群馬リハビリテーション病院(旧沢渡温泉病院)リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。ロボットリハ稼働中。100名超のリハスタッフで365日リハビリ邁進中。一緒にリハビリがんばりましょう。

当院の自動車運転再開への取り組み

 こんにちは。今日は先日、前橋赤十字病院で発表した、自動車運転再開への取り組みについて少し紹介させていただきます。

 基本的には発表者の小川OTが質問について対応していましたが、最後には関OTも私も?!質問に対して対応をしていました。

 

 自動車運転再開へのサポートについて良い意見交換ができたと思います。

 

 まずは、表題

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 ドライブシミュレータの導入から当院の支援は開始しましたが、あれから6年以上経過するようですね。

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 この一年で、72例。最近は整形疾患に対して支援することも増えています。

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  アンケート調査です。脳卒中患者さんで、運転再開支援を行った方に退院後アンケートを行っています。

 臨時適正相談を受けていただくように患者さんにお話しをしていますので半数以上の方が相談していただいているようです。

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 運転再開された方は、ほとんどトラブルなく買い物や通勤に利用できているようですし、運転再開できなかった方は身体的な理由や、医師家族に止められているという方が1/3くらいずつを占めていました。

 こちらは退院後アンケート調査に添付して実施していただいているものです。アンケート調査にご協力いただきありがとうございました。

 

 これ以降は機会があればご報告させていただきます。

 

                        記事担当:部長さかもと

ReoGo-J見学会

 当院では、脳卒中の方の麻痺側上肢の訓練を目的に開発された上肢用ロボット型運動訓練装置、ReoGo-Jを導入しております。

 導入から約4年が経過しようとしております。

 当院では脳卒中患者様だけでなく頚髄損傷患者様への介入も行っています。

 介入の中で頚髄損傷者へのバランス・動作改善等も確認しています。

 ReoGo-Jを使用したことをきっかけに一人で起き上がりができるようになった方もいらっしゃいます。

 

 今日は東京にある村山医療センターから当院のReoGo-Jの見学にお越し頂きました。

 寒い中、山奥にある当院に時間をかけて来て頂き大変ありがたかったです。

 雪が降る前に見学して頂けて良かったと胸をなで下ろしております。(笑)

 

 見学の内容としては、まずは「当院における頚髄損傷患者様へのReoGo-J使用」というテーマで情報提供させて頂きました。

 

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 その後、実際にReoGo-Jをリハビリで使用している場面を見学して頂きました。

 見学を通じて、それぞれのReoGo-Jの運用方法や体制、運用して行く上での悩みを情報交換できて、こちらも大変刺激をいただくことができました。

 

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 3時間の交流でしたがあっと言う間でした。

 またこのような機会を頂けるのであれば、情報交換をさせて頂きたいなぁと思います。

 本日は大変ありがとうございました。

 

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                          記事担当:OT市村

 

「冷え症」

 段々と寒さも厳しくなってきましたが、みなさんは冷え性だなと感じることがありますか??

 冷え性の定義は様々なようですが、Wikipediaでは「特にの先などの四肢末端あるいは上腕部、大腿部などが温まらず、冷えているような感覚が常に自覚される状態のことである。」と記載されています。

 

 冷えは、貧血、循環障害、生活様式、食生活などの様々な原因により発症していると考えられています。

 特に若年女性で近年ダイエットや運動不足などの傾向により冷え性を自覚する人が多くなっているようです。

 

 足が冷えると靴下を重ねて履く方もいるかと思いますが、かえって血行不良になったりと悪循環になる可能性もあります。

 

 適度な運動(ウォーキングやジョギングなど)を行うことで血行を良くし新陳代謝を上げることが出来ます。また、筋力トレーニングを行うことで筋肉量を上げ、身体の熱を作り出すことができますよ(^_^)/

 

 といっても、冬になるとどうしても活動するのが億劫になってしまい、こたつや靴下に頼りたくなりますね。ですが、なるべく身体を動かすように意識したいものですね(^^;)

 

 どうしても運動は…という方、

 足をさするようなマッサージでも血流を改善させる効果があるので、冷え性だからと諦めず試してみて下さい!

 

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冷え症高齢者に対するフットマッサージの冷え症状の緩和効果より

 

追伸

 

 群馬県作業療法士会が監修したパンフレットがあります。

 

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 イオンモール高崎とのコラボのようですが、冬の北風が強く、寒い中でもモールの中は歩きやすいのでしょうね。

 

 しかも、一周1700mとかなりのロングコースです。

 

 ご参考までに。

                          記事担当:PT牧口

                            加筆:さかもと

【文化祭】

少し前のことになりますが、文化際のお話しです。

 

 

皆さんこんにちは!

