群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

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片手での調理動作

 8月に入り暑い日が続いています。今年の夏は雨が多く、湿度が高いため、夏バテを起こしやすくなっていますね。私はオリンピックに火がついてしまったこともあり、余計熱い夏を過ごしています。

 

 久しぶりのブログですが、今回は作業療法士が患者さんに説明するのに、必ずと言って良いほど苦労する「片手での調理動作」についてまとめたいと思います。

 

 作業療法士は実施するリハビリ内容の1つに「家事動作」があります。主に主婦業を行っている患者様・1人暮らしで生活されている患者様に実施します。「調理動作」はその「家事動作」の1つの動作となります。

 脳卒中後遺症の1つである「片麻痺」やケガなどによって片手しか使用出来ない状況になったときでも、方法の工夫や道具の使用により片手でも調理動作が行えるよう、調理訓練を行います。

 今回は道具と片手で行う調理方法の一例を紹介したいと思います。

 

  • 道具の紹介 

 ①くぎ付まな板

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食材をくぎに刺して固定でき、野菜の皮をむいたり切ったりする動作が行いやすいです。

 

②食材用はさみ

 まな板の上で肉・野菜などを切るときに便利です。肉などは包丁で切ろうとすると滑る事があるため、食材用はさみのほうが安全です。

 

③フードプロセッサー

 野菜を細かく切ったりするときに重宝します。

 

④ぬれ布巾で野菜を固定

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 まな板の下に滑り止めマットを敷き、ぬれ布巾で食材を固定します。

 

⑤お椀や茶碗で固定

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  お椀や茶碗の中にぬれ布巾を敷き、丸い果物などをむくときに便利です。

 

 ⑥皿などで野菜を固定

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  葉物など広がりやすい野菜を切るときに便利です。

 

 ⑦滑り止めを使用

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 ボールやまな板の下に敷くと、安定します。

 

⑧ピーラーの使用

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ジャガイモやニンジンなどの皮むきをするときに便利です。

  ジャガイモは、包丁で半分に切って平らな面を下にしてピーラーでむくと、むきやすいです。

 ⑨片手で使いやすい道具

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  取っ手のあるボウルや底が平らな計量スプーン・計量カップなどを使用すると、置いた状態で調味料等を計ることが出来ます。

 

  • 片手で行う動作の紹介

 ①卵を割る

  分かりやすい図などを掲載できずすいません。

  インターネット上で「片手で卵を割る」と検索すると、動画や画像がたくさん出てきます。

  私も患者さんに「コツ」を説明するために、1パック程度練習しました(不器用なので…)。

 

 ②野菜を洗う

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 ボウルや桶に水を入れて、こすったりふり洗いを行うと、汚れが落ちやすいです。最後に流水で洗い流してください。

 

 今回は、一部の道具や方法の説明となっています。

 新しく道具の準備が必要となる物もありますが、市販で販売されている道具や身の周りの布巾など、普段も使うであろう道具が結構役に立ちます。

 私もまな板を使う時は下に布巾を敷くようになり、包丁が使いやすくなっています。

 最近は書籍やインターネットからの情報で、片手のみで作る事が出来るメニューの紹介もあります。新しく「そうかー」と思う方法もあれば、生活の中の「知恵」や「発想」から思い付く方法もあります。

 私も年上の方から逆に教わったこともあります。

 日常の何気ない動作でも、「これをどうすれは片手でできるかなー?」という考えを頭のどこかに置いて、作業療法士として今後も自己研鑽し、臨床に活かせるようにしたいと思います。

  

                                              

                               記事担当:OT唐澤