当院は人工股関節置換術を行った患者さんを多く担当させていただいておりますが、痛みのため、長い期間にわたってできる限り動かさないよう、痛くないようしてきたクセはそう簡単に変わるモノではありません。
股関節をできるだけ小さく動かしているのに、大きく動いているように見せるため、骨盤や腰椎の動きがかなり大きく不自然になることがあります。
まずは、この膝持ち上げ運動をしてみていただきたいのですが、股関節の動きが悪いと背中が曲がり、良い姿勢で座り続けることができません。
背中を背もたれから離して座っても、足を上げるときに背もたれに背中が触れるように腰が曲がります。
背もたれに体が触れずに足が片方ずつ挙げられれば、股関節の動きは良好といえます。
これは比較的難しい動きですので、これができるようになるためもう少し簡単にできると思います。まずは、下の動きから練習をしていただきたいと思います。
その動きとはこれです。急性期病院退院後に試してください。
ボールに足を載せて、足の方へ転がしたり、頭の方へ転がしたりします。股関節の動きを出すために大事な動きは、矢印とは反対の頭の方向へボールを転がしてください。
このとき、できるだけボールは潰さずに、転がします。ボールを潰してしまうと、ターゲットとしている筋肉の活動は起きず、別の筋肉が鍛えられてしまうので、注意が必要です。
ボールをガイドに股関節を大きく動かし、ボールがなくなっても両足交互にできるようになっておくのが理想です。
矢印を付ける方向を間違ってしまいましたが(笑)、両方向とも大事ですので、大きく動かすようにしてください。
記事担当:理学療法士さかもと