群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

ヤマメ釣り

こんにちは。作業療法士の関仁紀です。

 

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが当院のある群馬県中之条町の沢渡地区は非常に自然豊かな地域です。

 

特に上沢渡川はかの若山牧水もロマンを感じた暮坂峠を源流として非常に澄んだ川です。

私は釣りが好きなので色々な川に行っていますが水の透明度は県内有数だと感じています。

そこで釣れたヤマメです。

 

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さて、当院でも入院以前は釣りを趣味としていた方も多くいらっしゃいます。

 

実際に川や池に赴いて釣りをするのは難しいですが当院の作業療法士が患者さんと一緒に作成してくれた道具の中にも魚釣りも模した物があります。

 


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可愛らしい金魚の模型。そこに磁石を入れて釣り竿でくっつけて釣り上げる様に行います。

立って行う事でバランスの練習にもなりますし、集中力も身につきそうですね。

 

作業療法士は様々なアイデアを出して練習内容を考えています。また、足りないモノは患者さんと一緒に作る事も良くあります。

 

工作が好きな方、釣りが好きな方に一石二鳥の練習道具となりました。

 

 

 

園芸療法(農福連携)

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 農業が健康づくりや生きがいづくりに活かせることは、最近では多く言われるようになってきました。

 

 元気な高齢者から、要介護高齢者まで、関わり方の違いで以下のようなスタンスが持てるのではないでしょうか。

 

 当院では園芸療法という形でリハビリに農作業を活用していますが、要支援・要介護レベルの活用が主な活用場面と言えます。

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 農福連携のパンフレットの一部をご紹介していますが、最後に要介護認定者が農作業によってどう変化したのか、下のグラフに表しています。

 

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 身体面や認知面では15~20%くらいが良くなったと答えたに止まりましたが、精神面では6割の方が良くなったと答えています。

 

 土いじりの効果と言えるかどうかわからないところはありますが、農作業は精神面での良い効果を生んでいるようです。

 

                            記事担当:部長さかもと

 

脳卒中患者さんの歩行転帰

 一口に脳卒中患者さんと言っても状態はさまざまで、車椅子に乗ることも難しい方から、歩いて入院される方までいらっしゃいます。

 

 入院時の状態が良ければ、退院時にもできる事が多くなるのは当然かもしれませんが、入院時の状態で退院時の歩行自立割合がどの位差が出るものか、グラフにしましたので、ご紹介します。

 

 昨年脳卒中で入院された脳卒中患者さん124例のデータを利用して数値化しています。

 縦軸は入院時のFIM運動項目の値を示し、横軸は退院時の歩行介助量の割合を表しています。

 FIM運動項目とはADL自立度を数値化したもので、13点が全介助、91点が自立を表します。完全自立の91点では、装具、杖、手すりを使わず(階段の手すりも不要)日常生活が送れる状態を表しています。

 

 青が自立、エンジが見守り、緑が介助が必要な割合です。

 自立は患者さん一人で歩ける状態、見守りは介助者がつきそうが手や口を出さなくても歩ける状態、介助は支えないと歩けない、もしくは支えても歩けない状態を示しています。

 

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 入院時にFIM運動項目が40点程度だとほとんどの方が歩けるようになっています。30点台でも7割、20点台では6割弱でした。

 

 20点台くらいが歩けるかそうでないかを分けているようです。

 

 ROC曲線も確認したところ、cutoffはFIMMで24.5、FIMtotalで39.5でした。

 

 重症コースに分類されなければ、歩行自立を目指すくらいの気持ちでリハビリに励んでいただくと良いですが、その際は入院期間が足りないかもしれません。

 

 歩行にこだわる意味は多くありますが、なかなかお話しすることはありませんでした。今後はそのあたりにも少しずつ触れていきたいと思います。

 

                              記事担当:さかもと

 

ビッグ3とは

世の中には「ビッグ3(3大)」と言われるものが多く存在します。

 

3大珍味と言えば、フォアグラ・キャビア・トリュフ

3大瀑布と言えば、イグアスの滝・ビクトリアの滝・ナイアガラの滝

ちょっと古いですがお笑いビッグ3と言えば、ビートたけし明石家さんまタモリです。

 

