね。

 

当院の病棟でも、朝のちょっとした時間を利用して、自由参加型のラジオ体操が行われています。

リハビリ分野では新たな療法を取り入れることがとても大事ですし、当院の強みは先進リハでもありますが、古くから伝わる“日本の運動習慣”に目を向けてみるのも良いですね。

 

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                               記事担当:PT下山

「中秋の名月」

 皆さんは9月21日の「中秋の名月」はご覧になりましたか?

 

 今年は8年ぶりに満月と重なるとのことで、私も夜空を見上げてみましたが中之条町は生憎の曇り空…

 時折、雲の切れ間から名月が顔を覗かせていたらしいのですが、私はタイミングが悪かったのか眺めることはできませんでした。

 

 しかし、最近は当院のリハビリ室でお月見気分が味わえているので大丈夫です。

 

 それがこちらのActivityで患者さんと職員が作った中秋の名月です。

 

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 大きな模造紙にちぎり絵等を用いて満月を眺めるうさぎや団子も作ってありますね。

 

 病院の中は空調が1年中効いており、気温の変化等をあまり感じることができない為、リハビリでは外の空気を吸いにベランダに出たり、会話や作業を通して季節の変化を感じとって頂けるように考えてながら関わっています。

 

 他にもリハビリで行った書道やプラモデル等の作品もあります。

 

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 リハ室に飾られる作品は時期毎に変わっていくので、来月はどんな作品が飾られるのか楽しみですね。

 

                               記事担当:OT鹿野

運動不足になっていませんか?

 新型コロナウイルス感染症の影響による緊急事態宣言も残り数日となりそうですが、不要不急の外出自粛が呼び掛けられているため、家の中に居ることが多くなり、身体を動かす事が少なくなっていると思います。

 

 書いている私も休日は家に居ることが多く、最近体力の低下を感じています。

運動不足解消のため、椅子に座ったままで出来る簡単な運動を紹介したいと思います。

 

準備するもの

・タオル

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①両手を挙げる

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②腰を左右に倒す

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③腰を左右に捻る

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④太ももを上げる

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⑤つま先を上げる

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⑥踵を上げる

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*運動をするときの注意としては、痛みが無い範囲でゆっくりと行って下さい。

 時間が空いたときに出来る事から行って下さい。

 

家の中でも少しづつ運動して、外出が楽しくなるようにしていきましょう。

 

                               記事担当:PT依田

人は水を飲まないとどうなる?

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 すっかり涼しくなってきました。夏の暑いうちは脱水や熱中症にならないように意識的に水分摂取をしてきた方も多いと思います。これからの季節、水分摂取を控えてしまう方もいるのではないでしょうか?

 

人の体は水が1滴も飲めないと2~3日で生命維持が困難となるそうです。

また、体の水分が不足すると脳梗塞心筋梗塞熱中症などのリスクが高くなってしまいます。

 

では、水は1日にどれくらい飲めばいいのでしょうか…

 

厚生労働省が提唱する1日に必要な水分量は成人では2.5リットルだそうです。

細かくいうと年齢や体重で異なってきます。

必要水分量は計算式で算出できるようです。一度自分の必要摂取量を計算してみてはどうでしょうか☆

 

【計算式】体重(Kg)×年齢別必要量(ml)=必要水分量

【年齢別必要量】・30歳未満:40ml ・30~55歳未満:35ml ・56歳以上:30ml

【例】70歳55kgの人の場合 55(kg)×30(ml)=1650(ml)

   50歳70kgの人の場合 70(kg)×35(ml)=2540(ml)

 

 私たちは口から水を飲む以外にも食事からも水分を摂取しています。そのため食事の内容も考えて水分摂取をおこなっていく必要があります。

 

  f:id:sawatarispa:20210927151813p:plain    f:id:sawatarispa:20210927151826p:plain  (水分量が多いもの)

 

 

  f:id:sawatarispa:20210927151859p:plain   f:id:sawatarispa:20210927151912p:plain (水分量の少ないもの)

 

                               記事担当:ST横山

なんで群リハに入職したの?

はじめまして!

