群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

タンパク質でチョキン

 帯広畜産大学の報告です。

 

 60歳以上の男女に、運動と炭水化物もしくはミルクプロテインの摂取を行ってもらったところ、ミルクプロテインを摂取した群で、筋肉が付き、脂肪が減ったとの結果が出ました。

 

 炭水化物では、脂肪は減らないし、筋肉もつかないとのこと。

 

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 栄養摂っていないんだから当たり前かもしれませんが、顕著に結果として出ています。

 

 牛乳に含まれる蛋白質が強化されたヤツですね。

 

 筋肉をためる、貯筋(チョキン)はお金以上に大事なこともあります。意識しておきましょう。

 

                        記事担当:部長さかもと

血圧を測ろう

 血圧は日内変動が意外に大きく、下のグラフのように推移していきます。

 

 自分の血圧を知ることなく、脳卒中などの病気に罹られる患者さんも多く経験します。

 

 自分の体調管理をする意味でも、定期的に体温に加え、血圧も測って起きましょう。

 

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 血圧の測り方は下の図に示します。

 

 気をつけるところは、ベルトを巻く位置は、心臓と同じ高さにすることです。また、血管音を聞くところに印があるので、ベルトの位置を調整してください。

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 加圧して、減圧しながらゆっくり測って行きますので、リラックスして普通に呼吸しながらお待ちください。

 

 数字の変化に集中しながら待つと、血圧が上がってしまうかもしれませんので注意。

 

 朝、血圧が上がりやすい早朝高血圧というのもありますので、朝計測すると良いでしょうと、当院の医師も言っておりました。

 

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 朝は体内の水分量が減ったり、血圧が上がったりで、脳卒中心筋梗塞になりやすいといわれます。

 

 ご自分の血圧変動のクセを知っておくことも大事だと思います。

 

 

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 血圧が高いとその分、心血管秒になるリスクも上がりますので、注意していきたいものです。

 

 まずは定期的に自分の血圧を知ること。これを意識していただきたいと思います。

 

                        記事担当:部長さかもと

「リハビリの視点から 人工股関節全置換術を予定する方へ ~どんな手術なの?」

 前回、変形性股関節症により、今後人工股関節術をしなければならない可能性が場合に、手術に関してどのように調べていけば良いかを書きました。

 今回は、人工股関節術って実際にどんな手術なのかについて書いていきます。

 

 まず、よく間違いやすい手術があります。

“人工骨頭が入っている”という表現。

 一般的に股関節の手術を表す言葉に人工骨頭というものが良く聞かれます。

 間違ってはいないのですが、変形性股関節症の場合、ほとんどの場合、人工関節置換術という手術を行います。

 “人工の関節に入れ替える”という手術です。

 

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 骨頭という球側と、その受け皿となるソケットの両方を挿入することが人工の“関節”を入れ替える手術に当たります。

 では、人工骨頭置換術とはどのような手術なのか。

 “人工の骨頭に入れ替える”ということになります。

 

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 違いは、関節を入れ替えるのでなく、球側を人工のものに入れ替え、受け皿側は自分の骨のままとする点です。

 

これら手術は、どちらにメリットが多いかという比較はできず、患者さんの股関節状態で決定されるものになります。

 

 変形性股関節症の患者さんの股関節は、球側も受け皿側も傷つき、変形しているため、人工股関節術が選択されることがほとんどです。

 

 イラストを見ての通り、簡単な手術でなく、身体に異物が入ること、入れるために様々な過程を経ることになるのですが、当然、手術による身体への侵襲が伴います。

 

 この侵襲による痛みや、機能低下はリハビリテーションの治療対象なのですが、実際は、股関節を病んでからの期間に生じてきた姿勢の崩れや、関節の拘縮(関節が固まること)、痛みから逃げる歩行を続けてきたことによる歩き方の乱れといった、術前の状態がリハビリの進行に影響するため、人工股関節置換術後のリハビリテーションは、簡単に術後のリハビリテーションと言えない難しさを持っています。

 

 “痛みが治まったら終了”ではなく、

むしろ始まりであり、股関節を病んでから我慢してきたことを再開できるようリハビリに励む時です。

 

 人工股関節後のリハビリは簡単ではありません。ノウハウを持ったリハビリの展開が重要です。決して、手術して自然回復できる部分だけでなく、リハビリによる頑張りが、更にその上へと導いてくれます。

 

 

最後に

 近年、傷を小さく作り、身体への侵襲が少ない人工股関節置換術で、早期の退院が可能である手術方法も存在し、手術後早期に退院できる時代になってきました。

 家庭や社会的事情でなるべく入院を短くした方には助け船ですが、早すぎる退院には疑問の声も上がっています。

 人工股関節置換術はリハビリとセットで考えて良い手術だとも言われ、そのくらいリハビリの位置づけが大きい手術です。

 

急がば回れ

是非、しっかりとリハビリも予定してください。

 

