先日、第55回日本作業療法学会が開催されました。
テーマは「作業療法の分化と融合-輝く未来に実践知のバトンをつなぎ・たくす-」。
学会長講演ではテーマの通り、これからの将来に現在を生きる我々作業療法士がどのように知識や方法を伝え残していくかという事を述べていました。
他にも多くの演題・講演があり、非常に勉強になる学会でした。
当院からも一件研究による演題を登録させていただきました。
ところで、今回の学会は本来であれば仙台を舞台に開催される予定でした。
残念ながら昨今の感染症の状況を鑑み、このようにオンライン開催に至っています。
近年ではこのような機会が非常に増えてきており、今後も文化としてICT(Information and Communication Technology)が積極的に利用されていくのではないかと感じています。
オンラインでの講義や学会にはいくつかのメリットが考えられます。
昨今の情勢を踏まえれば、「直接対面しないので感染予防としては究極系」という事が挙がるでしょうか。
オンライン講義などに対して考察をした学術記事を読んでみると、「どれだけ離れた場所からでも参加が出来る」「オンデマンド配信が対応されていれば、遡って視聴することが可能なのでメモなど取りやすい」「紙媒体をほとんど使用しないので資源の節約が可能」などがメリットとして挙げられていました。
一方でデメリットもしばしばあります。
「対面でないのでモチベーションが保たれにくい」というのは先行研究でも述べられている大きなデメリットの1つです。
オンライン講義には基本的にインターネットを経由する必要があり、SNSや動画視聴サイトなど気が散るとされるものもというのが1つの難点です。
またオンライン講義は「コンピューターを正しく用いて適切に扱う能力」という所謂コンピューターリテラシーに依存してしまうため、ユーザーの能力によっては思わぬミスを引き起こす可能性があるという事も言われています。
今後もおそらく広く深く使用されていくであろうICTを用いたオンラインでの活動。
メリットとデメリットを理解して活用していきたいですね。
記事担当:作業療法室 大塚