群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

褒める効果

 Dobkinは、ほめること(心理的強化)が脳卒中患者の歩行速度にどのような影響を及ぼすかを調査しました。

 UCLA、米国8施設、米国外10施設を対象とし、日本からは、森之宮病院(大阪)が参加しています。

 脳卒中の患者さん179名を対象に (daily reinforcement of speed, DRS) 88名と、no reinforcement of speed (NRS)91名とにランダム化されました(Table1)。


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 毎日、理学療法の一環として、10m歩行が実施し、DRG群は、患者さんが歩行速度の情報と心理的強化を受けた。例えば、「良かったですよ。~秒で歩けましたね。」と述べた後、「~秒速くなりましたよ。」、「だいたい同じ速度で歩けるようになっていますね。」、「もう少ししたら、もっと早く歩けるようになることは間違いないですね。」といった励ましを受けました。


 一方、コントロール群(NRS群)は、歩行速度は毎日計測せず、患者さんに歩行速度に関する情報は与えられませんでした。


 結果、歩行速度はDRG群で0.45 m/s0.91m/sに変化し、NRS群では0.46m/s0.72m/sP< 0.01)と有意な差を認めました。


 また、リハビリテーション入院期間、3分間歩行距離はそれぞれP0.09P0.62で差は無く、同様にFACFunctional Ambulation Classification)≧4(平地歩行以上自立)でもP=0.12と差は認めなかったものの、DRG4.9%→36%、NRS4.8%→24%と平地歩行が自立した方が増えました(Table2)。


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 適度のフィードバックと心理的強化は単独で、安全、実用的、low-technology、無コストの介入でありながら、十分な歩行速度の改善と関連する機能的帰結をもたらすことが示されました。


 目的を持って褒めることで、歩行速度は上がります。
 さらに、FAC(平地歩行ができるようになった人)の割合も、有意ではありませんが1.5倍違います。自立度を上げる効果もあったようです。

 特に脳卒中患者さんは、理学療法士に歩行訓練時、しっかり褒めてもらったり、フィードバックをもらいながらリハビリを続けましょう。
 (表は英文のままで失礼しました。)

International randomized clinical trial, stroke inpatient rehabilitation with reinforcement of walking speed (SIRROWS), improves outcomes. - PubMed - NCBI