群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

脳卒中と長下肢装具

 長下肢装具って、こういうものですが、

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 麻痺が比較的重い場合に、立つ・歩く際、膝や足首を支えてもらうためのものです。

 

 脳卒中患者さん120名あまりのうち、

 

 当院入院時にこの装具(もしくはこれに近い装具)を使って歩行練習をした方は、全体の1/4でした。

 

 これを使って歩行練習を行った患者さんは、凄く麻痺が重いように感じますが、退院時には42%が歩行自立に至っていました。

 

 また、29%が見守りで歩けるようになっており、

 

 さらに残り29%が歩行に介助が必要な状態でした。

 

 入院時に長く大きな装具を使っている比較的重度と思われる脳卒中患者さんも、71%が近くで見ていれば歩行できるレベルまで回復することができました。

         

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 長いこと経験年数を持つセラピストでも、

 どの位歩けるようになるか、たまたまあてても意味がありません。

 

 根拠を以て目標設定し、長下肢装具を積極的に使いながら、歩行自立を目指しましょう。

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 入院時に長下肢装具を利用していた方の7割が、見守りでも歩けるようになっているというのは、自分の感覚よりも多くが歩けていると感じます。

 

 やはりデータはしっかり活用して、確認しておくことが必要なようです。

 

                                記事:さかもと

【自動車改造】

 いつもブログを閲覧して頂きありがとうございます。

 

 誰にでも季節の到来を感じる時ってあると思います。「夏が来たな~」って、、私が夏の到来を感じる時は仕事中ハンドタオル2・3枚必要になるようになったらですね・・。不快になられた方がいましたら申し訳ありません。皆さん、水分をしっかりとりましょう!

 

 さて、本題ですが今回は脳血管障害により片麻痺を呈した方が運転再開するにあたり、自動車改造が必要になる事があります。

 

 今回は、左片麻痺を呈した方が自動車運転再開にあたり自動車を改造しました。

 

 どのような改造をしたか数年前に写真を頂き御本人様の許可をとりましたので掲載したいと思います。

①ワイパー延長

写真の通り、ワイパーを部に部品を取り付け右手で使用ができるよう延長してあります

他にも、ウインカーレバー自体を延長する事も可能

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②ハンドル旋回ノブ

ステアリング操作が片手でも楽に行えるようです。

取り外しが可能なので、必要ない時は外す事も可能。

 

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以上2点になります。右片麻痺の方ではアクセル・ブレーキの位置を改造するなど行います

改造専門に実施している業者や車を購入したディーラーにお願いする事も可能と伺いました。

 

今回で自分はしばらくブログ作成期間が空く為、前回出題した脳トレの答えで1番難しい③の答えと新しい脳トレクイズをだして終了したいと思います。

 

前回の答え

に文字を入れ、単語を完成させて下さい

・あ□□□ま →あさまやま あかぎやま等

・□□□い□う →ほっかいどう

 

新 脳トレーニング

□に文字を入れ、単語を完成させて下さい

①す□か

 

②□ご□ま

 

③□ラ□□ピ□□

 

以上です

皆さん是非解いてみて下さい!悩みながら解いて頂く事で脳を活性化します!

 

前回はこちら                              

gunmarehab.hatenablog.com                               記事担当 OT丸山

入院時麻痺レベルと退院時一人で歩ける割合

-----入院の脳卒中リハビリ結果についてご紹介-----

 

 麻痺が軽い方が、改善もしやすいのはあたりまえだろと思った方。

 

 その通り。

 

 Br.stageというのは、麻痺の程度を表していて、数字が大きくなるほど麻痺が無い状態を表しています。

 

 ちなみにⅠは完全麻痺、Ⅱは反対の脚に力を入れるとかろうじて動く状態です。

 

 これを何かで説明しようと思いましたが、難しいので割愛します。

 Ⅵにもなると、健常者とそれほど差が無いように見える動きができます。

 

 今回作ったグラフは入院時の麻痺レベルなので、入院中に改善し、良くなっているはずですが、そこは問いません。

 

 ちなみにこれは脳卒中患者さん120例あまりで調べました。昨年1年間で当院でリハビリされた方の一部です。

 

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 入院時から脚を動かすことができると、6割ぐらいの方が一人で歩けるようになっています。

 

 Ⅱでも3割が歩いています。

 

 しかし逆に、麻痺が軽かったとしても、100%の方が歩けるようになっている訳ではありません。

 

 これからも紹介できるものは出して行きたいと思います。

 

                                記事:さかもと

睡眠不足で高血圧って、なんで?