 

食欲の秋、読書の秋、文化の秋ですね!

 

先日、中之条町の文化祭にて我ら群リハの茶道部が活躍しました。

 

今回は畳みに正座ではなく、椅子に座ってお茶を立てる【立礼(りゅうれい)】でした。

 

40名ほどのお客様に来て頂きました。

 

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 茶道には和敬清寂(わけいせいじゃく)という言葉があります。

 

 和敬清寂とは、茶道の心得を示す言葉で、主人とお客さんが互いの心を和らげ、茶室や茶会の雰囲気を清らかにすることという意味があります。

 

 リハビリでもセラピストが患者さんの心を和らげていくことで信頼関係やコミュニケーションに繋がっていくと思い、参考にできるところがあると思います。

 

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 昨今は人と人が助け合う事が少ない時代になってきていると感じることが増えました。

 

 みなさんも自分の事だけで精一杯で自分に余裕が無くなるときがあると思います。

 

 そんな時にお茶を飲み、気持ちが穏やかになる事と落ち着いて自分を再確認する時間ができればいいなと思いました。

 

 

                          記事担当:OT天田


 

 

ぐんま自動車運転リハビリテーション研究会2019

 告知させていただいたように、先日研修会を前橋赤十字病院でこの研究会初の開催をする事ができました。

 

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 少し早めに出張させていただき、まずは会場設営。

 

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 机や椅子、サブスライドの設定などを担当させていただきました。

 

 当日は参加者90名を超えたということで、ポスター発表会場などは、かなり混雑度が高かったように思います。

 

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 先日の大前くんに続き、小川くんも!発表前にこの笑顔。

 こうなるともう発表者には風格さえ感じられます。内容もわかりやすかったので、機会をつくってこのブログで報告していきたいと思います。

 

 座長などを設けず実施しましたので、質問などのハードルはかなり低くなり、聞きたいことはすぐに聞ける距離感でした。

 

 その結果、多くの質問が出て、発表者・参加者ともに有意義な時間を過ごすことが出来たように思います。

 

 当院が使っているドライブシミュレータも、県内で14施設程度に導入されたそうです。使い方など他の病院とも一緒に検討して行きたいと思います。

 

 参加されたセラピスト、医師の皆様、大変お疲れさまでした。

 

                        記事担当:部長さかもと

 

口腔ケアで肺炎を防ぐ

 口腔ケアとは、歯を磨くだけではありません。

 

 歯茎、舌、粘膜など口の中の全てから入れ歯まで含めて考えます。

 

 したがって一般的に「口を清潔に保つこと」だと思われがちですが、実は口だけでなく体全体を健康に保つために必要なケアであると考えています。

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 なぜ口を清潔に保つことが体の健康に密接しているかというと、口腔状態の悪化は食べる、飲む動作がスムーズに行えなくなるため、栄養の摂取が十分にできなくなります。

 

 十分に栄養が摂取できないと、運動不足に陥り、運動能力の低下やそれに伴う認知症の進行が発生する可能性があります。

 

 また口腔内の細菌が肺に入って起こるのが「誤嚥性肺炎」です。

 

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 口腔内の汚れや細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防につながります。

 

 誤嚥性肺炎は高齢者の命にかかわることもある怖い病気なので、しっかり予防することが重要です。

 

 健康を維持していくためにも、まずはしっかり歯みがきを行ったり、うがいの頻度を増やしたりするところからはじめていただきたいと思います。

 

                          記事担当:ST青木

 

リハ部の取り組み⑲

リハビリテーションスポーツ

 

 当院の健康運動指導士は障害者体育に精通しており、車いすバスケットを始めとするリハビリテーションスポーツを日々の臨床で活用しています。

 

 写真は活動性の低めな卓球バレーですが、通常の卓球と違い、四辺に患者さんを配置し、座位で安全性を確保して卓球を転がして行います。

 

 バレーですので3回で反対側に打ち返しますが、ネットの上ではなく、下を通すというのがこの競技のルールです。

 

 これ以外にも最近はボッチャやフライングディスク、グラウンドゴルフなど、多くの種目で患者さんの状態に合わせてスポーツを実施しています。

 

 楽しくできる動作を使うことで運動範囲を少しずつ拡大することもできます。

 

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                          記事:部長さかもと

 

脳卒中の転帰(回復期入棟時の座位機能と歩行自立度)

 昨日の続きです。

 

 脳卒中地域連携パスで情報を送られた患者さんが、2段目の病院でどうなっているかの結果を示します。

 

 脳卒中で急性期の状態を脱した方が、回復期入棟時は83%の患者さんが歩く事ができませんでした。というのは昨日示しました。

 

 その方がどうなったのか。これが今日のテーマです。

 

