下の写真は何でしょう?
これは、言語聴覚士が声の調子(発声について)を確認する検査で使う、鼻息鏡といわれるものです。
簡単に言うと。字のごとく、鼻息が出ているかどうかを確認する鏡です。どうして、鼻息を確認するのでしょうか?
通常、「アー」と声を出す際には、
口の中、天井に在る軟口蓋(なんこうがい)という場所が上に
持ち上がり、口から鼻に通じている通り道を塞ぐ役割を果たしています。
通り道が塞がれることによって、聴き取りやすい「アー」
(ハッキリした聴き取り易い声)になるのです。
ただし、病気の影響で、この軟口蓋の持ち上がりが弱くなってしまう場合、少し鼻に掛かるようなぼんやりした声(開鼻声)になります。つまり、口と鼻の通り道を塞ぐ事が出来なくなり、鼻から息が漏れてしまうのです。 そこで、お口の天井(軟口蓋)の働きが保たれているかどうかを確認する際、この鼻息鏡が活躍します。
「アー」と声を出したとき、ペットボトルのお水をブクブクと
吹いたとき、に鼻から息(呼気)が漏れていないかどうかを確認します。
鼻から漏れていない場合 鼻から漏れている場合
このように、言語聴覚士が行う検査や訓練では、様々な道具が活躍しているのです。
記事担当:ST吉田