 アメリカの研究で、十分な睡眠をとっていない中高年は高血圧になる可能性が高いと発表されました。

 

 睡眠時間が少ないほど高血圧になる割合が高く、睡眠時間が6時間と5時間のグループを比較すると、5時間のグループが高血圧になる割合が高かったとのこと。

 

 睡眠の質の低下は深刻で、睡眠障害があると高血圧のリスクはより高くなります。

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 なぜ、睡眠障害でなぜ高血圧になるのかということですが、これには自律神経が関係しています。

 

 健康人の血圧変化は、起床後血圧が上がり、80-120mmHgあたりで日中を過ごし、夕方には少しずつ血圧が低下し、眠っている間は下がるというリズムを繰り返します。

 

 日中活動時には交感神経優位となり、夜間は副交感神経が優位となるからです。

 

 睡眠不足や睡眠障害によって睡眠中に何度も覚醒していると、眠りの質はきわめて悪くなります。(睡眠時無呼吸症など)

 

 つまり、目は開かずとも脳が起きることで交感神経優位となり、昼間と同じ血圧の高さを示してしまうのです。これが高血圧を招きます。

 

 怖いことには、夜間/早朝高血圧は「心筋梗塞」や「脳卒中」のリスクを一般的な高血圧の6倍に上げてしまうという報告もあります。

 

 睡眠以外では定期的な運動も大事だと思います。

 

                            記事担当:部長さかもと

「ベッドはやわらかい派?硬い派?」

 みなさんこんにちは、PT下山です。

 

 ついこの間まで、本当にやるの??といった雰囲気だった東京オリンピックも、無事に全競技を終え8月8日に幕を閉じました。

 個人的には予選リーグで快進撃を見せながらも、惜しくもメダルを逃してしまった男子サッカーが印象的でした、、、。

 悔しさを糧に、若い世代のこれからの活躍に期待したいです!

 オリンピックは終わりましたが、甲子園、パラリンピックとまだまだスポーツの熱い夏は続きそうですね。

 

ところで、オリンピックの舞台裏、選手村に設置された“段ボールベッド”が話題になったことはご存じでしょうか。

 日本の寝具メーカーが開発した、エコな素材で軽量かつ頑丈なこだわりの詰まったベッドです。

 “段ボール”といった言葉の印象ばかり先行しがちですが、その上に敷くマットレスは身体の構造や動きを考慮した最新式のもので、選手達の疲れを癒やし、好評だった様です。

 

 当院で患者さんが使うベッドマットにもいろいろな種類があります。

 標準的なもの、床ずれ(褥瘡)を予防する柔らかいもの、自動体位変換機能のついたエアーマットなどがあり、患者さんの状態に応じたベッドマットを使用して頂いています。

 人間がストレス無く寝るには、身体にかかる圧を分散させることや、寝返りなどの身体の動きを妨げないことが重要とされています。

 身体にかかる圧を分散させるには適度に柔らかさのあるベッドが良いとされ、床ずれのリスクのある方などには専用のマットが使われますが、自分で動いたり動作介助をするには、やや柔らかすぎたりする事もあります。

 

そこで大事なのは、患者さん状態変化に応じ適切なタイミングでベッドマットを変えていく事です。

 入院したときは寝返りがうてず床ずれの心配を抱えていたけれど、リハビリが進む中で自分で寝返りをうったり起き上がることが出来るようになった場合、その患者さんにとってベッドに求められる要素も“床ずれ予防”から“自由に動ける”に変わるわけです。

そのタイミングを見極めるのもリハビリスタッフの仕事です。

 

 回復期リハビリテーションにおいて、ベッドから起きて活動的に過ごすことは一つの大きなテーマです。すっきりと目が覚め、自分で起き上がって、スッと立ち上がれる。といった当たり前のようなことが重要だと思いますし、そのための環境作りも大切ですね。

 

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                                                                                                                  記事担当:PT下山

