先日、静岡で報告したモノですが、脳卒中後、どのくらいの割合で歩けるようになっているか示します。
計画管理病院というのが、急性期病院で、脳卒中になった後、血管の治療を含めすぐに入る病院(救急搬送される病院)です。
さらに、連携病院というのが、当院のようなリハビリ目的などで転院する病院の事です。
グラフを示します。
地域連携パスで情報が流れてくる患者さんを対象としていますので、群馬県内で年間1000例程度です。
このうち約1/4程度を調べています。
最初の病院だけで治療が完結すれば、次の病院にお願いすることはありませんので、ここには含まれません。
計画管理病院だけで治療が完結しなかった患者さんでは、この病院を退院する際に10.4%が歩行自立と判断されています。
歩く以外にもリハビリでは行う事が必要ですが、1割程度しか歩いて連携病院に行っていないという事実は驚きです。
さらに、連携病院入院時の評価では、16.6%が歩けるようになっています。病院を移っただけで歩行自立者が6%伸びるのはなぜかわかりませんが、計画管理病院では、歩けるけど実際の生活では歩かなかった、という方も多いのかもしれません。
さらに、連携病院ではどうなるのかですが、連携病院の入院期間は患者さんにより異なり、1~6ヶ月程度です。
ここで、最終的には48.7%が歩行自立しました。
群馬県では、脳卒中患者さんの約半数が歩けるようになっています。
連携病院入院時に歩行自立している方を除くと、入院した際に歩けなかった方の38%が歩行自立していました。決して高い比率ではないと思いました。
これは、急性期2つの病院を通過した患者さんで調査していますので、当院の患者さんで調べたらどうなるか楽しみですが、ここで報告しにくいのが残念です。
いずれにしても、一人で歩く事ができる割合を出来るだけ増やすことが私たちの使命ですので、今後も頑張っていきます。
記事担当:部長さかもと