筋トレの世界にもビッグ3があり、“これをしておけば全身鍛えられる”と言われるものが存在します。

それが、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトです。

 

ベンチプレス:胸、スクワット:脚、デッドリフト:背中で、体の中で比較的大きな筋肉が鍛えられるとされています。

バーベルを用い行えるトレーニングなので重たい重量も扱えますが、体を痛める危険性もあり注意が必要です。

 

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デッドリフトは想像しにくいと思うので、図を載せました。左手が逆手になっているのがポイントで“オルタネートグリップ”と言います。

 

この原稿を書き上げた後に書いた手前もあり、私も1年ぶりにデッドリフトをしてみました。久し振りということもありフォームを忘れ、危うく腰を痛めそうになりました。

 

正しいフォームで、無理に高重量を扱おうとせず適切な重量で行わないと体を痛めると感じました。どの様な運動も、事故や怪我がないようにするのが一番だと思いました。

 

                               記事担当:ST日野

 

「低コストで簡単自助具作成」 

今回は手作り自助具のお話です。

自助具とは病気や怪我により、行いにくくなった動作を少しでも楽にしてくれる便利道具のことを指します。

私たち作業療法士は患者さんの行いにくい動作に対してリハビリを行い、時にこの自助具を作成し、ご提供させて頂くこともあります。

 

自助具の一つである長柄シャンプーブラシを作成致しましたので、作成工程も含めてご紹介させて頂きます。

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この長柄シャンプーブラシは麻痺や怪我の影響で手が頭まで届かない方や指先に力が入れられない方、首の動きが制限されている方などの洗髪を手助けしてくれる道具です。

 

100円ショップで材料を揃えれば低コストで作成が可能です。

  • 材料

 ・スポンジブラシ1個 

 ・丸型シャンプーブラシ1個

 ・ビニール紐50cm

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工程

①スポンジブラシのスポンジを取り外します。

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②スポンジを取り外したブラシの先端にシャンプーブラシをビニール紐で取り付けて完成です。

  • 作製時間5分

 

  • 費用200円

 

 正規品と比べたら劣る点はあるかもしませんが、患者さんからはご満足頂き、喜んでいただいております。

 

 ありがたい事にこのスポンジブラシの柄は伸縮機能がついているため伸ばすと余裕を持って広範囲まで届きます。

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 最近の100円ショップの商品のクオリティはすごいですね!!

100円ショップに行くと何かいい自助具作れないかな〜と品定めして、ついつい長居をしてしまいます。(笑)

 これは作業療法士あるあるかもしれません。

 

 患者さんの生活が少しでも楽になるように、これからもちょっとした工夫やアイディアを大切にしながら全力で支援を続けて行きたいと思います。

 

                               記事担当:OT市村

「夏の地面はホットパック」

沢渡・中之条も近頃は、気温が下がり、いくらか過ごしやすくなってきました。

みなさんの住んでいる地域はいかがでしょうか?

 

現在、群馬は緊急事態宣言が出て、中々外出もできない状態です。

私も休日は、外出は控え、夜、自宅の庭で涼んでいました。

そんな時ふと夜空を眺めたくなり、地面に横になりました。

すると、背中から暖かさを感じました。これが意外に気持ちが良く、枕があればそのまま寝てしまいそうでした。

 

暖かいというのは人にリラックス効果を与えますが、当院でもホットパックという物理療法を行っています。これは筋肉の緊張や痛みを軽減することが目的です。

以前、私も研修でホットパックを経験しましたが、とても気持ちが良かったです。

 

今回、庭のコンクリートに横になった事で、同じような暖かさを感じることができました。

 

ホットパックは自宅でなかなか気軽にできないので、私は蒸しタオルをオススメします。

 

作り方は、色々種類があるので、「蒸しタオル(またはホットタオル)作り方」で是非調べてみて下さい。

 

注意:横になる際は、安全の確保できる場所でお願いします。

 

                               記事担当:OT高山

 

 

 言い忘れていましたが、最近、外来で乾熱式ホットパックを導入しました。

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詳細はPT室から後日報告しますが、患者さんには好評のようです。

 

                                補足:さかもと

 

 

食後の眠気の原因?