 先に結果のグラフを示します。

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 当院のような2段目の病院に入院した脳卒中患者さんが、退院時に歩行自立度がどうなったのかということを示しています。

 

 入院時、端座位(足を下ろして座った姿勢。椅子に座ったときの状態。)が一人でできた方は、退院時には8割が歩行自立しています。杖・装具の使用は問いません。

 しかし、当院のような2段目の病院は、回復期リハ病棟だけではなく、療養病棟や地域包括ケア病棟なども含んでいます。

 従って、リハビリの提供量についても各病院でバラバラで、時間も運動量も環境も異なっています。

 

 それでも8割の患者さんが歩行自立まで至っています。

 従って、連携病院に入院した患者さんが、端座位をとっていられる場合、連携病院のリハビリとしては、最終的には歩行自立を目指すべきです。

 残りの2割にしても、ほとんどが見ていれば歩ける所まで到達しており、介助が必要な方は5%にとどまっています。

 

 さらに、入院時見ていないと座っていられない患者さんでは、退院時には1/3が歩行自立に至りました。

 座位バランスが悪くなっている場合には、歩行自立度にも影響を及ぼす可能性が高いと言えます。

 

 こういうみかたで見ると、脳卒中後のリハビリでは、座位・立位・歩行それぞれに多くの練習が必要と言えます。

 

                     記事担当:リハ部長 さかもと

 

脳卒中リハビリの結果

 先日、静岡で報告したモノですが、脳卒中後、どのくらいの割合で歩けるようになっているか示します。

 

 計画管理病院というのが、急性期病院で、脳卒中になった後、血管の治療を含めすぐに入る病院(救急搬送される病院)です。

 

 さらに、連携病院というのが、当院のようなリハビリ目的などで転院する病院の事です。

 

 グラフを示します。

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 地域連携パスで情報が流れてくる患者さんを対象としていますので、群馬県内で年間1000例程度です。

 このうち約1/4程度を調べています。

 最初の病院だけで治療が完結すれば、次の病院にお願いすることはありませんので、ここには含まれません。

 計画管理病院だけで治療が完結しなかった患者さんでは、この病院を退院する際に10.4%が歩行自立と判断されています。

 歩く以外にもリハビリでは行う事が必要ですが、1割程度しか歩いて連携病院に行っていないという事実は驚きです。

 

 さらに、連携病院入院時の評価では、16.6%が歩けるようになっています。病院を移っただけで歩行自立者が6%伸びるのはなぜかわかりませんが、計画管理病院では、歩けるけど実際の生活では歩かなかった、という方も多いのかもしれません。

 さらに、連携病院ではどうなるのかですが、連携病院の入院期間は患者さんにより異なり、1~6ヶ月程度です。

 ここで、最終的には48.7%が歩行自立しました。

 群馬県では、脳卒中患者さんの約半数が歩けるようになっています。

 

 連携病院入院時に歩行自立している方を除くと、入院した際に歩けなかった方の38%が歩行自立していました。決して高い比率ではないと思いました。

 

 これは、急性期2つの病院を通過した患者さんで調査していますので、当院の患者さんで調べたらどうなるか楽しみですが、ここで報告しにくいのが残念です。

 

 いずれにしても、一人で歩く事ができる割合を出来るだけ増やすことが私たちの使命ですので、今後も頑張っていきます。

 

                        記事担当:部長さかもと

リハ部の取り組み⑱

水中運動療法

 

 といっても、医療体育で実施していますが、、、

 

 理学療法の一部である水治療法ですが、現在ほとんどの医療機関で絶滅しつつあります。

 当院では温泉を用いてきた歴史もあり、水中運動療法についても30年以上に渡り、施行してきた実績を持ちます。

 免荷式歩行装置についてご紹介しましたが、この水中運動こそが元祖免荷訓練であり、骨折や関節術後の体重荷重制限がある時期から、立位歩行や運動ができるという利点があります。

 現在は健康運動指導士を中心に集団で歩行や体操といったアプローチを行っています。

 水温は通常のプールよりも高めの36℃前後に設定し、不感温度で運動をすることにより発汗を促し代謝を促進しています。

 

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 水中運動では、体を傾けたり、浮かせたりすると、重心からの垂直線と、浮心(浮きの中心点)からの位置にズレが生じる現象が起きます。

 

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 けのびの体勢で、前方へ進んでいるときは問題ありませんが、スピードが落ちてくると足が下に下がってきます。

 このように水中運動では体の位置を変えることでも、バランスが崩れやすくなり、これに対応するために筋活動を起こさなくてはならなくなります。

 こうして陸上よりも多くの運動が行えるのです。

 

                        記事担当:部長さかもと