4月に入職しました、新人理学療法士の冨士原莉奈です。

最近夏から秋に変わり肌寒くなってきましたね。

今回初めてブログを書くので、自己紹介もかねてこの病院を選んだ理由を書かせていただこうかと思います。

 

まず簡単に自己紹介から。

以前の新人紹介ブログでも少しお話させていただきましたが、

出身は前橋市です。千葉県の海沿いにある大学に通っていました。

(海なし県民出身の私からしたら、家から海にすぐ着くというのは新鮮でした!)

しかし、海派?山派? と聞かれれば・・・迷わず 山派!です。

田舎が好きで、特にマイナスイオンの中に居るのが大好きです。(笑)

 

さて、私がこの群リハを選んだ理由。

結論からいうと“美容師さんに4年かけてすり込まれた”です。

 

え?美容師さん?4年かけてすり込まれた?ってなりますよね。

 

私にはもう何年もお世話になっている美容師さんがいます。その方、パリ・ミラノコレクションのバックステージなどで世界的に活躍されている方で、驚くことに一昔前に当院の患者さんのカットも担当していました。(その患者さんが群リハへ入院された際には出張美容師としてカットしに来ていたそうです。)(本人許可いただいています)

 

その美容師さんに、大学1年生の頃から美容室に行くたびに「沢渡に病院があってね、すごくいいんだよ」と毎回言われていました。(以前は沢渡温泉病院)。

 

大学3年生になり臨床実習の場所を決めるとなったとき、ふと浮かび上がってきたのは沢渡。

知らず知らずの内に私も興味を持っていたみたいです。

もはや洗脳ですね。(笑)

 

いざ実際に臨床実習に来てみたら、まずスタッフの多さにびっくり。

患者さんに対して熱心な方ばかりで学ぶことが本当に多く、毎日刺激を受けて気持ちが追いつかないほどでした。

最先端リハロボットも数多く完備されており、実習生ながらリハビリをするのには最適な環境だと感じていました。

そして何よりスタッフの方達が温かい。

 

実習って“辛い”というイメージがあったのですが、そんなこと全くなくてすごく楽しかったんです。

私はこの病院にすっかり魅了されていました。

そこから時は経ち、就職先を考える時期。

県外に就職しようと考えていた私の脳裏にずっとあったのはこの群リハ。

何ヶ月も考えてやはりここしかない、ここで学びたい、と強く思ってここを選びました。

立地も山に囲まれて大自然の中、マイナスイオンが大好きな私にとっては毎日この上なく嬉しい環境です。

そんなこんなで入職して早半年。毎日先輩方や患者さんに支えていただきながら、楽しくリハビリをさせていただいています。

まだまだ未熟者ですが、試行錯誤しながら鍛錬していきます。

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以上私の拙い文章でしたが、少しでも群リハに興味を持っていただけたら嬉しいです。

大学生のとき4年かけて沢渡をすり込まれて良かった~!

 

                              記事担当:PT冨士原

足の指は動きますか?

人が歩くときや立った状態で何か動作をするときに、唯一地面と接しているのが足の裏です。その中でも可動性があり、バランスをとるのに重要な役割を果たすのが足の指です。

 

我々は足趾(そくし)と呼んでいます。

 

この足趾ですが、なかなか動かすことができないという患者さんをよく見ます。

 

足趾の機能は、歩くことや立った状態での動きの安定性に関与しており、足趾の力が強いほどバランス能力が優れているとの報告もあります。

 

皆さんは、足の指でジャンケンができますか?

 

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 実際に、リハビリで足趾の運動をやらしてもらうと、「足に体重を乗せやすくなった」と患者さんに言ってもらえることが多いです。

 

 他に足趾の運動というとタオルを使った運動やビー玉掴みが代表的かと思います。

 

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 親指側は動くけど、小指側が動かないという人も多い印象です。

 

 ぜひ、自分の足の指がどのくらい動くか確かめてみて下さい!