 早速ですが、私が学生だった頃は授業中に居眠りをしている友人がクラスに一人はいました(私も時々…)。

 

 皆さんの中にも授業中、特に午後一番の授業でウトウトしてしまったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

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 ウトウトしてしまう原因には寝不足や内容がつまらないからだけではなく、【血糖値】が関係していることもあるそうです。

 

 血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。食事中の炭水化物などが消化吸収され、ブドウ糖となって血液に入ります。

 

 このため、食事後には血液中の糖が増えますが、体内のインスリンという物質の血糖値を下げるという働きによって、血糖値は常に一定の値が保たれるようになっています。

 

 しかし、何らかの原因で食後に急激に血糖値が高くなってしまう人がいます。

 

 食後に血糖値が急激に上がりすぎると、糖をエネルギーに変えるインスリンが大量に分泌され、反動で血糖値が急降下。今度は低血糖状態になり、食後に強い眠気や倦怠感を感じたり、イライラしやすくなったりします。

 

 この急上昇・急降下を【血糖値スパイク】といいます。

 

 血糖値スパイクの怖いところは、ただ眠気が強くなったりイライラしたりするだけでなく、程度によっては様々な病気のリスクも上げてしまうところです。

 

 特に動脈硬化のリスクが高く、そこから心筋梗塞脳梗塞に至ることもあるそうです。

 

 食後の眠気の全てが血糖値スパイクによるものではありませんが、このような原因も考えられるのだということを知っていただけると幸いです。

 次回は血糖値スパイクの予防法についてお話し出来ればと思います。

 

                              記事担当:PT綿貫


 

 

転ばないでくださいね

 転倒による怪我を防ぐには、転ばないこと。

 

 何度聞いても禅問答のようにしか聞こえませんが、転倒を防ぐためには、転びにくい体をつくったり、転がっても怪我しないように衝撃吸収剤を使ったり、よく見えるように明るくしたり、移動する環境を整えたり、処方薬を整理したり・・・と、工夫する点は沢山あります。

 

 こういうものを組み合わせて転倒を防ぎ、転倒による怪我を防ぐ事が必要です。

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 転んだところで怪我なんかしないよ、とおっしゃる方がいますが、転んだだけとはいえ、以下の疾患(怪我)で入院されてくる患者さんを私たちは経験しています。

 

 1.大腿骨頸部骨折

 2.脊椎圧迫骨折

 3.頚髄損傷(中心性が多い)

 4.硬膜下血腫

 

などの疾患があります。

骨折だけでなく、3や4のように脊髄や脳に怪我が及ぶこともあります。

 

 私が経験した患者さんもさまざまな受傷機転がありますので、少し紹介すると、

 

 まずは、70代男性。夜中に旅行先で布団につまづいて、大腿骨の骨折をされた方がいらっしゃいました。

 この方は、冗談が好きで、「宇奈月温泉に泊まって、トロッコ列車乗ろうと思っていたら、救急車乗って帰って来ちゃった」といってよく笑わせてくださいました。

 

 次に、50歳代の女性。自宅で夜中にトイレからベッドに帰る途中、平らな床で転がってそのまま動けず。翌日受診すると大腿骨頸部骨折が判明。50歳前後でも、フローリングで大腿骨頸部骨折が起こるというのは、かなり衝撃的でした。

 

 最後に70代男性。転んだ際、頭をぶつけたところ、これが原因で、頚髄損傷となりました。両上肢や肩の動きが非常に悪く、歩行はできますが、歯磨きや食事、更衣などは苦労されていらっしゃいました。

 

 最終的には皆さんADLが自立されて退院に至っていますが、3名とも屋内で受傷されています。すべての事例ではありませんが、ちょっとした注意をしたり、環境に気をつかったりすることで防げる事故もあります。そういう点で、配慮すべきところを知っておくことは、年齢にかかわらず必要なことだと思います。

 

 当院を退院した患者さんには是非気を付けていただきたいところですし、それ以外の方も転倒で病院に罹らなくて済むようにしていただきたいと思います。

 