 

摂食嚥下関連医療資源マップのご紹介

 今回は、摂食嚥下関連医療資源マップ(https://www.swallowing.link/)のご紹介をしたいと思います。

 「生活の場でできるだけ自立を続けたまま、摂食・嚥下に関して有効な支援を受けられる地域作りを、全国的に目指すための足がかりを作る」ことを目的に歯科医師の方々が中心となって作成しているものです。

 このサイトでは全国にある介護食(軟らかく飲み込みやすい食事)を提供しているレストランや訪問歯科、嚥下訓練を行っている歯科医院を検索することが可能で、図1のようなマップで一覧することもできます。

 

 介護食を提供しているレストランを事前に検索して出掛けることができれば、普通の食事では食べにくさを感じてしまうご家族とも一緒に食事を楽しむことができそうですね!全国のレストランを検索することができるため、旅行時にも活用できそうです。

 しかし、残念ながら群馬県の介護食を提供するレストランはこちらのサイトには載っていませんでした、、、。閲覧者もレストラン情報について登録・更新可能であるため、もしどなたか群馬県の嚥下食を提供するレストランを知っている方がいましたら、登録していただけたらと思います。

 

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               図1.摂食嚥下関連医療資源マップ

 

 慣れ親しんだ地域で過ごしやすい生活を送るために、さまざまな取り組みが行われているため、是非皆さんも活用してみてください!

                              記事担当:ST三木

 

 

歩行アシスト 稼働してます

 新規の受付は中止となった歩行アシストですが、現在も稼働しています。

 

HONDAが扱うのは、2023年末までと聞いていますので、あと2年は利用可能です。

 

 非常に使い易く、患者さんの歩き方を変えていくロボットなので、これからも使っていきますが、技術者の思いを受けてくれる企業はないものでしょうか?

 

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 さて、今日は歩行アシストを8回以上利用した方と、そうでない方を比較する機会があったのでそれを紹介したいと思います。

 

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 入院から退院までにFIM運動項目がどれだけ伸びたかを、歩行アシストを使った方と、使わなかった方でグラフ化しました(箱ひげ図です)。

 

 しっかり検証しようと思って対象群を探そうとしましたが、断念して、使っていない人は回復期リハ病棟全体を入れましたが、入院時FIMMは同じか、若干歩行アシスト群の方が低いので、このまま利用しました。

 

 歩行アシストを入院中に使った方の方が、ADLの数値が上がりやすいということがわかりました。ただし入院日数は伸びてしまいましたが、、、。

 

 歩く事はADLをさらに伸ばすと考えます。

(歩行アシストの利用に、新たな診療報酬は発生しません。個別リハビリテーション料だけです。担当PTにご相談ください)

 

                            記事担当:部長さかもと

片手での調理動作

 8月に入り暑い日が続いています。今年の夏は雨が多く、湿度が高いため、夏バテを起こしやすくなっていますね。私はオリンピックに火がついてしまったこともあり、余計熱い夏を過ごしています。

 

 久しぶりのブログですが、今回は作業療法士が患者さんに説明するのに、必ずと言って良いほど苦労する「片手での調理動作」についてまとめたいと思います。

 

 作業療法士は実施するリハビリ内容の1つに「家事動作」があります。主に主婦業を行っている患者様・1人暮らしで生活されている患者様に実施します。「調理動作」はその「家事動作」の1つの動作となります。

 脳卒中後遺症の1つである「片麻痺」やケガなどによって片手しか使用出来ない状況になったときでも、方法の工夫や道具の使用により片手でも調理動作が行えるよう、調理訓練を行います。

 今回は道具と片手で行う調理方法の一例を紹介したいと思います。

 

  • 道具の紹介 

 ①くぎ付まな板

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食材をくぎに刺して固定でき、野菜の皮をむいたり切ったりする動作が行いやすいです。

 

②食材用はさみ

 まな板の上で肉・野菜などを切るときに便利です。肉などは包丁で切ろうとすると滑る事があるため、食材用はさみのほうが安全です。

 

③フードプロセッサー

 野菜を細かく切ったりするときに重宝します。

 

④ぬれ布巾で野菜を固定

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 まな板の下に滑り止めマットを敷き、ぬれ布巾で食材を固定します。

