群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

梅雨時の運動 替わりの方法

 

日本の温泉では40℃前後の湯に、比較的長く浸かる習慣がありますが、心血管疾患のリスクは、入浴頻度が高いほど下がります。

 

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              ねぎとこんにゃく、沢渡温泉

 

中年のフィンランド男性は、週4~7回サウナに入る人は、週1回しか入らない人と比べ心血管疾患のリスクが半分になるそうです。

 

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他の要因も関係する可能性はありますが、定期的な温熱療法は心血管疾患のリスクを低下させる要因として考えられます。

 

温熱療法の効果は、上昇した体温調節をすることにあります。

 

体温が上がれば、熱を外へ逃がすために血流を増加させます。

これは毛細血管の血管拡張を促します。

 

血流の上昇は、血管の成長や修復、保護を促進します。

 

また、温浴はサウナと違って水圧による影響も加わります。

これは心臓への血液循環を助ける働きがあります。

 

温泉もサウナも、1日1回、週5回、4週間続けると、慢性心不全患者の心肺機能や心臓壁を強化したという報告もあります。

 

また、3週間毎日の温泉療法で、2型糖尿病患者の血糖値を下げたという報告もあります。

 

入浴は、方法によって運動するのと同じような効果を持たせることができそうです。

しかし、筋肉を増やしたり、骨密度を高めたりという効果は全くありませんので、注意が必要です。ヒートショックによる失神などで、溺れることのないようにもしたいものです。

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おぼれないで

今日は涼しいので、浴槽浸かり日和?ですが、夏は汗をかくので、浴槽に浸かるのは避ける方も多いのではないでしょうか。

夏は暑くて運動もできないのであれば、こんな代替手段を運動できない日は試してみてはいかがでしょうか。

 

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                            記事担当:PTさかもと

 

スマホが脳に与える影響とは

 

言語聴覚士は、高次脳機能という脳の働きに関する分野も担当しています。
そのような仕事柄、書店で気になる本を見つけました。

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ズバリ「スマホ脳」という名の本です。
スウェーデン精神科医アンデシュ・ハンセン氏が著した世界的ベストセラーで、

現代のデジタル社会における、人間に対する影響について警鐘を鳴らしています。

スマホの存在が、人間の注意力を妨げる。

 (例えば、仕事や勉強の最中に、スマホが気になって注意散漫になる)

 投稿したSNSの記事に対する「いいね!」の評価が気になったり、LINEの返事

 が気になったりする事などが挙げられるでしょうか。

 スマホドーパミン(脳に次の行動を選択させる働きを持つ)を誘発する働きがあり、脳内の報酬系というメカニズムに悪影響を与えてしまう懸念があるそうです。

 

スマホやパソコン画面のブルーライトは、脳に睡眠を促すメラトニンという物質の分泌を妨げる影響がある。つまり、夜間に使うと睡眠不足を招く恐れがあるようです。

 

まとめると、スマホやコンピューターへの依存は、注意力や睡眠時間を奪われてしまう心配があるようです。

 

とはいえ、現代のデジタル社会にスマホやパソコンは欠かせない便利な存在。
今後の付き合い方を考える必要が有りそうです。

 興味のある方は、ぜひご一読下さい。      

 

                                   ST吉田

 

巣立ちました

当院3階のリハビリ室にはバルコニーがあります。

広いスペースを利用して患者さんと一緒に園芸やベランダ菜園を楽しむスペースでもあります。

 

先日、天気の良い日に患者さんとそのバルコニーに出たところ、2羽のキセキレイ(らしき小鳥)が餌をくわえて行ったり来たり。

動きを追って見ていると、隅っこに置いてある鉢の中に入っていく姿が見えました。

 

もしやと思い、そ〜っと患者さんと覗いてみると、

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4羽の雛が寄り添って親鳥の運ぶご飯を待っていました。

 

