慶應大学の岡本らは、日本人男性を対象に、定年後仕事を続ける人とやめた人の、死亡と認知機能低下、脳卒中、糖尿病のリスクを比較する研究をしました。
就労が健康維持に良い可能性を示しています。
男性1288人(就労者644人と非就労者640人)について、1987年から15年間、死亡、認知機能の低下、脳卒中、糖尿病の発生の有無を調べました。
結果です。
図はデータからさかもとが作成
非就労者、就労者で、追跡期間中に死亡、認知機能低下、脳卒中、糖尿病を経験していた人の割合を比較すると、就労者のほうが死亡した人は少なく、認知機能の低下した人と、脳卒中を発症した人の割合も少なくなっていました。
糖尿病発症には差がありませんでした。
ここからいうことができるのは2つ。
一つは、定年後も就労を続ける事ができれば、糖尿病を除く、病気の発症や、亡くなってしまうリスクを減らすことができる可能性があるということ。
もう一つは、雇用形態に関わらず、何かをやってみようと思い、社会貢献をしようという気力が大切であることだと思います。
年齢と筋力の推移を示したデータがありますが、65歳を超えると急激に筋力が衰えていきます。これに停年や退職が影響することはあまり語られませんが、老後の過ごし方によってこれが大きく影響を受ける事でしょう。
引用文献:Okamoto S, et al. Bull World Health Organ.2018 Dec: 826–833.
記事担当:部長さかもと