                          記事担当:PT山﨑

嚥下内視鏡検査

 

 ようやく長い梅雨が明け、夏本番に到来しました。夏バテしないように気をつけたいですね。

 

 今回は、「嚥下内視鏡検査」についてご紹介します。

何度かブログで登場していますが、嚥下内視鏡検査(以下VE)とは、

実際の飲み込みの様子を見ることができる検査です。

 カメラを鼻から入れさせて頂き、直接映像で食べた後の喉の様子はどうなっているのかをみます。

 

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VEの時は、実際に水分を飲んだり食べ物を食べて頂きます。

 

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これは、お水なのですが喉にいれた際に見やすいよう、緑色に着色させて頂いています。味は、普通の水と変わりません。

 

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食事の写真です。

患者さんによりますが、ゼリー・ムース食・ペースト食・普通食など様々な食事の形態を用意して臨みます。

一番安全に食べられるものをみつけていきます。

そして、食事の訓練をスタートさせます。

 

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 VEの記録はこのような用紙に記載しています。

 ムセが無いか、喉に食べたものが残っていないか、気管の方に入っていないかなどをしっかり確認するので安心です。

 

 喉の様子は実際目で見えないので、VEの存在は有り難いです。

 VEで確認してから食事訓練を行う事で、患者さんも安心してご飯を食べることができます。

 

                          担当記者:ST真庭

歩けるようになればいい?

 以前、1日8000歩、歩くと長生きできるという記事を紹介したと思います。ここでは、長生きという点について紹介したので、長生きしたい人以外はあまり関心が無かったように思います。

 

 今回も同じ記事を引用しますが、少し変わった視点で考えていきたいと思います。

 

 1日の歩数が4000歩の人を参照群(100)とすると、2000歩の方の総死亡リスクは高く1.5倍、6000歩から死亡リスクは低くなり、8000歩では半減します。

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 心血管疾患でもグラフはほぼ同じ傾向を示し、1万歩を超えるとほぼ頭打ちになります。
 
 同じく、がんでは以下のグラフのようになりました。
 

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 がんでは2000歩ごとに約2割ずつリスクが減っていきます。心臓病や脳卒中ほどの予防効果はありませんが、それでも運動量が高い方が死亡率が下がるという傾向はかわりません。
 
 4000歩は廃用症候群が起こらない最低限の運動量であるとお話ししたことがあります。リハビリによって歩く事ができるようになった方でも、毎日4000~8000歩の活動を維持していくことは大変です。まして、やっと歩けるようになった方の場合、4000歩を維持することがやっとでしょう。
 
 このグラフをみると6000歩以上毎日継続ができると死亡率が下がっていきます。従ってこれだけ高い運動機能を維持し続けないと、再発予防には繋がらないということが言えそうです。入院している間にできるだけ高い歩行能力を身につけておくことが、退院後の再発予防を図る秘訣でしょう。
 
 また、4000歩歩くのが難しい方もいらっしゃると思いますが、その場合は別の方法で運動量を確保していくことが大切です。例えばスクワット。4000歩の歩行と筋活動量を比較すると160回前後の運動が必要です。でもこの回数のスクワットは大変ですし、疲れます。立ち上がりでも300回といわれます。従って歩く方がラクにできますので、歩行が練習として使われやすいのです。
 
 歩行の意義について違った視点から提示しました。リハビリというと歩けるようになるための活動というイメージが強いと思いますが、それだけでなく運動継続の習慣を身につけることで、疾患の再発予防や、新たな疾患に罹患しにくくする効果があります。
 病院のリハビリではADLの自立に主眼が置かれることが多いですが、再発予防の視点も持ってリハビリに取り組まれることも大切なのでは無いでしょうか。
 
                        記事担当:部長さかもと
 

一周年

 リハビリテーション部でブログを始めてから7年あまり、昨年Hatenaブログに移行して丸一年になりました((・・||||rパンパンッ)。

 

 その間、記事投稿数1300あまりですが、YAHOOブログからそのまま移行したので、写真と文章のバランスが悪くなっているものもあります。

 ただし、一つの記事も削除しておらず、日付も入っていますので、リハ部の日記としても時々重宝しています(あれはいつ頃始めたっけみたいなことです)。

 

 7年前は何を書いたら良いかわからず、今回のように文章のみで作っていたようで、5月に2回、8月に1回という頻度の記事更新でした。

 2年目まではこの程度の記事更新でしたが、3年4年ともなると毎日更新を目指すようになり、365日連続更新が達成できました。

 

 内容はともかく、最近は私がいるときに平日1回更新を行いたいと考えています。

 このブログをご覧の皆様は、以前や今後の記事を参考に、当院やリハ部の雰囲気、考え方を知っていただき、利用するときのガイドにしていただきたいと思います。

 

 わずか7年だけどよくやったと自分で褒める意味で、群馬県医師会報にも寄稿してみました。

 