 政府広報オンラインに良い記事がありましたので、下にリンクを貼りました。ご参照ください。

 

www.gov-online.go.jp

 キレイな絵と共に事故の起きやすい箇所、注意点が紹介されていますので、ぜひご覧ください。

 

                            記事担当:部長さかもと

 

人生の目的と脳梗塞

 人生に意義と目的を感じていると、病気のリスクが下がるといわれています。

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 脳梗塞も同様で、目に見える大きさの梗塞は、人生に目的を持つ人ほど少なくなるという研究結果があります。

 

 顕微鏡でしか見えない小さい梗塞は人生の目的の有無に関係なく存在するようですが、これが、米国の研究で確かめられています。

Lei et al :Purpose in Life and Cerebral Infarcts in Community-Dwelling Older People, Stroke. 2015;

 

 人生に前向きに取り組んでいるという意識をもつ高齢者の脳では、そうでない高齢者に比べ、視認できる脳梗塞が約半分になりました。

 人生に目的意識や生きがいをもっていると報告された高齢者の脳では、そうでない人に比べ、目にみえる梗塞が44%減少していることが確認されています。

 

 人生をポジティブにとらえている人は健康で長生きする傾向があります。ポジティブな心理社会的要因が、健康な生理学的機能を促し、より長い寿命につながることは過去の研究でも確かめられています。

 

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 人によりそれぞれ違う人生の目的。別に他人に紹介する必要もありませんから、人に誇れるような目的をつくる必要はありません。自分の中で生きがいとして認定できれば良いわけです。前向きに生きるためにも大事にしていくべきだと思います。

 

 

     脳梗塞 再発予防に 5000歩あるけ 酒は控えめ 生きがい大事に 

 

 

                            記事担当:部長さかもと

サイレントウォーク

 先日G-WALKデビューしたぶちょーです。

 

gunmarehab.hatenablog.com

 

 スマホを持って動いているだけで、歩数と運動強度を計測してくれるので、普段の運動不足がわかって良いですね。

 

 だいたい毎日歩数や活動量が目標に到達しませんが、そんな時はリビングで残業をしています。

 

 その残業とは、「スマホ電子書籍を読みながらその場足踏み」です。

 

 有働さんを見ながら、スマホ持ってその場足踏みというのもあります。

 

 緊急事態宣言中ということもあり、意識せずに活動量が落ちているのではないでしょうか。

 

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 先日、当院で職員の健康診断結果がでましたが、有所見率が前年及び一昨年比2倍だったようです。ストレスによるものか、コロナ禍によるものか、それともその両方の作用なのかわかりませんが、活動量は減らさないようにしていきたいものです。

 

 話しをもとに戻して、足踏みですが、普通はこんなものをイメージされると思います。

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 かっこよくて、良さそうですが、私が残業する時間には適していません。

 

 なぜなら、隣の部屋で家族が寝ているからです。

 

 元気よく足踏みしようものなら、苦情が出るのは火を見るより明らかです。

 

 そこで、音の出ない方法を選択します。

 

 こんな感じです。

 

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 ステッパーといわれる昔からある機械ですが、これはないので、こんなイメージで行っています。

 

 具体的にはこのように行います。

 

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 左に体重を移し、右の膝を曲げながら踵を挙げ、つま先は離しません。次に膝を伸ばし踵を下ろして、右に体重を移して左膝を曲げながら左の踵を挙げ、つま先はつけたままにします。これを繰り返してサイレント足踏みの完成です。絨毯の上や、座布団の上で行うとさらに静かにできます。

 

 この動きの良い点は、

①音がしない。

②膝や足首にやさしい。

スマホが一歩としてカウントできる。

体重移動の速度を上げると、意外に活動量が大きい。

⑤片脚に体重を掛ける際、中殿筋のtypeⅡ繊維に効くので、人工股関節置換術後の患者さんに効きそうだ。

 

ということです。

 

 G-WALKで歩数などの目標値を決め、不足しているときに足踏みを使うという方法で利用すると良いでしょう。

 

 恐妻家の私としては静かなのがなによりですが、運動不足で高血圧などになってしまうと、体の他の部分にまで影響が出てしまうことが多いですから、普段から注意していきたいものです。

 

              記事担当はG-WALK使用一週間のさかもとでした。