 

                               記事担当:PT山田

 

二百十日

9月に入り、残暑を通り越して一気に肌寒いくらいの天候になりました。

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

言語聴覚士(以下ST)の訓練では、度々カレンダーを使います。

見当識(自身が置かれている現在の状況把握)の確認で、患者さんと一緒に日付や曜日、季節を確認しています。


今回はカレンダーから、暦に登場する ことばの話題を提供したいと思います。

 

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毎年9月1日頃、二百十日(にひゃくとおか)と呼ばれる日があります。
(その年によって変動するため、今年は8月31日でした)

 

この日は、昔から台風が多いと言われている日で、二十四節気を補う雑節のひとつです。

 

暦に出て来る数字の雑節は他に、八十八夜というのもあります。

STにとって、この八十八夜は馴染み深いキーワードです。

何故か?。患者さんの脳機能活性化や発声訓練等で歌を歌うことがありますが、

よく歌う曲の中に、この八十八夜が出てきます。


そうです!勘の良い方は、お気づきかと存じますが、

♪夏も近づく八十八夜~、というフレーズで有名な唱歌「茶摘み」です。

 

八十八夜は、農家の人々が田植えを始めたり、茶摘みを始める時期とされています。

またこの日に摘んだ茶を飲むと良いとされる、いわれもあるようです。

二百十日も、八十八夜も、この数字は立春から数えた日にちの数字です。
昔の先人達は普段の生活で得た経験から、このような節目を作ったのでしょうか。

 

ちなみに、二百十日夏目漱石の作品に同名タイトルの小説があります。

読書の秋を楽しむ方。読む作品の一つに加えては いかがでしょうか。

 

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                              記事担当:ST吉田

フルクトース(果糖)とダイエット

 フルクトースの摂り過ぎは、HbA1c値の上昇、空腹時血糖値や空腹時インスリン値の上昇につながります。

 

 フルクトースは、肝臓で代謝されるため直接には血糖を上げませんが、肝臓で中性脂肪などに変換され、余分なものが脂肪として貯蓄されます。

フルクトースなどの糖類が含まれるコーラなどの清涼飲料を1日1回以上摂取すると、体重増加や肥満につながり、2型糖尿病のリスクが上昇します。

 

 フルクトースの含まれる高カロリーの清涼飲料は、それ自体が満腹感をもたらすことはありませんが、食事のカロリー摂取量が減ることもありません。

 結果として体重増加を引き起こしやすくなります。

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フルクトース

 砂糖=グルコース+フルクトースであり、フルクトースはグルコースの2倍の甘さを持つと言われ、このフルクトースには中毒性があります。

 

 従って、砂糖入り飲料の摂取量を減らしていくことが大事です。

 気が付いたら意外に太っていたということの原因は、無意識で砂糖入り飲料を摂取していたことが原因ということもありそうです。

 

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            凄い砂糖の量ですね

 

 砂糖入り飲料をすぐに水やお茶、ブラックコーヒーに変えることが減量への近道ですが、簡単にいかない場合、間に人工甘味料入り飲料を挟んで見るのも良いと思います。これでも体重減少につながる事が、システマティックレビューで報告されていますので、体重減に繋がってくれるでしょう。

 

 日常的に水分摂取は大事ですが、砂糖入り飲料のがぶ飲みは止めましょう。

 

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                            記事担当:部長さかもと

食べてすぐ寝ると

 牛になるよというのが、古のことわざですが、

 

 今日は筋蛋白の合成速度のお話をしたいと思います。

 

 

 食べてすぐに仰向けで寝てしまうと、胃の中身が胃を通過しにくくなり、

 

 小腸に流れにくくなるそうです。

 

 これは胃の形状と、傾いている方向によるもののようですが、

 

 座っていたグループより、寝ていたグループの方が、内容物が胃を通過する時間が長く、結果、血中アミノ酸濃度が低く推移することが指摘されています。

 

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アミノ酸

         寝ているの男性のイラスト(睡眠) | かわいいフリー素材集 いらすとや

 血中アミノ酸濃度が低いということは、筋タンパク合成が弱まるということであり、筋肉がつきにくくなると言えます。

 

 食べてすぐ寝るのは、物理的にも筋肉がつきにくい体になりやすいようですね。

 

 

                             記事担当:PTさかもと