テンション高めに3階所属のスタッフに話してみましたが、

「あそこはよく鳥が巣を作るんですよ」と思いの外冷静。

すぐにテンションを抑えて、その後は僕と患者さんだけのお楽しみとして観察を続けていました。

 

発見してから約1週間後、あっという間に雛たちは巣立ち、巣は空っぽになっていました。

 

キセキレイが孵化してから巣立つまでは2週間程度とのこと。その早さに驚きですが、雛の状態では他の動物に襲われる危険性もあるわけですし、大空に飛び立つために一生懸命に餌を食べて成長を遂げるんですね。もちろん親鳥たちも必死です。

 

「巣立ち」、言い方を変えれば「自立」です。

患者さんの自立を支援することが僕たちの仕事ですが、親鳥たちのような必死さを見習いたいものです。

 

                                                記事担当:P T下山

噛む力が強いと

食事中、舌や頬を噛んで痛い思いをした経験はありませんか?

 

人が力いっぱい歯を食いしばったときに出る噛む力(咬合力)は体重に比例してくるそうです。この咬合力は、個人差、体格差もありますが、スポーツをしている方は一般的に噛む力が強いと言われています。歯ぎしりは噛める力の最大で噛んでいるので歯ぎしりをしている人は顎の痛みに注意が必要です。そして奥歯はとても重要で、奥歯がなくなってしまうと噛む力が半減してしまうとのこと…

 

噛む力を高めると

誤嚥性肺炎を予防できる

○転倒や寝たきりを防ぐ

動脈硬化を予防できる

認知症を予防できる

感染症にかかりにくくなる

 

 など、たくさんの良い効果があるようです♪

 

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ちなみに…

犬は小型犬でも平均100kg、ライオンでは400kgくらいあるようです

                             

                              記事担当:ST横山

コロナの影響は

 コロナ禍で、患者さんの動向に影響が出ているのかを調査するため、3年間同じ時期の入院患者数を比較してみました。

 

 結果ですが、良くわかりませんでした。

 無責任かもしれませんが・・・

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 2020年はコロナ禍のStay homeで、入院患者さんも少し減少しました。特に骨折は外に出なければ一次的には少し減ります。しかし今年は少し伸びている事から、やはりStay homeによるフレイルの影響によって、受傷する方も少し増えているのかもしれません。

 

 また、脳卒中も昨年は減少しましたが、今年は一昨年以上に入院していただいています。最近の特徴は、男性が多く、復職や自動車運転再開目的の方が増えています。

 

 このグラフを見ると、明らかに当院では脳卒中患者さんが多い事がわかると思います。

 

 さらに、肺炎や、開腹術後の廃用症候群は減ってきています。

 廃用はコロナ禍で増えていても不思議ではないと思いますが、廃用を通り越して、病気や骨折に至っているのかもしれません。

 

                            記事担当:部長さかもと

 

【コロナと認知機能低下~認知機能低下予防方法 脳トレ編~】

 6月も終盤にさしかかってきました。今年に入りもう6ヶ月経過したと思うと、「光陰矢のごとし」というのはこの事だなと再認識しますね。因みに歳を重ねるに従い1年が早く感じる事を「ジェネーの法則」というみたいです。

 

 今年も昨年同様新型コロナウイルスが猛威を振るっている今日この頃、自粛期間の長期化に伴い自宅で過ごす事が多くなっている事や、施設・病院では面会制限されている事が多いと思います。

 その中で、外出自粛や面会制限が高齢者の認知機能低下や認知症者の状態悪化を引き起こしているのではないかと言われています。

 日本老年医学会と広島大が全国の945施設と介護支援専門員(ケアマネジャー)751人を対象に行った調査では、約4割の方が認知機能や身体活動量の低下などの「影響が生じた」と回答があったようです。

 

