変形性股関節症の術後、THAと言いますが、昨年は入院申し込みが少し減っていたので心配しましたが、最近はまたかなり増えてきました。
急速破壊型股関節症の患者さんは、痛みに耐える時間も比較的短いためなのか、歩き方が著しく乱れる方は多くないように思いますが、
罹患期間が年単位に渡る患者さんでは、痛みに耐えできる限り関節を動かさないようにして歩いているため、手術をして痛みがなくなったとしても、簡単に歩容が良くなると言うことはありません。
このグラフは歩行時の右股関節の角度を°で表しています。
縦軸が股関節角度、横軸は時間で、5秒を100等分してあります。
二つのグラフは一ヶ月ほど計測日が違いますが、屈曲方向は2~3倍くらい違っています。
これはある機器を活用した結果ですが、その話はまたの機会に譲ります。
実はこの患者さん、最初の計測時には歩行器で歩いており、見た目にはこんなに股関節が動いていないとは思わなかったのです。(我々の動作分析はまだまだ甘いようです(゜o゜;))
実際に計測してみるとほんの少ししか動いておらず、しっかりリハビリをしたところ、屋内は杖なし歩行自立、屋外はT杖歩行自立に至りました。
また、山の数が増えているのは、その分、脚を速く動かすことができるようになったということです。
術後、急性期病院を退院したらすぐに自宅退院してしまうのではなく、当院のような回復期リハビリを最低2週から1ヶ月程度行う事で、スムーズな動作を獲得できますし、ラクに動けるようになるでしょう。
短期の回復期リハビリをご検討ください。
記事担当:PTさかもと