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 記事の中にある写真はtwitterですが、こちらも2017年2月から運用し、ブログ記事と連動させていただいております。

 

 記事の本数だけをみても、私一人ではとてもできません。

 職種や年齢などがバラバラで、視点の違う当院のセラピストの記事があってこそ今まで続けられたように思います。

 文章の上手下手は問いません。自分らしい言葉で当院の”今”を伝えていただければと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。

 

        画像

             ぐんま限定みたいです

                        記事担当:部長さかもと

リハビリでも活用を考える便利な品物

 今日は、日常生活で使用できる便利な機器を紹介したいと思います。

 

 まず一つ目は、片手でも簡単洗濯干し です。

 

 脳血管障害や整形疾患の方など、どんな疾患の方も気軽に干す事に特化した代物で、干すだけで無く容易に取り込む事もできます。

 

 コツを掴めば一般的なピンチハンガーより簡単ですし、何よりも時間短縮ができます。

 

 私は自宅で、洗濯を干す→取り込む、という役職に任命されている故に助かった一品です。

 

 余談ですが、自分は洗濯物を畳む作業は余りにも下手という理由で畳む作業という役職を下ろされました。

 

 最近では、こういった便利品がホームセンターでも販売されるようになり入手しやすくなりましたね。

 

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 二つ目は電気圧力鍋です。

 

 これは圧力鍋を電気で使用するものです。こちらもどんな疾患の方でも幅広く使用できると思います。

 

 カレーはもちろんのこと、煮物や角煮、プリンまで作れる代物です。

 時間を設定し、ボタンを押すだけで完成します。

 

 待ち時間に掃除をしたり、休憩をしたりというように時間を有意義に使えます。お手入れも簡単で中の内鍋とフタを洗うのみで十分とのこと。

 

 余談ですが、自分が料理をする際良かれと思って沢山作るのですが、食べきれないほど作ると怒られ、泣く泣く冷凍しています。

 

 こういった便利品が日々日常生活に取り込まれています。気軽に手に入る時代にもなりましたので、ご参考までに☆

 

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                         記事担当:Maruyama

 

こいじゃる!

今回は、当院でレンタルさせて頂いている備品について、

とても便利だったので、少しだけ紹介します!

 

大分県にある(株)AKシステム様のご厚意により

お借りしている製品です。

 

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(こんな感じでハンドル操作をします!)

 

車椅子に装着しペダリングをする事で、

活動量増加や筋力強化などに使用することが出来ます!

(当院ブログ内でもペダリングの重要性は何度か取り上げていますので

興味のある方は検索欄に「ペダリング」と入れてみて下さい。)

 

使用してみての個人的な感想として、

車椅子に乗った状態のまま装着することが出来、

さらに、ほとんどの車椅子に装着可能なのは

臨床の中でとても使いやすいところです。

また、操縦支援を行うときに我々が屈まなくて済むので

支援者も疲労感がなく、扱いやすかったです。嬉しい限り。

 

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  (後ろから見るとこんな感じです!)

 

初めは装着が上手く出来ず、タイヤが空回りしてしまうこともありましたが

慣れてからは問題なく使用する事が出来ました。

 

また、担当した患者さんの意見としては

「いつも乗っている車椅子のまま漕ぐことが出来るから、楽!!!」

というような感想も頂きました。

 

興味のある方はこちらを参考にして頂ければと思います。

https://www.aksys.co.jp/coijal/

 

 

道具や機器に限ることではありませんが、

常に新しい情報は発信されているので、

最善のリハビリを提供出来るよう、努力していきます!

 

                          記事担当:PT小竹


 

 

 

遊びを通した高次脳機能練習訓練

みなさん、こんにちは。

自分は、「このゲームは治療として使えそうだ」「この道具は、ADL改善に使えそうだ」など、新しい物を発見することを楽しみながら、作業療法士として働いています。

そんな自分が、最近購入した「物」を紹介したいと思います。

 

 復学を目指して勉強などの復学支援や、高次脳機能訓練を行っている患者さんがいらっしゃいます。「勉強しているだけじゃつまらないだろうなー。楽しめる物はないかな?」っと思っていたら、たまたま良さそうなパズルを見つけたので、GETしました。

 

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 名前は「IQ フォーカス」。

 ベルギー生まれの脳トレパズルゲームで、なんとこのパズル10ピースしかないのに問題数が120問!しかも結構難しい!

(私は1問目で強制終了^^;))

 

 しかし!なんと!患者さんは悩みながらも次々に問題を解いていました。

 何より楽しそうにやってくれたのが一番良かったです。

 

 

 今回は高次脳機能訓練の一つとして遂行機能や注意力の向上を目的にパズルを行いました。向き不向きもあるかもしれませんが難易度も調整できるのでいいと思います!

 少なくとも自分には不向きだと感じさせられた商品でした。

 

                          記事担当:OT小澤