 認知機能低下予防には、適度な運動・他者とのコミュニケーションや栄養と言われており自粛によって運動機会の減少や他者との触れあい軽減、趣味活動の狭小などにより認知機能の低下の要因になっていると言われています。全ては刺激が少なくなる為生じていると言えますね。

 

 そこで認知機能低下を予防する為に、脳に刺激を入れる手軽にできる脳トレを紹介したいと思います。

 これは私、丸山が昨年中之条町認知症予防教室で講師をさせていただいた時に出題した内容で、①が解けた方は結構いましたが③を解けた方はいませんでした。是非チャレンジしてみて下さい。

答えが出なくても考える事が脳に良い刺激となり認知機能低下を予防します(*^o^*)

(リハスタッフの皆さんは分かりますよね。きっとね。)

 

群馬県の市町村知っているだけ言ってみましょう

10個以上言えると素晴らしい

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②連想してみて下さい

赤と言って思い付く物は?

5個でると最高

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に文字をいれ、単語を完成させて下さい

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皆さんは考えられましたか。定期的に脳トレをして脳を活性化させましょう!

 

                                記事担当 ○山

首の重要性

みなさんは自分の姿を真横から見たことがあるでしょうか?

 

写真を撮るなどしないと難しいですよね。

 

では、壁に背中をつけて立ってみて下さい。これが簡単な姿勢のチェックになります。

 

後頭部が壁につくでしょうか?

 

顎を上げて上を向かないと頭が壁につかないなんて方もいるのではないでしょうか。

 

そのような方は、横から見ると頭が前に出ているような姿勢かもしれません。

 

首の後ろに着いている筋肉は、体重の約15%の重さがある頭を支えています。

 

ここからさらに頭が前に出ることで、

 

首の後ろに着く筋肉たちにはさらに大きな負担がかかります。

 

これが、肩こりなどにつながることもあります。

 

そこで紹介したい運動がこちらです。

 

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 よくわかる首・肩関節の動きとしくみより

 

仰向けになり、巻いたタオルを首の下に置きます。

 

続いて、深呼吸をして首の筋肉をリラックスさせます。

 

ここから顎を引き、タオルに加わる圧を首に感じるように力を入れていきます。

 

特に、壁に背中をつけて、頭がつかない方や肩が凝る方におすすめです!

 

 

                               記事担当:PT山田

 

人工股関節置換術後の自分でできる運動

 当院は人工股関節置換術を行った患者さんを多く担当させていただいておりますが、痛みのため、長い期間にわたってできる限り動かさないよう、痛くないようしてきたクセはそう簡単に変わるモノではありません。

 

 股関節をできるだけ小さく動かしているのに、大きく動いているように見せるため、骨盤や腰椎の動きがかなり大きく不自然になることがあります。

 

 まずは、この膝持ち上げ運動をしてみていただきたいのですが、股関節の動きが悪いと背中が曲がり、良い姿勢で座り続けることができません。

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 背中を背もたれから離して座っても、足を上げるときに背もたれに背中が触れるように腰が曲がります。

 

 背もたれに体が触れずに足が片方ずつ挙げられれば、股関節の動きは良好といえます。

 

 これは比較的難しい動きですので、これができるようになるためもう少し簡単にできると思います。まずは、下の動きから練習をしていただきたいと思います。

 

 その動きとはこれです。急性期病院退院後に試してください。

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 ボールに足を載せて、足の方へ転がしたり、頭の方へ転がしたりします。股関節の動きを出すために大事な動きは、矢印とは反対の頭の方向へボールを転がしてください。

 

 このとき、できるだけボールは潰さずに、転がします。ボールを潰してしまうと、ターゲットとしている筋肉の活動は起きず、別の筋肉が鍛えられてしまうので、注意が必要です。

 

 ボールをガイドに股関節を大きく動かし、ボールがなくなっても両足交互にできるようになっておくのが理想です。

 

 矢印を付ける方向を間違ってしまいましたが(笑)、両方向とも大事ですので、大きく動かすようにしてください。

 

