群馬リハビリテーション病院 リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。通常のリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使し、多くのリハスタッフで患者さんを担当させていただいております。

気管カニューレ(その③)

 前回の②では、気管カニューレの種類についてお話しさせていただきましたが、今回はどんな状態になったらカニューレを外せるのかについてまとめさせていただきました(気管カニューレ➁は5/1の記事をご参照ください)。

気管カニューレ(その➁) - 群馬リハビリテーション病院 リハビリテーション部です

 

 ポイントとしては、以下の3点が挙げられます。

 

 ①呼吸状態が安定し、自分の力で呼吸ができる

 ②痰が少なくなる、または自分の力で吐き出せる

 ③食事・水分(唾液を含む)の誤嚥が少なくなる

 

 まずは、「①呼吸状態が安定すること」ですが、そもそも呼吸状態が悪い方にカニューレを使うので、自分の力で呼吸ができればカニューレを使う必要もなくなります。

 ただ、急にカニューレを抜いてしまうのは心配なため、当院ではカニューレの穴にテープを貼って鼻と口からしっかり呼吸できるのかどうかを数日かけて評価します。

 1日中テープを貼った状態でも苦しくならないことを確認したらカニューレを抜きます。

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 次に、「②痰が少なくなる、または自分の力で吐き出せる」ということですが、痰がからまったまま自分で吐き出せない状態では窒息してしまう可能性もあります。

 痰がからまる位置はカニューレの穴に近いため、口から吐き出せなくても咳き込んだときにカニューレの穴から痰が出てくることが多いです。

 また、口や鼻からよりもカニューレの穴から痰の吸引をしたほうが引きやすいです。

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 最後に「③誤嚥が少なくなる」という点については、カニューレを使っていない方でも食事や水分を誤嚥している方は多いです。

 そのため、誤嚥している=カニューレが抜けないというわけではありません。

 ただ、カニューレのカフ(前回のブログで書きましたが、気管内で風船が膨らんでいる部分があり、誤嚥してしまった唾液・痰・食事などをある程度は肺まで流れ込まないように防ぐことができます。)の上に唾液や痰・食事などがかなり溜まってしまう方が中にはいらっしゃいます。

 その状態でカニューレを抜いてしまうと肺炎になってしまいますので、③の点もカニューレを抜けるかどうかのポイントとなります。

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 当院でもカニューレを使用した状態で入院され、上記の点についてリハビリを行いカニューレが抜けた方がいらっしゃいます。

 これからも、できるだけ多くの患者さんに元気になって頂けるように頑張っていきたいと思います。

 

                          担当記者:ST茂木