群馬リハビリテーション病院リハビリテーション部です

回復期リハ病棟156床。伝統的なリハビリに加え、早朝リハビリも施行。さらにHAL、歩行アシスト、足首アシスト、IVES、REOGO-J、Walkaideなどを中心とするロボットリハも駆使して、患者さんが良くなるために奮闘中。

英国の減塩プロジェクト

 イギリスでは、2003年から2011年のわずか8年間で、心疾患と脳卒中の死亡者数が4割も減少しました。


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 秘策は「パン」だそうです。

 

 目をつけたのは食塩。イギリス国民は、日本に劣らず塩辛い料理を好んでいます。


 2003年時点のイギリス国民1人当たりの塩分摂取量は110g弱。

日本や韓国、タイほどではないが、アメリカやフランスに比べるとかなり多かったようです。


 食塩の過剰摂取は、胃がん、高血圧、循環器疾患、脳卒中などの発症リスクを高めると言われています。イギリスでは、取り組みの結果、塩分摂取量を15%も減らすことに成功しました。

 

 それは、時間をかけて段階的に塩分を減らすこと。

 

 イギリスの食品基準庁は、食品分野におけるイギリスの公衆衛生の維持を仕事としているが、食品メーカーに自主的な達成を促しました。

 パンは食塩を大量に含む食品とされており、イギリス国民の塩分摂取源の18%が、パンによるものであることがわかりました。


そこで食品基準庁は、国内のパン製造業者に減塩を強く働きかけました。。

ところが、多くのメーカーはパンの塩分量を減らすことに反対で、パンの味が変わってしまうことに懸念を示しました。

 減塩したことで売り上げが減ったらどうしてくれんだという思いが、協力の大きな障壁になっていました。

 

 そこで、大きなきっかけとなったのがある提案だった。“塩と健康に関する国民会議”という団体が発した斬新な減塩方法です。


 それは「減塩は、一気にするのではなく、ゆっくりと塩分を下げていこう」というもの。消費者に気づかれないよう、時間をかけて段階的に塩分を減らせば、売り上げを減らすことなく、味を変えられるという考えだった。

 

 塩分はこっそり減らせばわからない。

 

 実は、国民会議は根拠となる研究結果を持っていた。

 2つのグループをつくり、それぞれ6週間パンを食べてもらいました。


 片方は通常のパンを食べるグループ。

 もう一方は段階的に毎週5%ずつ減塩していったパンを食べるグループで、最終的には25%減塩したパンを食べることになる。もちろん被験者はそれを知りません。

 

 この条件で、6週間後、味の違いについて感想を聞いたところ、塩分量が同じパンを食べたグループはもちろんのこと、段階的に25%まで減塩したパンを食べたグループも、「味は変わらない」と答えた。

 

「研究結果から、人間はわずか6週間で薄味に慣れてしまうことが分かりました。私たちは、少しずつ減塩すれば誰も気づかず、消費者離れは起きないと考えたのです」

 

 一見、繊細な人間の味覚は、意外と中長期的な味の変化には鈍感になるそうで、この特性を利用して、塩分を消費者に気づかれないよう、こっそり減らせば減塩可能と判断したそうです。


20%も減塩されたことに気がつかなかった


 この提案を受け、パンメーカー業界団体が「それなら協力できる」と動き出しました。


 これまで食塩の過剰摂取がもたらす健康被害に警鐘を鳴らしてきた研究活動が、政府やメーカーを動かし、減塩プロジェクトが始動しました。


 取り組みは、最初の年は2%の減塩から開始したものの、その後7年間かけて、最終的には塩分を20%まで減らすことに成功しました。


 実に大胆かつ慎重に進められた減塩プロジェクトでしたが、イギリス国民は本当にパンが20%も減塩されたことに気がつかなかったのでしょうか。


 NHKでは、減塩済みのパンを提供し続けてきたロンドン市内のベーカリーを訪ね、利用客にインタビューを試みた。出会ったのは、この店で昔からランチを食べているという方。


「私は7年前からここでお昼ご飯を食べているけど、パンの味が変わったことには、まったく気がつきませんでした。私の健康状態は良好ですよ。きっと、いろんな食品が減塩されているなんて、みんな気づいていないと思いますよ」


 こうしたイギリス政府の国を挙げた減塩政策は、目覚ましい成果をあげている。2003年から8年間で、国民1人当たりの1日の塩分摂取量は1g以上も減少、虚血性心疾患や脳卒中の死亡者は4割も減少しました。

 これによって、年間15億ポンド(約2300億円)以上の医療費が削減できたとされています。


引用:

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