 

⑤お椀や茶碗で固定

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  お椀や茶碗の中にぬれ布巾を敷き、丸い果物などをむくときに便利です。

 

 ⑥皿などで野菜を固定

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  葉物など広がりやすい野菜を切るときに便利です。

 

 ⑦滑り止めを使用

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 ボールやまな板の下に敷くと、安定します。

 

⑧ピーラーの使用

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ジャガイモやニンジンなどの皮むきをするときに便利です。

  ジャガイモは、包丁で半分に切って平らな面を下にしてピーラーでむくと、むきやすいです。

 ⑨片手で使いやすい道具

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  取っ手のあるボウルや底が平らな計量スプーン・計量カップなどを使用すると、置いた状態で調味料等を計ることが出来ます。

 

  • 片手で行う動作の紹介

 ①卵を割る

  分かりやすい図などを掲載できずすいません。

  インターネット上で「片手で卵を割る」と検索すると、動画や画像がたくさん出てきます。

  私も患者さんに「コツ」を説明するために、1パック程度練習しました(不器用なので…)。

 

 ②野菜を洗う

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 ボウルや桶に水を入れて、こすったりふり洗いを行うと、汚れが落ちやすいです。最後に流水で洗い流してください。

 

 今回は、一部の道具や方法の説明となっています。

 新しく道具の準備が必要となる物もありますが、市販で販売されている道具や身の周りの布巾など、普段も使うであろう道具が結構役に立ちます。

 私もまな板を使う時は下に布巾を敷くようになり、包丁が使いやすくなっています。

 最近は書籍やインターネットからの情報で、片手のみで作る事が出来るメニューの紹介もあります。新しく「そうかー」と思う方法もあれば、生活の中の「知恵」や「発想」から思い付く方法もあります。

 私も年上の方から逆に教わったこともあります。

 日常の何気ない動作でも、「これをどうすれは片手でできるかなー?」という考えを頭のどこかに置いて、作業療法士として今後も自己研鑽し、臨床に活かせるようにしたいと思います。

  

                                              

                               記事担当:OT唐澤

 

 

収穫祭!?

みなさんこんにちは。暑い日が続きますね。

今回は患者さんと育てた夏野菜が収穫できたのでお伝えしたいと思います。

 

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日頃、患者さんと水をあげたり雑草を取り除いたりしたおかげで、こんなに立派に成長しました!全部美味しそうですね!

 

しかも夏野菜には水分やカリウムが豊富に含まれているそうです。そのため体に水分を補いつつ、カリウムの利尿作用により体から熱を出して、体を冷やしてくれる働きがあるそうです。夏バテ防止にはもってこいですね!

 

特に私はなすが好きで油との相性も抜群なので焼きなすか油味噌にして食べようかと思います。

 

まだまだ成長しそうなので収穫が楽しみです。

 

 

                               記事担当OT:小澤

『呼吸を整える』

はじめまして!

新人理学療法士の小向です。

今回初めてブログを書かせて頂くことになりました。

よろしくお願いします!

 

 

今回のテーマは姿勢と呼吸についてです。

 

なぜこのテーマにしたかというと、群リハの周りは坂道が多く、

毎朝、駐車場から病院に来るだけで息が上がってしまいます…。

息が上がった後に呼吸を整えると思うのですが、

その時の姿勢で効率の良いものを調べてみました。

 

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呼吸を整える上で、いちばん効率の良い姿勢は、

手を膝や壁につき、体を前傾させた姿勢です。

ただ、前傾しすぎるのもよくありません。

前傾しすぎると、腹腔内圧・横隔膜が上昇してしまうので、

肺に入る空気の量は減少してしまいます。

 

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理想は、手を膝や壁についた状態で、60度ほど前に傾く姿勢です。

 

60度前傾すると、胸部周囲径が増加するので、肺に入る空気の量が増加します。

また、手を膝や壁につくことで、約7~8kgある上肢と肩甲帯の重みを除去することができ、胸部の負担が減少します。その分、胸部周囲径が増加し、肺に入る空気の量も増加します。

 

坂道を登った後や運動後など、呼吸を整える時にぜひ試してみて下さい。

 

 

拙い文章ですが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

                               記事担当:PT小向