                         記事担当:理学療法士さかもと

 

2021年度 臨床実習について

 COVID-19により臨床実習も大きく変化をしております。本来であれば学校で学んだ事を臨床場面に応用する重要な教育課程ではありますが、県や市町村が示す警戒度を基に、病院内の安全を最優先に状況判断をしております。

 

 2021年度における当院のリハビリテーション部の臨床実習の方針について昨年度に倣い、ご報告させて頂きます。

 

 昨年度は一律で県外校からの実習生を見合わせておりました。しかし、今年度は居住地、学校所在地の警戒度などを基に、判断をして受け入れ可否を検討しております。また、吾妻周辺の出身者で県外校に在籍している学生は、実習2週間以上前に帰省し、検温にて発熱が認められない場合、受け入れをしております。

 大変申し訳ありませんが、警戒度を基準に判断するため、急激な感染拡大が生じた地域の場合、実習直前にお断りさせて頂くこともあります。ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

 

 

 また、こちらは昨年度と同様ですが、実習開始2週間前より検温・行動記録表の作成をお願いしております。検温は(朝・昼・夕)3回の検温し、記録してください。行動記録表は群馬県が推奨している用紙、または学校で用意されている用紙で結構です。しかし、提出は義務付けておりません。何かあった場合、早急に対応できるようにするために記入をお願いしています。

 

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 実習前に発熱や体調不良があった場合は、必ずご相談ください。

 

 職員も同様ですが、大切なのは感染症を持ち込まないことです。会食などは控え、実習前ではありますが、医療者としてのモラルを持った行動を心がけてください。

 

                                 PT室長:安齋

 

天気で体調が変わる?

こんにちは!

6月に入り、雨が降ることが増え、ジメジメとした暑さが続いていますね。

 

こうした天気の悪い時期に患者さんから聞かれるのが「関節の痛み」や「頭痛」などといった“痛みなど身体の不調の訴え”です。

 

雨の日は古傷が痛む、頭が痛いといった天気の悪い日の不調を経験したことがある方は少なくないのではないでしょうか。

 

なぜ天気が体の調子に関係しているのでしょうか?

天気によって起こる痛みなどの不調には、“気圧の低下”が関係していると言われ気象病と呼ばれています。

 

人間の身体には、自律神経という体内環境を調節する機能があり、これは交感神経と副交感神経に分けられます。

心拍数の増加や血圧の上昇など身体を緊張状態にする交感神経と、心拍数減少や血圧低下、消化管の働きを促し身体をリラックス状態にする副交感神経が働く事で、体内環境を調整しているのです。

例えば、寒いと鳥肌がたったり、全身の血管が収縮したりと交感神経が働きます。

これによって全身の体温が保たれるのです。

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                          病気がみえる 脳と神経より

 

このような体内環境の調節は、気圧変化が起こったときにも働き、体内環境をいつも通りに保とうとします。

しかし、急激な気圧の変化が起こったり、自律神経の調節機能が低下していたりすると、体内環境の調節が追いつかなくなってしまいます。

 

すると、変化に対するストレスから、交感神経優位となり、心拍数の増加や血圧の上昇とあわせて頭痛や慢性痛の悪化などが起こるそうです。

 

最近では、職場や家庭など空調の整った部屋にいるということが多く、温度に対する自律神経の調節を行う頻度が減少し、自律神経の乱れによる調節機能の低下につながります。

 

このように、自律神経の乱れが、気象病による頭痛や身体の痛みを招くとされているようです。梅雨入りし、気温も安定しない憂鬱な時期となりましたが、自分なりのリラックス方法で自律神経を整えて、気象病に打ち勝ちましょう!!

 

                               記事担当:PT綿貫

 

参考サイト:サワイ健康推進課https://kenko.sawai.co.jp/healthcare/201804-02.html

 テキスト:病気がみえる 脳と神経