群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。HAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなど、ロボットリハも稼働中。100名超のリハスタッフで365日途切れなく活動中。年200回を目標にブログ更新しています。

 20世紀の研究です。

 

 Lisa F. Berkman, et al. Emotional Support and Survival after Myocardial Infarction.A Prospective, Population-based Study of the Elderly. Annals of Internal Medicine. 1992; 117: 1003-1009.

 

 アメリカの病院で、急性心筋梗塞を罹った65歳以上の男女194名を対象としています。

 

 対象者の社会的サポート、年齢、性別、人種、教育歴、結婚歴、生活環境、抑うつ、喫煙歴、体重、身体機能などを聴取し、心筋梗塞後の死亡率との関係を調べました。

 

 対象者のうち、39%の患者が心筋梗塞後6ヶ月以内に死亡した。リスク因子を調整すると、心筋梗塞後6ヶ月以内の死亡率に関連があったのが、感情的なサポートの欠如でした「オッズ比2.9; 95% CI: 1.2 - 6.9」。

 

 感情的なサポートとは、相手のことに関して自分自身のように親身になって考えたり、援助をしたりしてくれることです。

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        サポートしてくれる人が多いほど死亡率は低い

             男の方が弱いですね(^_^;


 グラフは感情的なサポートを与えてくれる人がどの程度存在するのかというレベルで、心筋梗塞後6ヶ月以内の死亡率が大きく異なります。

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 特に75歳以上の患者にとっては、感情的なサポートを与えてくれる人が2人以上存在する場合、死亡率は26%でしたが、0人の場合は死亡率が69%でした。人とのつながりが強い人ほど、死亡率は約3分の1になりました。

 

 先行研究でも、「孤独な人」「結婚しておらず、親友がいない人」「1人で住んでいる人」が早死にするリスク要因であるとされています。

 ここでは、心筋梗塞に罹った高齢者においては、それらの要素よりも、感情的なサポートが少ない人々が心筋梗塞後の死亡率が高いといえます。

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 併存疾患の少ない人(0~1個・左)と併存疾患の多い人(2~8個・右)で比較すると、他に持つ病気の少ない方が死亡率も低いですが、やはり感情的なサポートが多い方が死亡率も下がっています。


 この研究からもわかりますように、自分のことを親身になって考えてくれたり、援助してくれる友人や仲間の存在が健康に影響を与えます。

 社会の中で人とのつながりが広く、強い人ほど、健康な生活を営むことができる。人間は他者の存在がなくては生きられず、助け合うことで、生活に対する不安が減って、安心感や自信が得られます。

 

 脳卒中に罹り、後遺症を持った人も同様に、人とのつながりは、健康な生活を取り戻すために重要であるといえます。

 人とのつながり、社会とのつながりが強いほど、社会参加が促進され、人々と触れ合い、活動する機会が増えます。

 他者から心理的・精神的サポートを受けることができ、後遺症を持ちながらも生きることに自信が得られます。

 また、有益な情報を仲間や友人から得ることができ、質の高い医療サービスを受けられることにもなります。

 日頃から人とのつながり、社会とのつながりを構築していく心がけが大切ですね。

 

                            記事:さかもと